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リーマン物語1
【一話】その電車
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「今日は、何故遅れたんだ?」
「今日はね、家を出てから可燃ごみの日のことを思い出して家に戻ってごみ捨てたんだけど、カバン忘れちゃてもう一度家に戻って、駅に着いたら定期わすれてて、また家に戻ってたら乗り遅れちゃった」
忘れすぎじゃね?
まあ、可愛いけど
塩田は電車をちらっと視界に入れる。可愛いかどうかの確認だ。
(なんの為だ)
「ねえーっ、この書類ダメだしされたんだけど」
例の脱字だらけの書類は電車が作ったらしい。塩田はそりゃ怒られるだろうよと思ったが、何も言わなかった。
「課長になんて言おう?」
「お前が直せって言っておけ」
(普通はいえない)
「分かった!言ってくる」
くるっと踵を返したら板井がいた。予想通り、板井の小指をピンポイントで踏む。
「いてっ! おい、電車」
「ごめーん!」
板井は小指を抑えケンケンしているが、”何しにきたんだと”塩田に思われている。電車は課長のところへ一目散に走って行った。板井の小指はどうでもいいらしい。
「おい! 塩田、まじアイツなんとかしろよ」
「無理」
なぜお前ごときのために俺が何とかせねばならん
まっちょゴリラめ
「ただいまー!」
「いてっ!」
書類を課長に押し付け、戻って来た電車は板井の足の小指を踏んだ。
そもそも何故踏まれるところに居るのか謎である。
「ごめーん!」
また踏んじゃったと縮こまる電車が可愛かったので、塩田はとりあえず良しとした。
「おまえ、なんでピンポイントで、小指踏むんだよ」
「なんで、ピンポイントで踏まれるの?」
電車は苦情に対し冷静に質問をしている。なかなか賢い。
「ねえ、塩田ーお姫様抱っこして!」
「そういうサービスはやっておりません」
塩田は甘えてくる電車を軽くあしらい、かかって来た電話をとった。今時珍しい黒電話である。やっぱり、苦情は雰囲気重視。
(そんな雰囲気あるかーーーーーい!)
じりりりりりりりん
おかしいな、何故とったあとに電話がなったんだ。ホラーである。
『ちょっと!お宅のズラ! 風の日に着けていったら風で飛んだんだけど! どうなってるの?!』
「ちっ」
早速苦情である。
「お客様、まず禿を治していただけますか?」
『……』
禿げてるから飛ぶんだよ、まったく。
ズラつけなきゃ飛ばないだろ。
(商品を売る気はあるのか? 塩田よ)
「塩田ーっ。お姫様だっこー」
「そんなに抱っこしてもらいたければ、パンダにしてもらえ」
「パンダ……?」
「はいはい、行った行った。俺は忙しい、上野動物園にいるだろ」
一応言うが、勤務中である。
「わかった!行ってくる。パンダ♪パンダ♪」
電車はルンルンで振り返ったが! どべちゃっ! と板井の小指に躓いて派手に転んだ。
「いてぇ! おい、下をみろよ。電車」
「なんでそんなところにいるんだよー」
板井は床に座り込み、小指をさすっていた。
「サラリーマンは、毎日這いつくばってがんばってるんだ!」
「何いってんの、板井はいつも小指負傷してるだけじゃんかっ」
「そうとも言う」
(そうとしか言わない)
電車は、気を取り直すとルンルンで歌を歌いながら去ってゆく。
『板井、小指ぶつけて悶絶ー♪世界中に広がる痛みがー♪』
「何の歌だよ、あれ」
板井は塩田を見上げ。
「ドラゴ○ボールz」
『小指蹴られた板井が怒ってー♪電車を爆発させるぅ♪』
「えらいホラーな歌だな」
『とけた氷の中に塩田がいたら♪苦情頼みたいねー♪』
「なんつう歌だ」
「俺は恐竜か?」
「塩田ー!電車しらんか? っぬあっ!」
課長は板井の小指に躓いて転んだ。
「いってー!課長。俺になんの恨みがあるんですか!」
「なんでそんなとこに座ってんだ」
「電車なら、上野動物園に行きましたよ。多分、すぐ帰ってきますが」
塩田は机の上に忘れていった電車の財布を差した。
『上野に行こうと駅まで出かけたが~♪』
「戻ってきましたよ、課長」
『財布を~忘れて~愉快な電車でんまくん♪』
「あいつ、お気楽だな」
段々歌は近づいてくる。課長はコーヒーを飲みながら入り口をみているが、なにせ苦情係りのカウンター前のスペースは狭い。
