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愛を持たざる者ども─αとΩに愛されたβ─【独立国編】
0 全てのはじまり
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この世には三つの性と二つの体が存在する。αはその中でも容姿、頭脳ともに優れているとされていたが、彼らは自分たちの能力に奢り人々を虐げて来た。特に、Ω性に対してはひどい扱いを繰り返してきたのだ。
Ωのヒートに充てられたαはラットという状態に陥る。
Ωには発情期を抑えるため、薬物投与などを義務化されていたが、保険適用外なため、支払いはとても高額だ。それに反して、αはラットを抑えることは義務化されておらず、仮にΩのフェロモンに充てられレイプを行ったとしても法的に罰せられることはなかった。
『逆らえないのは性だ』
自分たちは優れているとしながらも、α以外の性を自分たちより下とみなす考え方は、人口の多くを占めるβからは傲慢で偏見であると思われてきた。
愛を持たざる者、α。
愛を持つ者、β。
αに家畜のように扱われる、Ω。
αの非人道的な考え方に賛同できないβたちはついに、αから独立することとなる。
────5×××年。
αはβの統治する国家をバカ国と呼び、βはαの統治する国家をゴミ国と呼びあっていた。互いの考えに共感できない彼らは仲が悪かったが、貿易は行っている。戦争をしない代わりに、貿易目的以外での来訪は禁止されていた。特に、αがβの独立国家に入国することは禁止されており、許可なく立ち入ったものは生きたまま焼かれるという残酷な刑が処されている。というのも、βの国のΩを守るためだ。
二つの国でのΩの扱いは異なる。
αの統治する国では、単にαを産むだけの道具とされ、βの統治する国ではとても大切に扱われた。βにはΩの発情期を抑えることはできないが発情期の間Ωに選ばれたものが相手をすることとなっている。もちろん、望めばαの体液を処方し抑えることも可能だ。
αとΩの共通点といえば、彼らは発情するが欲情することはない。何故なら、彼らにとっての性交には理性が存在しないからである。そこに愛はなく、単なる種の繁栄として行われるものだからだ。
βにとっての性交は子を成す行為であることは変わらないが、愛を育む行為でもある。よって、βは彼らと分かり合うことは難しいとされていた。特に、αとは水と油の関係である。
───そしてこの物語は、そんな世界に起きた奇跡の物語。
Ωのヒートに充てられたαはラットという状態に陥る。
Ωには発情期を抑えるため、薬物投与などを義務化されていたが、保険適用外なため、支払いはとても高額だ。それに反して、αはラットを抑えることは義務化されておらず、仮にΩのフェロモンに充てられレイプを行ったとしても法的に罰せられることはなかった。
『逆らえないのは性だ』
自分たちは優れているとしながらも、α以外の性を自分たちより下とみなす考え方は、人口の多くを占めるβからは傲慢で偏見であると思われてきた。
愛を持たざる者、α。
愛を持つ者、β。
αに家畜のように扱われる、Ω。
αの非人道的な考え方に賛同できないβたちはついに、αから独立することとなる。
────5×××年。
αはβの統治する国家をバカ国と呼び、βはαの統治する国家をゴミ国と呼びあっていた。互いの考えに共感できない彼らは仲が悪かったが、貿易は行っている。戦争をしない代わりに、貿易目的以外での来訪は禁止されていた。特に、αがβの独立国家に入国することは禁止されており、許可なく立ち入ったものは生きたまま焼かれるという残酷な刑が処されている。というのも、βの国のΩを守るためだ。
二つの国でのΩの扱いは異なる。
αの統治する国では、単にαを産むだけの道具とされ、βの統治する国ではとても大切に扱われた。βにはΩの発情期を抑えることはできないが発情期の間Ωに選ばれたものが相手をすることとなっている。もちろん、望めばαの体液を処方し抑えることも可能だ。
αとΩの共通点といえば、彼らは発情するが欲情することはない。何故なら、彼らにとっての性交には理性が存在しないからである。そこに愛はなく、単なる種の繁栄として行われるものだからだ。
βにとっての性交は子を成す行為であることは変わらないが、愛を育む行為でもある。よって、βは彼らと分かり合うことは難しいとされていた。特に、αとは水と油の関係である。
───そしてこの物語は、そんな世界に起きた奇跡の物語。
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