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1──勘違いとすれ違い
♡6『言えない願い』【R】
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****side:久隆
「ふぅ……ッ」
久隆は声が漏れそうになり口元を両手で押さえる。咲夜は膝まづき久隆自身に舌を這わせていた。他人からこんなことをされるのは初めてで、どうしたらいいのかわからない。
「はぁッ」
鈴口に舌が這う。久隆はこのまま抱かれたいと思った。咲夜のものになってしまいたいと。
「んんッ」
顔を背け、ぎゅっと目を閉じていると、彼は久隆自身を握り込み上下させながら久隆の口を塞いだ。
──ねえ、抱いてよ。
そしたら無理矢理にでも恋人になれる。
俺の心の迷いを取り払ってよ、咲夜。
「好きだよ」
耳元で囁かれ、彼の首に腕を巻きつける。不安さえなければ、すぐにだって恋人になりたかった。
「さく……や」
──もっと欲しい
俺を君のものにしてよ
首筋に触れた唇が強く肌を吸う。痕がついたって構わないと思った。服の上から感じる互いの体温。彼の香。このまま一つになりたい、強く願った。
「ねえ、好き?」
「好きッ……好きだよ」
「久隆、いつか俺を恋人にしてくれる?」
その質問に久隆は彼を見上げた。
「待ってるから」
しかし、思う形にはならなかった。どうしてこうなってしまったのだろう? ホントに好きなのに。どうしてこの時ちゃんと話さなかったのだろう? 後悔ばかりがついて回る。出口がわからない。
「大好きだよ、久隆」
──咲夜が、好きなのに。
****
”ねえ、久隆。もっと気持ちいいことしてあげる”
それは悪魔の囁きだったのだろうか?
「あッ……はぁッ」
導かれるままベッドの上で厭らしく足を拡げる久隆。咲夜はジェルを久隆自身に垂らし、くちゅくちゅと鈴口を親指の腹で弄りながら、久隆の最奥の蕾に舌を這わせていた。
「んッ♡」
前も後ろも弄られて絶えず声が洩れる。
「やッ……あんッ」
初めての刺激的な愛撫に腰が揺れ、
「中、くちゅくちゅしてあげる」
と、止める間もなく蕾に咲夜の指が挿入される。
「あああッ♡」
くぷぷッと指が奥まで入ると良いところを求め出たり入ったり蠢いたりした。
「やあんッ……」
まだ恋人でもないのに厭らしいところを全て晒し、恥ずかしいくらいにエッチな声を洩らす久隆を満足気に見つめる咲夜。
「まるでエッチしてるみたいだね、久隆」
「ふぇ?」
「可愛い。こんなにひくつかせて」
「やッ……そんなにしちゃ……やぁッ♡」
「イッてもいいよ。いっぱいしてあげるから」
久隆は次第に咲夜のくれる愛撫に夢中になっていった。
──咲夜はいいの?
抱いてもいいよ?
ねえ……。
いいたい言葉は何一つ言えないまま吐息に変わっていく。咲夜が欲情してくれたらいいのに……。そんなことを思いながら久隆は甘い声を漏らしていったのだった。
****
があああん。
久隆は思いっきり落ち込んでいた。
「俺、魅力ないのかな?」
ショックで涙が零れる。いっぱいキスをくれたものの咲夜は最後までしなかった。
「久隆?」
くすんとしていると、電話をしに部屋の外に出ていた咲夜が戻ってくる。
「どうしたの?」
ベッドの上で膝を抱えていると咲夜が隣に腰掛け久隆の髪に触れた。
「泊まるって連絡したよ」
咲夜は再婚した両親が離婚した為、一人暮らしで隣には面倒を見てくれる亡き父方の祖父夫婦が住んでいた。複雑な境遇である。
──一緒のベッドで寝てくれるのかな?
ちょっとだけ浮上する。久隆には兄が居たが社長である父の秘書を兼ねる大学生な為、忙しくていつも一人だ。
「さっきバスルーム覗いたんだけど広いね。一緒に入ろうよ」
咲夜はまったく気にしていないようで。しかしワンチャンあるようだ。
今度こそセクシーに誘えばその気になってくれるはず。久隆はそう自分自身を励ますことにする。
「先にご飯いこう」
急に元気になる久隆に驚いた顔をし、
「お腹空いてたの?」
お腹が空いて元気が無いのかと勘違いされた。
──ちがうのに!
咲夜って天然なのかな?