『小指をぶつけてる~♪板井は痛がって~♪』
「なんの歌だよ」
「サ○エだろ」
板井の問いに答えるが、それよりも”お前らそんなところに居るとまた大変なことになるぞ”と、塩田は思っていた。
『るーるる、るるるー今日もぶつけてる~♪』
「財布わすれ……」
お気楽な電車は苦情係りの入り口で板井の小指につまずき、課長を突き飛ばした。
「いたっ!」
「あつっ!」
その拍子に課長はコーヒーをかぶる。塩田は”言わんこっちゃない”と思っていたがそもそも言ってない。
「電車!なんで毎回俺に躓くんだよ!」
「いや、なんでいつまでも床に這いつくばってんの?」
もっともである。
「勤務中にどこいってんだよ」
課長は頭をタオルで拭きながら呆れた声で電車に質問するが。
「上野動物園です」
電車は普通に返答した。
「何しに!」
「抱っこされに」
「何考えてるんだ、お前は」
「お姫様抱っこは全国民の夢ですよ! おじいちあんだって! オカマだってみんな憧れてるんですから! 課長こそ何言ってるんですか」
逆切れもいいところである。”おじいちあんって……”と課長は複雑な表情をしているが
「文句があるなら課長が抱っこして下さいよ!」
無茶苦茶である。
「板井の小指はWow wow wow wow♪」
電車はルンルンで腰をふって替え歌を歌っているが。
「どこでもぶつけるyeah yeah yeah yeah♪」
「課長どこいった?」
完全にスルーして板井が塩田に問う。
「コーヒー取りに行った」
苦情係の部屋の出口を親指で差しながら完成した書類を眺めていたら黒電話が鳴った。
「ちょっと、電車を黙らせといてくれ」
「はいな」
板井は電車に向き直ると
「口開けろ」
視界の端で二人が何かをしているのが、非常に気になる。
「無理ぃ。やだッ! おっきい♡」
なんだか、卑猥な会話が聞こえてきた。思わずそちらに目を向けると
「何やってんだ、板井」
と課長が戻ってくる。
「んんんッ♡」
「電車を、黙らしてるところですよ」
「変な声出して、な……ッ」
課長は二人の様子をみて黙った。そして物欲しそうな目で板井をみあげる。右手にはアイスコーヒー。熱いのは懲りたらしい。
「課長も食います?」
「俺のもあるの?」
ちょっ!職務中に何やってんだお前ら。
「俺、好きなんだよなぁ。チョコバナナ♡」
課長はルンルンだったが、冷蔵庫がある簡易キッチンに向かおうとした板井は入り口で思いっきり小指をぶつけた。
「痛ぁ!」
俺も食いたいんだが。
塩田は、板井に念を送りつつ黒電話を取った。
『ちょっと! お宅の歯ブラシどうなってますの! 歯を磨いたら歯茎から血が出たんですのよ!』
「ちッ」
また、苦情だ。
「お客様、まずは総入れ歯にしていただけますか?」
「……」
俺の分はあるのか?
チョコバナナ。
塩田の頭の中はチョコバナナ一色になった。
塩田は卑猥な賄賂チョコバナナをゲットした!
やったね、塩田くん。
社内の中では一番狭い部署【苦情係】は、お客様相談センターとも違う。クレーマー専門の部署である。
そこでリーマン四人がチョコバナナを頬張っているのは異様な光景だ。
「ところで、電車でんまは上野動物園は行かなくていいのか?」
課長はアイスコーヒーを口元に持っていきながら問う。塩田はカウンターの内側でのんびりとイスに腰掛けていた。忙しいのか暇なのか謎の部署だが社長に
「頼む!塩田くん。私には、君が必要なんだ!」
とプロポーズ並の熱いオファーを受け入社した。
「今からだとお昼になっちゃうので明日にしまふ」
チョコバナナを頬張りながら昼のことを考えるなんて、まだ食う気か! 三個も食べて置いて。
「昼休みはちゃんと休憩したいので」
仕事中も仕事しないのに休憩をしっかりとろうなんて! なんてヤツだ。
「ほうか、ほうか」
課長は課長でチョコバナナを四個も食べた。もう、ただのゴリラである。
ゴリラどもめ!
塩田の食べ物の恨みは激しかった。
そこへ黒電話がじりりりりりりんとなる。
どうやら苦情らしい。
面倒だと思いながら電話をとると。
「ちょっと!お宅のシャンプー、肌に合わなくてかぶれちゃったんだけど。どーしてくれるの!」
「ちっ」
この人1日に何回電話してくるんだ?
うちの会社に恨みでもあるのか?
