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『猟奇的、美形兄は』

16:弟、安定につき

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「んんんッ」
 兄は箱からパンツを取り出すと、検品だといってベットにバラまき、そこへダイブした。
「あああああッ。おパンティッ」
 まるで水辺で水を救い上げるかの如くパンツを下から救い上げては、頬ずりしている。
 正直、ただのキチガイだ。
 愛都はなんとも言いようのない眼差しで兄を見つめた。
「まな」
「な、なあに? お兄ちゃん」
「まなの素敵なお兄ちゃんはな」
 自称素敵なお兄ちゃんは、じっと愛都を見つめその手を取る。
 いきなりロマンチック展開かと思いきや、全然違った。
「まなのお×××んが見たくなってきた」
と。
 しかもキチガイじみたことを言い始めた。
「はい?」
 何かの聞き間違いかと聞き返せば、
「まなのお×××ん」
と。
 どうやら聞き間違いではないようである。
 愛都が後づされば、
「まなの素敵なお兄ちゃんは、まなの可愛いお×××んが見た……ごふっ」
 可愛いは余計だ! と愛都は兄の腹に一発食わせた。

**

「まなは激しいんだから」
 兄は腹をさすりながら。
「お兄ちゃんは、まなの安定のちいさ……がはッ」
 愛都は迷わず兄のおたまたまにケリを入れる。
「今、何か言った?」
「お×××ん見たい」
 脂汗をたらしつつ、諦めないらしい。
「なんでいつも見てるのに」
「まなのお×××んを見ていると心が安らぐんだ」
 どんな状況だ。
「しょうがないなあ」
 仕方なくズボンを脱ごうとすると、
「さあ、このおパンティを履き給え!」
とパンツを顔にグリグリと押し付けてくる。

──お兄ちゃんのパンツと股間に対する執着心、半端ないんだけど⁈

「お兄ちゃんはセルフは嫌なんだ!」
「何言ってんの、もう」
「おパンティを食いやっぶって”ぽろん”している、まなのお×××んが見たいんだよ!」
「何その、こだわり」
 愛都は指定されたパンツを履きながら、眉を顰めあきれ顔で兄に目を向けると、兄は拳を振り上げ熱弁していた。ただのクレイジーである。
「男はこだわってナンボだって言ってるだろ?」
「誰がそんなこと言ってるの」
「父だ」

──パパまた余計なことを……。

「まあ、父とは趣味が異なるがな」
 愛都は傍らの紅茶のカップに手を伸ばすと口元へ。
「父は”おっ〇い党”おにいちゃんは”おしり党”だけどな」
「ぶっ」
 愛都はお茶を吹いた。
「おっ〇いの何がいいのかわからんが」
 しらーと兄を見ながらタオルだと思って顔を拭いているモノをよく見たら、パンツである。

──この部屋パンツだらけなんだけど……。

 見渡す限りピンクのスケスケおパンティだらけだ。まるで工場のように。
「さあ、まなよ。おパンティは履いたのかな?」
「う、うん」
「あああああああ!」
 兄は突然悶絶し、壁に頭を打ち付けると、
「おパンティを、食い破る時が、来たのだ!」
と絶叫した。
 やはり、キチガイである。
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