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━2章【不器用な二人】━
5『歩調のちがう俺たち』【R】
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****♡Side・美崎
今頃、白石が暴れていることなど露知らず、美崎は鶴城のくれる快感に溺れていた。諦めたはずの初恋が実ってここに居る。温泉旅館で一目ぼれし、他校で、しかも年下で、二度と会うことはないと思っていた。
──そうだ。
彼がK学園に入学してきても、いじめが無ければ。
自分があの時、副会長でなければ知らないままだった。
奇跡のような偶然を繰り返し、自分たちは出逢ったのだ。告白なんてしようと思わなければ、交わることなんてなくて。だが、ゆっくりと着実に信頼関係を築きたい美崎に対し、彼はせっかち過ぎる。リズムやスピードが違っても、受け入れ、互いに譲渡し合うのがパートナーだ。少なくとも、美崎はそう思っている。自分には自信がない。この先も、変わらず彼に愛される自信が。
「んッ……ああッ」
開かれた最奥の蕾を卑猥な音を立てながら、彼の指が出入りする。前戯はいつだって丁寧だ、しつこいくらいに。
「そんなに力入れたら……」
嬉しそうに、耳元で彼が卑猥なことを言う。
「この……へんた……あッ……ひあッ」
「ここか」
「やめ……変になるッ」
気持ちよさに胸を仰け反らせ、鶴城の胸を押しのけようとした手は空を切る。彼が頭をさげ、美崎の胸の飾りに舌を這わせ始めたからだ。
「んんッ……あああッ」
「可愛いから。感じて、優也」
自分は圭一のような、落ち着いていて包容力のある年上を好きになるのだと思っていた。実際、彼は面倒見がよく、いつでも気にかけてくれ、安心できる存在。でも、彼に自分が恋することはなかった。容姿端麗、文武両道、K学園一の美形男子。”美の女神に愛されし男”などどいう、あだ名さえつけられるようないい男であったが、彼とは幼稚園の頃から一緒だった為、慣れ過ぎていたのかもしれない。
まさか、見るからに体育会系の男に心を奪われるとは思わなかった。逞しい鶴城の腕の中は、正直心地いい。守られているような気さえしてしまうが、いかんせん彼は万年発情期のサルである。いつでもどこでも美崎を押し倒し、自分の意のままにしてしまう。どんなに辞めろと言っても、美崎を抑え込み、快楽に堕とす。
──でも、好き。
俺は慎じゃなきゃ……。
「も、挿れていい?」
彼のモノを股に感じ、美崎は頬を赤らめる。それは痛いくらいに立ち上がっており、固かった。
「んッ……挿れて」
「くう……。優也、可愛すぎる」
彼はキスを一つ落とすと美崎の両腿を大きく広げ、自分自身を蕾に押し当てる。その行為は、慣れれば恐怖を感じなくなるというものではない。本来入れるべきところではないところに入れるのだ。力が入ってしまうのは仕方がない。
「ん……」
「ゆっくりするから、力抜いて」
いずれ快感に支配される。分かっているのに、いつだって上手くできない。たっぷりとジェルで慣らされているのに。
「ほら、先がはいった」
「実況やめ……あああッ」
確かにゆっくりだが、うち壁が擦れる感覚に意識を奪われそうになる。熱くて変な感じ。
「あッ……あああ……」
無意識に股を閉じようとしたが、鶴城はそれを許さなかった。
「良い眺め」
美崎はその言葉にハッとして、彼のほうを見る。彼はじっと美崎自身を見つめていた。
「なあ、優也」
彼は傍らのジェルのボトルに手を伸ばす。美崎は息をひそめ、その様子を見ていた。円錐の先端から硬めのジェルがゆっくりと彼の手に垂らされる。後ろは濡れることがなく、乾いて傷つかないように濃厚で水分が揮発しずらいモノを使うのだ。
彼はそれを手で温め、ぬちゃぬちゃと揉んだ。美崎の蕾には彼自身が挿入されたまま。つまり、そのジェルは別のところに使うつもりなのだ。温まり、少し緩くなったジェルが彼の手全体に広がる。ここまでくれば何をされるのか想像に難くない。美崎はぎゅっと目を閉じた。
「はあッ……んんんッ」
ジェルでトロトロになった彼の手は美崎自身を握りこむと、鈴口を親指の腹でグリグリと刺激しはじめる。美崎は思わずきゅうっと蕾を締め付けてしまい、彼は顔を歪めた。
しかし、
「そんなにしたら、いっちゃうだろ」
と、嬉しそうだ。
「好きだよ、優也」