「他所のお家でご飯って初めてだから楽しみだな」
咲夜の綺麗な笑顔に見惚れる。もうずっとうちに居たらいいのにと思いながら。久隆は咲夜の手を取るとベッドから降りる。
「咲夜、行こう」
「う、うん」
久隆はワクワクしていたが、自分の暮らしが一般的ではないことを理解してはいなかった。
「ふぅ……ッ」
久隆は声が漏れそうになり口元を両手で押さえる。咲夜は膝まづき久隆自身に舌を這わせていた。他人からこんなことをされるのは初めてで、どうしたらいいのかわからない。
「はぁッ」
鈴口に舌が這う。久隆はこのまま抱かれたいと思った。咲夜のものになってしまいたいと。
「んんッ」
顔を背け、ぎゅっと目を閉じていると、彼は久隆自身を握り込み上下させながら久隆の口を塞いだ。
──ねえ、抱いてよ。
そしたら無理矢理にでも恋人になれる。
俺の心の迷いを取り払ってよ、咲夜。
「好きだよ」
耳元で囁かれ、彼の首に腕を巻きつける。不安さえなければ、すぐにだって恋人になりたかった。
「さく……や」
──もっと欲しい
俺を君のものにしてよ
首筋に触れた唇が強く肌を吸う。痕がついたって構わないと思った。服の上から感じる互いの体温。彼の香。このまま一つになりたい、強く願った。
「ねえ、好き?」
「好きッ……好きだよ」
「久隆、いつか俺を恋人にしてくれる?」
その質問に久隆は彼を見上げた。
「待ってるから」
しかし、思う形にはならなかった。どうしてこうなってしまったのだろう? ホントに好きなのに。どうしてこの時ちゃんと話さなかったのだろう? 後悔ばかりがついて回る。出口がわからない。
「大好きだよ、久隆」
──咲夜が、好きなのに。
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”ねえ、久隆。もっと気持ちいいことしてあげる”
それは悪魔の囁きだったのだろうか?
「あッ……はぁッ」
導かれるままベッドの上で厭らしく足を拡げる久隆。咲夜はジェルを久隆自身に垂らし、くちゅくちゅと鈴口を親指の腹で弄りながら、久隆の最奥の蕾に舌を這わせていた。
「んッ♡」
前も後ろも弄られて絶えず声が洩れる。
「やッ……あんッ」
初めての刺激的な愛撫に腰が揺れ、
「中、くちゅくちゅしてあげる」
と、止める間もなく蕾に咲夜の指が挿入される。
「あああッ♡」
くぷぷッと指が奥まで入ると良いところを求め出たり入ったり蠢いたりした。
「やあんッ……」
まだ恋人でもないのに厭らしいところを全て晒し、恥ずかしいくらいにエッチな声を洩らす久隆を満足気に見つめる咲夜。
「まるでエッチしてるみたいだね、久隆」
「ふぇ?」
「可愛い。こんなにひくつかせて」
「やッ……そんなにしちゃ……やぁッ♡」
「イッてもいいよ。いっぱいしてあげるから」
久隆は次第に咲夜のくれる愛撫に夢中になっていった。
──咲夜はいいの?
抱いてもいいよ?
ねえ……。
いいたい言葉は何一つ言えないまま吐息に変わっていく。咲夜が欲情してくれたらいいのに……。そんなことを思いながら久隆は甘い声を漏らしていったのだった。
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があああん。
久隆は思いっきり落ち込んでいた。
「俺、魅力ないのかな?」
ショックで涙が零れる。いっぱいキスをくれたものの咲夜は最後までしなかった。
「久隆?」
くすんとしていると、電話をしに部屋の外に出ていた咲夜が戻ってくる。
「どうしたの?」
ベッドの上で膝を抱えていると咲夜が隣に腰掛け久隆の髪に触れた。
「泊まるって連絡したよ」
咲夜は再婚した両親が離婚した為、一人暮らしで隣には面倒を見てくれる亡き父方の祖父夫婦が住んでいた。複雑な境遇である。
──一緒のベッドで寝てくれるのかな?
ちょっとだけ浮上する。久隆には兄が居たが社長である父の秘書を兼ねる大学生な為、忙しくていつも一人だ。
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咲夜はまったく気にしていないようで。しかしワンチャンあるようだ。
今度こそセクシーに誘えばその気になってくれるはず。久隆はそう自分自身を励ますことにする。
「先にご飯いこう」
急に元気になる久隆に驚いた顔をし、
「お腹空いてたの?」
お腹が空いて元気が無いのかと勘違いされた。
──ちがうのに!
咲夜って天然なのかな?
「他所のお家でご飯って初めてだから楽しみだな」
咲夜の綺麗な笑顔に見惚れる。もうずっとうちに居たらいいのにと思いながら。久隆は咲夜の手を取るとベッドから降りる。
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