「お客様、まずはスキンヘッドにしていただけますか?」
「……」
塩田と固定クレーマーの戦いは続く。
「今日はね、家を出てから可燃ごみの日のことを思い出して家に戻ってごみ捨てたんだけど、カバン忘れちゃてもう一度家に戻って、駅に着いたら定期わすれてて、また家に戻ってたら乗り遅れちゃった」
忘れすぎじゃね?
まあ、可愛いけど
塩田は電車をちらっと視界に入れる。可愛いかどうかの確認だ。
(なんの為だ)
「ねえーっ、この書類ダメだしされたんだけど」
例の脱字だらけの書類は電車が作ったらしい。塩田はそりゃ怒られるだろうよと思ったが、何も言わなかった。
「課長になんて言おう?」
「お前が直せって言っておけ」
(普通はいえない)
「分かった!言ってくる」
くるっと踵を返したら板井がいた。予想通り、板井の小指をピンポイントで踏む。
「いてっ! おい、電車」
「ごめーん!」
板井は小指を抑えケンケンしているが、”何しにきたんだと”塩田に思われている。電車は課長のところへ一目散に走って行った。板井の小指はどうでもいいらしい。
「おい! 塩田、まじアイツなんとかしろよ」
「無理」
なぜお前ごときのために俺が何とかせねばならん
まっちょゴリラめ
「ただいまー!」
「いてっ!」
書類を課長に押し付け、戻って来た電車は板井の足の小指を踏んだ。
そもそも何故踏まれるところに居るのか謎である。
「ごめーん!」
また踏んじゃったと縮こまる電車が可愛かったので、塩田はとりあえず良しとした。
「おまえ、なんでピンポイントで、小指踏むんだよ」
「なんで、ピンポイントで踏まれるの?」
電車は苦情に対し冷静に質問をしている。なかなか賢い。
「ねえ、塩田ーお姫様抱っこして!」
「そういうサービスはやっておりません」
塩田は甘えてくる電車を軽くあしらい、かかって来た電話をとった。今時珍しい黒電話である。やっぱり、苦情は雰囲気重視。
(そんな雰囲気あるかーーーーーい!)
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おかしいな、何故とったあとに電話がなったんだ。ホラーである。
『ちょっと!お宅のズラ! 風の日に着けていったら風で飛んだんだけど! どうなってるの?!』
「ちっ」
早速苦情である。
「お客様、まず禿を治していただけますか?」
『……』
禿げてるから飛ぶんだよ、まったく。
ズラつけなきゃ飛ばないだろ。
(商品を売る気はあるのか? 塩田よ)
「塩田ーっ。お姫様だっこー」
「そんなに抱っこしてもらいたければ、パンダにしてもらえ」
「パンダ……?」
「はいはい、行った行った。俺は忙しい、上野動物園にいるだろ」
一応言うが、勤務中である。
「わかった!行ってくる。パンダ♪パンダ♪」
電車はルンルンで振り返ったが! どべちゃっ! と板井の小指に躓いて派手に転んだ。
「いてぇ! おい、下をみろよ。電車」
「なんでそんなところにいるんだよー」
板井は床に座り込み、小指をさすっていた。
「サラリーマンは、毎日這いつくばってがんばってるんだ!」
「何いってんの、板井はいつも小指負傷してるだけじゃんかっ」
「そうとも言う」
(そうとしか言わない)
電車は、気を取り直すとルンルンで歌を歌いながら去ってゆく。
『板井、小指ぶつけて悶絶ー♪世界中に広がる痛みがー♪』
「何の歌だよ、あれ」
板井は塩田を見上げ。
「ドラゴ○ボールz」
『小指蹴られた板井が怒ってー♪電車を爆発させるぅ♪』
「えらいホラーな歌だな」
『とけた氷の中に塩田がいたら♪苦情頼みたいねー♪』
「なんつう歌だ」
「俺は恐竜か?」
「塩田ー!電車しらんか? っぬあっ!」
課長は板井の小指に躓いて転んだ。
「いってー!課長。俺になんの恨みがあるんですか!」
「なんでそんなとこに座ってんだ」
「電車なら、上野動物園に行きましたよ。多分、すぐ帰ってきますが」
塩田は机の上に忘れていった電車の財布を差した。
『上野に行こうと駅まで出かけたが~♪』
「戻ってきましたよ、課長」
『財布を~忘れて~愉快な電車でんまくん♪』
「あいつ、お気楽だな」
段々歌は近づいてくる。課長はコーヒーを飲みながら入り口をみているが、なにせ苦情係りのカウンター前のスペースは狭い。
『小指をぶつけてる~♪板井は痛がって~♪』
「なんの歌だよ」
「サ○エだろ」
