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71.解呪
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まずは場所だな。結界を張るから問題ないと思うけど、邪魔が入らないように誰も近づかない部屋を用意してほしい。
そういった事を言葉を選びながら伝えると、王女は自分の部屋ならどうかと提案してきた。
「あの…私も一緒にいないとスキルが上手く作用するか分からないのですが」
「はい」
「王女殿下は女性なので、私という男が王女殿下の自室に入ると、いらぬ噂が立つ可能性があります」
「ラソマ伯爵が相手なら私は気にしませんが」
俺が気にするんだけど。
「クリスよ、無理を言うな。ラソマは英雄で伯爵ではあるが、クリスの部屋に入るのは認めん」
父親ならそうだろうな。
「お父様、私は全く気にしません。ラソマ伯爵は魅力的な方ではありますが、私がしてもらう事は呪いを解いてもらう事です。決してやましい事をするわけではないので、おかしな噂が立つ事はないと思います」
いや、噂は立つよ。
「王女殿下の部屋に行くと私が緊張してしまいます。わがままを言って申し訳ありませんが、別の部屋を用意していただけないでしょうか?」
「うむ、それなら余の部屋はどうだ?おかしな噂が立つ心配ないと思うが」
国王の部屋も同じだよ。緊張するよ。
「分かりました。この部屋に結界を張って誰も来ないようにします」
最初からそうすれば良かった。別の部屋を用意してもらおうとするから、変に長引いてしまった。
「この部屋で大丈夫なんですか?」
「そもそも結界とは何だ?」
そうか。俺のスキルで使える事の全てを話してないからな。
「結界というのは防御魔法のようなものです。例えば、今、私は自身の体に結界を張っています。その効果は攻撃が効かないというものです」
実際はもっと多くて複雑な効果をつけてるけど、わざわざ言う事じゃないよな。
「剣で斬りつけても無駄という事か?」
「はい。スキルや魔法も無効化します」
「なんと!」
「凄いです!」
「そして私は結界の効果を自分で選ぶ事ができます。王女殿下の呪いを解く際には、この部屋に誰も入れないようにする、ドアを開ける事ができない、中の音が聞こえない、部屋を破壊するような攻撃や魔法が無効化される、といった効果をつける予定です」
「邪魔者が入れないようにする為だな?」
「はい」
「ふむ、その状況にして、クリスの呪いを解くわけだな。全く、超能力とは面白いスキルだな。そのような事もできるとは」
国王は感心している。
「さて、それでは早速、クリスの呪いを解いてくれるか?」
「はい。それでは、陛下も一緒におられますか?」
「いや、出ておこう」
「自分で聞いておいて何ですが、よろしいのですか?王女殿下と私だけになってしまいますが」
「ラソマの事は信用している。それにクリスも治療中の姿を見られるのは嫌だろう」
「父様、ありがとうございます」
「うむ」
そう言って国王は部屋から出て行った。
さて、まずは結界だな。部屋に誰も入ってこれない状態にして、雑菌のない状態にする。…よし、できた。それに防音もつけて、と。さらに国を覆う結界と、城のみを覆う結界、それに呪いが可視化される結界を張る。呪いか見えるものか分からないから、これは賭けだ。見えたら良いんだけど。
「準備が出来ました」
俺と王女は対面するように座っている。きちんと近くで確認するため、テーブルは間に置いていない。
「それでは失礼ですが、顔の包帯を取ってもらえますか?」
「…取らないと駄目ですよね?」
「そうですね。辛いかもしれませんが、私から見えていないと、呪いが解けて大丈夫になったかが分からないので」
「…分かりました」
顔の状態を気にしている女性に対して顔を見せろと言うのは辛いけど、状態を把握する為にも仕方がない。
王女は躊躇いながらゆっくりと顔に巻かれている包帯を取る。
「っ!」
「すみません、酷い状態ですよね…」
つい驚いてしまった。声には出してないけど、俺が驚いたのが伝わってしまった。
「申し訳ありません」
「いえ、良いんです。驚かない方が無理だと思いますから」
王女の顔は全体が爛れていた。これは酷すぎるだろう!呪いが何なのか知らないけど、人にかけて良いものじゃない!呪いが何か、見えるのかどうかなんて分からないけど、犯人が生きているなら、世界中の人族と魔族に読心を使ってでも犯人を見つけ出してやる!
