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『猟奇的、美形兄は』
26:弟、物体につき
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「まな、着いたぞ」
(株)原始人の日用品雑貨部門のお店は二階建ての広い店舗だった。外観はアダルトなのかと思いきや、正面はガラス張りで、白の清潔感溢れる壁。パッと見た感じ、床は板張りのようだ。早く中に入りたいなと、車を降りるといつも通りテンプレートが発生。縁石に躓いた兄が、愛都の股間に突っ込んできた。
「あああああああん♡まなのお×××んッ」
もはや、わざととしか言いようがない。
ガシっと股間に縋りつかれたまま、兄を無視し店内に向かう。周りから見たら、異様である。
「ちょっと、歩きづらいんだけど」
「ぬはッ」
兄の股間をさりげなく蹴り飛ばすと、彼はあっけなくその辺に転がった。
「まな、この素敵なお兄ちゃんにちょっと冷たくないか?」
自称素敵なお兄ちゃんは、股間を抑え涙目だ。
「気のせい、気のせい」
いちいちまともに対応していては、いつ店の中に入れるか分からない。愛都は気にせず、店内へ直進した。
「ま、まな。この素敵な……ぐはッ」
──へえ。
置いてあるものは、あれだけどお洒落な雰囲……え?
何気なく見上げたら、傘の下にぶら下がる電球がお尻型であった。だが、この程度なら想定内。
店に入ってすぐ、キッチン用品が並んでいる。段差を付けた平台の上に、意外とシンブルなカラーで珍列……もとい、陳列されるキッチン用品。主に、木製、シルバーカラーの金属製、最近増えてきた二二〇度程度なら耐えられる、見た目がプラスチックのような黒や白、赤のもの。色はそんなに突飛ではないようだ。
しかし、普通で済むはずがない。
「こ……これは!」
とてつもなく使いずらそうな、お×××ん型のフライ返し。
「いや、意外とイケるのかな?」
フォークの真ん中だけやたら長いものと同等の形である。
「まな。何か欲しいものはあったか?」
「ううん」
あるわけないという言葉を飲み込み、兄の手を掴むと、
「早く寝具コーナーへ行こうよ」
と促す。
長居は無用だ。
このコーナーに居るといつ兄が母へ土産を買おうと言い出すか、気が気ではない。こんな妙なものを買っていけば火に油を注ぐようなもの。大目玉は免れない。
「今日は、積極的だね。まなの素敵なお兄ちゃんは嬉しいよ」
簡単に愛都の思惑通りになる自称素敵なお兄ちゃんは、愛都の手を引くと意気揚々と寝具コーナーへ歩き出す。
「んっんっんっ」
寝具コーナーへつくと、例の物体が陳列用の大きな籠に山積みになっている。
想像以上にデカい。これは枕と言うよりは背もたれ用クッションだ。
「何色にしようかな」
兄は、肌色、ピンク、黒のお×××んをさわさわしながら、手触りを確かめている。
──お×××んに頭を乗せるのも嫌だけど、お×××んを背もたれにするのもなあ。
考えていることは、クレイジーだがクッションだ。
「やはり、ここは肌色か」
もちもちッとした感触のクッションのようで、形はともかく人をダメにしそうな良い素材で出来ている。愛都は何となく、兄の抱えるクッションのおたまたま部分を揉みモミしてみた。
「まなもいる?」
「いや、ちょっと待って。直径一メートルもあるお×××んを二個も置いたら、いるとこなくなるでしょ」
確かに子供部屋は広い。
しかし、学習机が二つ、セミダブルベッドが二つほど置いてあり、部屋の半分以上はそれらが占めている。
そして山盛りのスケスケピンクおパンティがそこかしこに置いてあるのだ。内職でもしているかのように。
そこに直径一メートルのお×××んが二つ。もう、お×××んの部屋といっても過言ではない。言ってることはトチ狂っているが、要はクッションに床を占領されるということだ。