板井の問いに答えるが、それよりも”お前らそんなところに居るとまた大変なことになるぞ”と、塩田は思っていた。
『るーるる、るるるー今日もぶつけてる~♪』
「財布わすれ……」
お気楽な電車は苦情係りの入り口で板井の小指につまずき、課長を突き飛ばした。
「いたっ!」
「あつっ!」
その拍子に課長はコーヒーをかぶる。塩田は”言わんこっちゃない”と思っていたがそもそも言ってない。
「電車!なんで毎回俺に躓くんだよ!」
「いや、なんでいつまでも床に這いつくばってんの?」
もっともである。
「勤務中にどこいってんだよ」
課長は頭をタオルで拭きながら呆れた声で電車に質問するが。
「上野動物園です」
電車は普通に返答した。
「何しに!」
「抱っこされに」
「何考えてるんだ、お前は」
「お姫様抱っこは全国民の夢ですよ! おじいちあんだって! オカマだってみんな憧れてるんですから! 課長こそ何言ってるんですか」
逆切れもいいところである。”おじいちあんって……”と課長は複雑な表情をしているが
「文句があるなら課長が抱っこして下さいよ!」
無茶苦茶である。
「板井の小指はWow wow wow wow♪」
電車はルンルンで腰をふって替え歌を歌っているが。
「どこでもぶつけるyeah yeah yeah yeah♪」
「課長どこいった?」
完全にスルーして板井が塩田に問う。
「コーヒー取りに行った」
苦情係の部屋の出口を親指で差しながら完成した書類を眺めていたら黒電話が鳴った。
「ちょっと、電車を黙らせといてくれ」
「はいな」
板井は電車に向き直ると
「口開けろ」
視界の端で二人が何かをしているのが、非常に気になる。
「無理ぃ。やだッ! おっきい♡」
なんだか、卑猥な会話が聞こえてきた。思わずそちらに目を向けると
「何やってんだ、板井」
と課長が戻ってくる。
「んんんッ♡」
「電車を、黙らしてるところですよ」
「変な声出して、な……ッ」
課長は二人の様子をみて黙った。そして物欲しそうな目で板井をみあげる。右手にはアイスコーヒー。熱いのは懲りたらしい。
「課長も食います?」
「俺のもあるの?」
ちょっ!職務中に何やってんだお前ら。
「俺、好きなんだよなぁ。チョコバナナ♡」
課長はルンルンだったが、冷蔵庫がある簡易キッチンに向かおうとした板井は入り口で思いっきり小指をぶつけた。
「痛ぁ!」
俺も食いたいんだが。
塩田は、板井に念を送りつつ黒電話を取った。
『ちょっと! お宅の歯ブラシどうなってますの! 歯を磨いたら歯茎から血が出たんですのよ!』
「ちッ」
また、苦情だ。
「お客様、まずは総入れ歯にしていただけますか?」
「……」
俺の分はあるのか?
チョコバナナ。
塩田の頭の中はチョコバナナ一色になった。
塩田は卑猥な賄賂チョコバナナをゲットした!
やったね、塩田くん。
社内の中では一番狭い部署【苦情係】は、お客様相談センターとも違う。クレーマー専門の部署である。
そこでリーマン四人がチョコバナナを頬張っているのは異様な光景だ。
「ところで、電車でんまは上野動物園は行かなくていいのか?」
課長はアイスコーヒーを口元に持っていきながら問う。塩田はカウンターの内側でのんびりとイスに腰掛けていた。忙しいのか暇なのか謎の部署だが社長に
「頼む!塩田くん。私には、君が必要なんだ!」
とプロポーズ並の熱いオファーを受け入社した。
「今からだとお昼になっちゃうので明日にしまふ」
チョコバナナを頬張りながら昼のことを考えるなんて、まだ食う気か! 三個も食べて置いて。
「昼休みはちゃんと休憩したいので」
仕事中も仕事しないのに休憩をしっかりとろうなんて! なんてヤツだ。
「ほうか、ほうか」
課長は課長でチョコバナナを四個も食べた。もう、ただのゴリラである。
ゴリラどもめ!
塩田の食べ物の恨みは激しかった。
そこへ黒電話がじりりりりりりんとなる。
どうやら苦情らしい。
面倒だと思いながら電話をとると。
「ちょっと!お宅のシャンプー、肌に合わなくてかぶれちゃったんだけど。どーしてくれるの!」
「ちっ」
この人1日に何回電話してくるんだ?
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「お客様、まずはスキンヘッドにしていただけますか?」
「……」
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