「あの…どうしたんですか?怒っているようですが」
「あ、すみません。つい呪いをかけた犯人の事を考えると腹が立ってしまって」
「フフ、ありがとうございます」
「呪いが無事に解けたら今度は犯人を見つけ出してみせます」
「ありがとうございます。でもそこまでして頂かなくても良いのですよ?呪いをかけられた当時、犯人を探したけど見つからなかったんですから」
「…分かりました。今は呪いを解く方に集中します」
「はい、よろしくお願いします」
まずは呪いを解く方に集中しないとな。
よし!気合を入れるか!
「では始めます」
そう言うと、王女は目を閉じた。
まずは王女の時間を呪いがかけられていない状態まで巻き戻す。最初はゆっくり巻き戻して、大丈夫そうなら早めていくか。
「今、時間を巻き戻しています」
「はい」
声をかけないと無音を気にして不安になるかもしれないからな。
徐々に王女の顔が若くなっていく。いや今でも若いんだけど、子供になっていく感じだな。それでもまだ呪いは解けない。どれだけ前からこの状態だったんだ…。
なんだ、これは!王女の体から黒い靄のようなものが出てきた。そして黒い靄が完全に出ると、王女の顔が爛れていない状態になった。黒い靄はどこかに飛んでいこうとしている。これが呪いか!
逃がさないように、すぐに呪いを覆うように結界を張る。呪いって見えるのか。
それからも王女の時間を戻してみたけど、それ以上の変化はなかった。呪いは全部出たと考えて良いだろう。
「あの…どうなりましたか?…声が!?」
「呪いと思われるものは取り除きました。今、王女殿下は幼くなっておられるので、声も幼くなっているのです。すぐに時間を進めます」
「っ!はい!」
さて、時間をゆっくりと進めていくか。余談だけど、進めた時間、または戻した時間は感覚ではなくて、秒単位で分かる。だからここまで戻した時間も分かるので、正確に王女を現在の年齢まで進める事ができる。
「戻しました。もう目を開けても大丈夫です」
そう言うと、王女がゆっくりと目を開ける。
「これをお使いください」
手鏡を王女に渡す。王女は鏡を受け取ると、ゆっくりと自分の顔を映す。そりゃあ、最初は緊張するよな。
「こ、これが…私………?!」
「はい、呪いにかかっていない王女殿下のお顔です」
王女は戸惑いながら自分の顔を見て、鏡を持っていない方の手で顔を触る。
「これが…私…私の顔…今まで見れなかった…あ、あああぁぁ…」
そう呟くように言うと、王女は泣きだしてしまった。これは声をかけるべきじゃないよな。と言うか、何て声をかけて良いかも分からない。俺は静かに、王女が泣き止むのを待った。
しばらくして、泣き止んだ王女は頬を赤くしながら俺を見た。
「見苦しい所を見せてしまったわね」
「いえ、当然の反応だと思います」
「ラソマ伯爵、今回は本当にありがとう。まさか、こんな簡単に呪いが解けるなんて思わなかったわ。あ、ラソマ伯爵のスキルがあってこそだから、簡単ではないわよね」
王女は笑顔で俺にお礼を言う。
「王女殿下の笑顔が見れたので良かったです」
「あ、ありがとう」
俺の言葉に王女が照れたように笑う。
「それからラソマ伯爵?私の事は名前で呼んでもらって良い?」
「え?名前ですか?でも、それは」
「ラソマ伯爵に王女殿下と呼ばれるのは距離を感じてしまうの」
「ですが実際に王女殿下と伯爵ですから」
距離はあるよ。今回の件も俺が呪術師の代わりをしただけで、距離を縮める要因にはなっていないと思う。
「私との距離は縮まっていますよ?だって…私の体………見ましたよね?」
王女の言葉に俺は硬直した。
そういった事を言葉を選びながら伝えると、王女は自分の部屋ならどうかと提案してきた。
「あの…私も一緒にいないとスキルが上手く作用するか分からないのですが」
「はい」
「王女殿下は女性なので、私という男が王女殿下の自室に入ると、いらぬ噂が立つ可能性があります」