「そっか、しょうがないね。二人でお×××んを共有しよう」
更にトチ狂った事態に陥ったのだった。
(株)原始人の日用品雑貨部門のお店は二階建ての広い店舗だった。外観はアダルトなのかと思いきや、正面はガラス張りで、白の清潔感溢れる壁。パッと見た感じ、床は板張りのようだ。早く中に入りたいなと、車を降りるといつも通りテンプレートが発生。縁石に躓いた兄が、愛都の股間に突っ込んできた。
「あああああああん♡まなのお×××んッ」
もはや、わざととしか言いようがない。
ガシっと股間に縋りつかれたまま、兄を無視し店内に向かう。周りから見たら、異様である。
「ちょっと、歩きづらいんだけど」
「ぬはッ」
兄の股間をさりげなく蹴り飛ばすと、彼はあっけなくその辺に転がった。
「まな、この素敵なお兄ちゃんにちょっと冷たくないか?」
自称素敵なお兄ちゃんは、股間を抑え涙目だ。
「気のせい、気のせい」
いちいちまともに対応していては、いつ店の中に入れるか分からない。愛都は気にせず、店内へ直進した。
「ま、まな。この素敵な……ぐはッ」
──へえ。
置いてあるものは、あれだけどお洒落な雰囲……え?
何気なく見上げたら、傘の下にぶら下がる電球がお尻型であった。だが、この程度なら想定内。
店に入ってすぐ、キッチン用品が並んでいる。段差を付けた平台の上に、意外とシンブルなカラーで珍列……もとい、陳列されるキッチン用品。主に、木製、シルバーカラーの金属製、最近増えてきた二二〇度程度なら耐えられる、見た目がプラスチックのような黒や白、赤のもの。色はそんなに突飛ではないようだ。
しかし、普通で済むはずがない。
「こ……これは!」
とてつもなく使いずらそうな、お×××ん型のフライ返し。
「いや、意外とイケるのかな?」
フォークの真ん中だけやたら長いものと同等の形である。
「まな。何か欲しいものはあったか?」
「ううん」
あるわけないという言葉を飲み込み、兄の手を掴むと、
「早く寝具コーナーへ行こうよ」
と促す。
長居は無用だ。
このコーナーに居るといつ兄が母へ土産を買おうと言い出すか、気が気ではない。こんな妙なものを買っていけば火に油を注ぐようなもの。大目玉は免れない。
「今日は、積極的だね。まなの素敵なお兄ちゃんは嬉しいよ」
簡単に愛都の思惑通りになる自称素敵なお兄ちゃんは、愛都の手を引くと意気揚々と寝具コーナーへ歩き出す。
「んっんっんっ」
寝具コーナーへつくと、例の物体が陳列用の大きな籠に山積みになっている。
想像以上にデカい。これは枕と言うよりは背もたれ用クッションだ。
「何色にしようかな」
兄は、肌色、ピンク、黒のお×××んをさわさわしながら、手触りを確かめている。
──お×××んに頭を乗せるのも嫌だけど、お×××んを背もたれにするのもなあ。
考えていることは、クレイジーだがクッションだ。
「やはり、ここは肌色か」
もちもちッとした感触のクッションのようで、形はともかく人をダメにしそうな良い素材で出来ている。愛都は何となく、兄の抱えるクッションのおたまたま部分を揉みモミしてみた。
「まなもいる?」
「いや、ちょっと待って。直径一メートルもあるお×××んを二個も置いたら、いるとこなくなるでしょ」
確かに子供部屋は広い。
しかし、学習机が二つ、セミダブルベッドが二つほど置いてあり、部屋の半分以上はそれらが占めている。
そして山盛りのスケスケピンクおパンティがそこかしこに置いてあるのだ。内職でもしているかのように。
そこに直径一メートルのお×××んが二つ。もう、お×××んの部屋といっても過言ではない。言ってることはトチ狂っているが、要はクッションに床を占領されるということだ。
「そっか、しょうがないね。二人でお×××んを共有しよう」
更にトチ狂った事態に陥ったのだった。
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