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リーマン物語2

────2『金にモノを言わせる魔法使い降臨』

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「やはり、ドラマはサスペンスに限るな」
塩田は、きゅうりを齧りながらテレビドラマを眺めていました。すると、突然部屋に闖入《ちんにゅう》者が。高そうなスーツを着た魔法使い(社長)でした。
「やあ、塩田く…シンデレラ」
「なんだ?呼び方など、どっちでもいい」
「金曜の夜に一人で何してるんだ」
「ナニはしてないぞ」
塩田の言葉に、魔法使いは思わず彼の股間に目をやりました。
「来るなりセクハラとは、とんでもない魔法使いだな」
「塩田くんが変なこと言うからだ。失敬な」
「今、第一の殺人が起きたところだ。どうやら、不倫が原因らしい」
塩田は頬杖をつき、再びテレビに目を向ける。すると、魔法使いが、
「ああ、それの犯人はな…」
「おい!何ネタばらそうとしてるんだ、止めろ!」
「よし、ばらされたく無くば舞踏会に行くんだ」
魔法使いは車のキーをクルクル指で回しながら。

「この格好で、行けと?」
塩田は”伯〇の塩”とプリントされたティシャツにハーフパンツというカッコである。
「それだとちょっと、警備員に止められるかもしれんな」
これを着たまえといって、魔法使いはドレスを塩田に押し付ける。
「まったく、こんなものを着なきゃならないなんて面倒だ」
渋々塩田は渡されたものを身に着けた。
「ちょっとまて、この靴なんだ」
「塩の靴だ。塩100パーセントで加工してある」
「シンデレラと言えば、ガラスの靴だろ」
「あんなもんで転んだら、足が血だらけになるだろう?」
「転ぶの前提か?」
塩田は塩で出来た靴を履きながら。
「さあ、表にリムジンが用意してある、行くぞ」
塩田は録画をセットすると、家を出たのであった。
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