「ラソマ伯爵が相手なら私は気にしませんが」
俺が気にするんだけど。
「クリスよ、無理を言うな。ラソマは英雄で伯爵ではあるが、クリスの部屋に入るのは認めん」
父親ならそうだろうな。
「お父様、私は全く気にしません。ラソマ伯爵は魅力的な方ではありますが、私がしてもらう事は呪いを解いてもらう事です。決してやましい事をするわけではないので、おかしな噂が立つ事はないと思います」
いや、噂は立つよ。
「王女殿下の部屋に行くと私が緊張してしまいます。わがままを言って申し訳ありませんが、別の部屋を用意していただけないでしょうか?」
「うむ、それなら余の部屋はどうだ?おかしな噂が立つ心配ないと思うが」
国王の部屋も同じだよ。緊張するよ。
「分かりました。この部屋に結界を張って誰も来ないようにします」
最初からそうすれば良かった。別の部屋を用意してもらおうとするから、変に長引いてしまった。
「この部屋で大丈夫なんですか?」
「そもそも結界とは何だ?」
そうか。俺のスキルで使える事の全てを話してないからな。
「結界というのは防御魔法のようなものです。例えば、今、私は自身の体に結界を張っています。その効果は攻撃が効かないというものです」
実際はもっと多くて複雑な効果をつけてるけど、わざわざ言う事じゃないよな。
「剣で斬りつけても無駄という事か?」
「はい。スキルや魔法も無効化します」
「なんと!」
「凄いです!」
「そして私は結界の効果を自分で選ぶ事ができます。王女殿下の呪いを解く際には、この部屋に誰も入れないようにする、ドアを開ける事ができない、中の音が聞こえない、部屋を破壊するような攻撃や魔法が無効化される、といった効果をつける予定です」
「邪魔者が入れないようにする為だな?」
「はい」
「ふむ、その状況にして、クリスの呪いを解くわけだな。全く、超能力とは面白いスキルだな。そのような事もできるとは」
国王は感心している。
「さて、それでは早速、クリスの呪いを解いてくれるか?」
「はい。それでは、陛下も一緒におられますか?」
「いや、出ておこう」
「自分で聞いておいて何ですが、よろしいのですか?王女殿下と私だけになってしまいますが」
「ラソマの事は信用している。それにクリスも治療中の姿を見られるのは嫌だろう」
「父様、ありがとうございます」
「うむ」
そう言って国王は部屋から出て行った。
さて、まずは結界だな。部屋に誰も入ってこれない状態にして、雑菌のない状態にする。…よし、できた。それに防音もつけて、と。さらに国を覆う結界と、城のみを覆う結界、それに呪いが可視化される結界を張る。呪いか見えるものか分からないから、これは賭けだ。見えたら良いんだけど。
「準備が出来ました」
俺と王女は対面するように座っている。きちんと近くで確認するため、テーブルは間に置いていない。
「それでは失礼ですが、顔の包帯を取ってもらえますか?」
「…取らないと駄目ですよね?」
「そうですね。辛いかもしれませんが、私から見えていないと、呪いが解けて大丈夫になったかが分からないので」
「…分かりました」
顔の状態を気にしている女性に対して顔を見せろと言うのは辛いけど、状態を把握する為にも仕方がない。
王女は躊躇いながらゆっくりと顔に巻かれている包帯を取る。
「っ!」
「すみません、酷い状態ですよね…」
つい驚いてしまった。声には出してないけど、俺が驚いたのが伝わってしまった。
「申し訳ありません」
「いえ、良いんです。驚かない方が無理だと思いますから」
王女の顔は全体が爛れていた。これは酷すぎるだろう!呪いが何なのか知らないけど、人にかけて良いものじゃない!呪いが何か、見えるのかどうかなんて分からないけど、犯人が生きているなら、世界中の人族と魔族に読心を使ってでも犯人を見つけ出してやる!
