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2・壊れ行く日常と融合
24・佐倉と美桜の利害の一致
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Conciliator、それは仲介人の様なものだ。
主にユーザー同士のいざこざに介入する、秩序を守らせるのが仕事。もちろん危ないことにも遭遇するし、上級者向けのフィールドに迷い込んだ初心者を助けるのも仕事の内。
マザー直々に任命されてこなす者たちが”Conciliator”。
メンバーは最大七人。
その中でもNO.7というのが特殊な位置にいる。
そのポジションはファーストの右腕であり、ファースト直属の部下となる。つまり、マザーの干渉を受けない存在なのだ。
二十年前まだ自分は産まれてはいなかったが、レジェンドというAGの秩序を守るシステムが暴走し、閉鎖に追い込まれた。
事の発端は当時のConciliatorにあったのではないかと佐倉は考えているようだ。
『自分は、二十年前の事件を調べています。お嬢さんが、兄に逢う為の手助けをするので、私に協力してもらえませんか?』
このゲームシステムに慣れたころ彼から言われた言葉。
自分はまだ子供。一体何の協力が出来るというのだろうか。
しかし、兄に逢うためにこのゲームを始めた自分には、彼の協力は必要不可欠。
それから二人はほとんど一緒にゲームをしている。
恐らく四十歳差はあるだろう、彼と共に。
調停者にはシステムレジェンドが暴走した時の為に、特殊な能力が備わっている。それがシステムマリアの存在だ。
召喚という形で具現化され、システムレジェンドを停止させることが出来るのだが、召喚には条件がある。
召喚するためには調停者全員の意志とAI天使と呼ばれる、MLUの存在が必要なのだ。それは間違って起動させないための手順。
つまり佐倉は二十年前のあの時、調停者たちが原因でシステムレジェンドを止めることが出来なかったのではないかと考えているのだ。
彼は何らかの理由で、真実を探ろうとしている。
その為には内部に侵入しなければならない。
管理棟の内部を自由に行き来できる調停者、それが彼の目指すものであった。その為に若年ユーザーである美桜を育て、”天才小学生プレーヤー”に仕立て上げる。
調停者として選ばれるためには、”モラル”、”知識”、”技術”が必要不可欠とのこと。善行を繰り返していた初心者プレーヤーがファーストに選ばれたと聞いた時、彼は珍しく感情を露わにすると、ガッツポーズを決めた。
その意味が分からなかった美桜は、彼の説明で納得する。
『リーダーが弱いという事は、招集されるのは強くて、ゲーム慣れしている古参の可能性が高い』
その後、彼は選出されたメンバーを見て笑みを浮かべた。
全員知り合いだ、と。
「今回マザーが調停者に求めているのは統率だ」
「ねえ、ファーストってどんな人?」
二人はエレベーターに乗り込むと上階へ向かいながら。
「とても優しくて、皆に愛されている人だよ。君もきっと好きになる」
その言葉が正しいと気づくのは、ほんの少し先のことである。
主にユーザー同士のいざこざに介入する、秩序を守らせるのが仕事。もちろん危ないことにも遭遇するし、上級者向けのフィールドに迷い込んだ初心者を助けるのも仕事の内。
マザー直々に任命されてこなす者たちが”Conciliator”。
メンバーは最大七人。
その中でもNO.7というのが特殊な位置にいる。
そのポジションはファーストの右腕であり、ファースト直属の部下となる。つまり、マザーの干渉を受けない存在なのだ。
二十年前まだ自分は産まれてはいなかったが、レジェンドというAGの秩序を守るシステムが暴走し、閉鎖に追い込まれた。
事の発端は当時のConciliatorにあったのではないかと佐倉は考えているようだ。
『自分は、二十年前の事件を調べています。お嬢さんが、兄に逢う為の手助けをするので、私に協力してもらえませんか?』
このゲームシステムに慣れたころ彼から言われた言葉。
自分はまだ子供。一体何の協力が出来るというのだろうか。
しかし、兄に逢うためにこのゲームを始めた自分には、彼の協力は必要不可欠。
それから二人はほとんど一緒にゲームをしている。
恐らく四十歳差はあるだろう、彼と共に。
調停者にはシステムレジェンドが暴走した時の為に、特殊な能力が備わっている。それがシステムマリアの存在だ。
召喚という形で具現化され、システムレジェンドを停止させることが出来るのだが、召喚には条件がある。
召喚するためには調停者全員の意志とAI天使と呼ばれる、MLUの存在が必要なのだ。それは間違って起動させないための手順。
つまり佐倉は二十年前のあの時、調停者たちが原因でシステムレジェンドを止めることが出来なかったのではないかと考えているのだ。
彼は何らかの理由で、真実を探ろうとしている。
その為には内部に侵入しなければならない。
管理棟の内部を自由に行き来できる調停者、それが彼の目指すものであった。その為に若年ユーザーである美桜を育て、”天才小学生プレーヤー”に仕立て上げる。
調停者として選ばれるためには、”モラル”、”知識”、”技術”が必要不可欠とのこと。善行を繰り返していた初心者プレーヤーがファーストに選ばれたと聞いた時、彼は珍しく感情を露わにすると、ガッツポーズを決めた。
その意味が分からなかった美桜は、彼の説明で納得する。
『リーダーが弱いという事は、招集されるのは強くて、ゲーム慣れしている古参の可能性が高い』
その後、彼は選出されたメンバーを見て笑みを浮かべた。
全員知り合いだ、と。
「今回マザーが調停者に求めているのは統率だ」
「ねえ、ファーストってどんな人?」
二人はエレベーターに乗り込むと上階へ向かいながら。
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