「あの…どうしたんですか?怒っているようですが」
「あ、すみません。つい呪いをかけた犯人の事を考えると腹が立ってしまって」
「フフ、ありがとうございます」
「呪いが無事に解けたら今度は犯人を見つけ出してみせます」
「ありがとうございます。でもそこまでして頂かなくても良いのですよ?呪いをかけられた当時、犯人を探したけど見つからなかったんですから」
「…分かりました。今は呪いを解く方に集中します」
「はい、よろしくお願いします」
まずは呪いを解く方に集中しないとな。
よし!気合を入れるか!
「では始めます」
そう言うと、王女は目を閉じた。
まずは王女の時間を呪いがかけられていない状態まで巻き戻す。最初はゆっくり巻き戻して、大丈夫そうなら早めていくか。
「今、時間を巻き戻しています」
「はい」
声をかけないと無音を気にして不安になるかもしれないからな。
徐々に王女の顔が若くなっていく。いや今でも若いんだけど、子供になっていく感じだな。それでもまだ呪いは解けない。どれだけ前からこの状態だったんだ…。
なんだ、これは!王女の体から黒い靄のようなものが出てきた。そして黒い靄が完全に出ると、王女の顔が爛れていない状態になった。黒い靄はどこかに飛んでいこうとしている。これが呪いか!
逃がさないように、すぐに呪いを覆うように結界を張る。呪いって見えるのか。
それからも王女の時間を戻してみたけど、それ以上の変化はなかった。呪いは全部出たと考えて良いだろう。
「あの…どうなりましたか?…声が!?」
「呪いと思われるものは取り除きました。今、王女殿下は幼くなっておられるので、声も幼くなっているのです。すぐに時間を進めます」
「っ!はい!」
さて、時間をゆっくりと進めていくか。余談だけど、進めた時間、または戻した時間は感覚ではなくて、秒単位で分かる。だからここまで戻した時間も分かるので、正確に王女を現在の年齢まで進める事ができる。
「戻しました。もう目を開けても大丈夫です」
そう言うと、王女がゆっくりと目を開ける。
「これをお使いください」
手鏡を王女に渡す。王女は鏡を受け取ると、ゆっくりと自分の顔を映す。そりゃあ、最初は緊張するよな。
「こ、これが…私………?!」
「はい、呪いにかかっていない王女殿下のお顔です」
王女は戸惑いながら自分の顔を見て、鏡を持っていない方の手で顔を触る。
「これが…私…私の顔…今まで見れなかった…あ、あああぁぁ…」
そう呟くように言うと、王女は泣きだしてしまった。これは声をかけるべきじゃないよな。と言うか、何て声をかけて良いかも分からない。俺は静かに、王女が泣き止むのを待った。
しばらくして、泣き止んだ王女は頬を赤くしながら俺を見た。
「見苦しい所を見せてしまったわね」
「いえ、当然の反応だと思います」
「ラソマ伯爵、今回は本当にありがとう。まさか、こんな簡単に呪いが解けるなんて思わなかったわ。あ、ラソマ伯爵のスキルがあってこそだから、簡単ではないわよね」
王女は笑顔で俺にお礼を言う。
「王女殿下の笑顔が見れたので良かったです」
「あ、ありがとう」
俺の言葉に王女が照れたように笑う。
「それからラソマ伯爵?私の事は名前で呼んでもらって良い?」
「え?名前ですか?でも、それは」
「ラソマ伯爵に王女殿下と呼ばれるのは距離を感じてしまうの」
「ですが実際に王女殿下と伯爵ですから」
距離はあるよ。今回の件も俺が呪術師の代わりをしただけで、距離を縮める要因にはなっていないと思う。
「私との距離は縮まっていますよ?だって…私の体………見ましたよね?」
王女の言葉に俺は硬直した。
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