根元を強く扱かれ、気持ちよさに身を捩る。
「まこ……と……」
「俺は死ぬまで、優也と居たい」
「はあッ……やあああッ」
彼は手を動かしなら、腰を動かし始めた。
「何度でもいかせてやるよ」
どうやら、今夜は眠れそうにはない。
今頃、白石が暴れていることなど露知らず、美崎は鶴城のくれる快感に溺れていた。諦めたはずの初恋が実ってここに居る。温泉旅館で一目ぼれし、他校で、しかも年下で、二度と会うことはないと思っていた。
──そうだ。
彼がK学園に入学してきても、いじめが無ければ。
自分があの時、副会長でなければ知らないままだった。
奇跡のような偶然を繰り返し、自分たちは出逢ったのだ。告白なんてしようと思わなければ、交わることなんてなくて。だが、ゆっくりと着実に信頼関係を築きたい美崎に対し、彼はせっかち過ぎる。リズムやスピードが違っても、受け入れ、互いに譲渡し合うのがパートナーだ。少なくとも、美崎はそう思っている。自分には自信がない。この先も、変わらず彼に愛される自信が。
「んッ……ああッ」
開かれた最奥の蕾を卑猥な音を立てながら、彼の指が出入りする。前戯はいつだって丁寧だ、しつこいくらいに。
「そんなに力入れたら……」
嬉しそうに、耳元で彼が卑猥なことを言う。
「この……へんた……あッ……ひあッ」
「ここか」
「やめ……変になるッ」
気持ちよさに胸を仰け反らせ、鶴城の胸を押しのけようとした手は空を切る。彼が頭をさげ、美崎の胸の飾りに舌を這わせ始めたからだ。
「んんッ……あああッ」
「可愛いから。感じて、優也」
自分は圭一のような、落ち着いていて包容力のある年上を好きになるのだと思っていた。実際、彼は面倒見がよく、いつでも気にかけてくれ、安心できる存在。でも、彼に自分が恋することはなかった。容姿端麗、文武両道、K学園一の美形男子。”美の女神に愛されし男”などどいう、あだ名さえつけられるようないい男であったが、彼とは幼稚園の頃から一緒だった為、慣れ過ぎていたのかもしれない。
まさか、見るからに体育会系の男に心を奪われるとは思わなかった。逞しい鶴城の腕の中は、正直心地いい。守られているような気さえしてしまうが、いかんせん彼は万年発情期のサルである。いつでもどこでも美崎を押し倒し、自分の意のままにしてしまう。どんなに辞めろと言っても、美崎を抑え込み、快楽に堕とす。
──でも、好き。
俺は慎じゃなきゃ……。
「も、挿れていい?」
彼のモノを股に感じ、美崎は頬を赤らめる。それは痛いくらいに立ち上がっており、固かった。
「んッ……挿れて」
「くう……。優也、可愛すぎる」
彼はキスを一つ落とすと美崎の両腿を大きく広げ、自分自身を蕾に押し当てる。その行為は、慣れれば恐怖を感じなくなるというものではない。本来入れるべきところではないところに入れるのだ。力が入ってしまうのは仕方がない。
「ん……」
「ゆっくりするから、力抜いて」
いずれ快感に支配される。分かっているのに、いつだって上手くできない。たっぷりとジェルで慣らされているのに。
「ほら、先がはいった」
「実況やめ……あああッ」
確かにゆっくりだが、うち壁が擦れる感覚に意識を奪われそうになる。熱くて変な感じ。
「あッ……あああ……」
無意識に股を閉じようとしたが、鶴城はそれを許さなかった。
「良い眺め」
美崎はその言葉にハッとして、彼のほうを見る。彼はじっと美崎自身を見つめていた。
「なあ、優也」
彼は傍らのジェルのボトルに手を伸ばす。美崎は息をひそめ、その様子を見ていた。円錐の先端から硬めのジェルがゆっくりと彼の手に垂らされる。後ろは濡れることがなく、乾いて傷つかないように濃厚で水分が揮発しずらいモノを使うのだ。
彼はそれを手で温め、ぬちゃぬちゃと揉んだ。美崎の蕾には彼自身が挿入されたまま。つまり、そのジェルは別のところに使うつもりなのだ。温まり、少し緩くなったジェルが彼の手全体に広がる。ここまでくれば何をされるのか想像に難くない。美崎はぎゅっと目を閉じた。
「はあッ……んんんッ」
ジェルでトロトロになった彼の手は美崎自身を握りこむと、鈴口を親指の腹でグリグリと刺激しはじめる。美崎は思わずきゅうっと蕾を締め付けてしまい、彼は顔を歪めた。
しかし、
「そんなにしたら、いっちゃうだろ」
と、嬉しそうだ。
「好きだよ、優也」
根元を強く扱かれ、気持ちよさに身を捩る。
「まこ……と……」
「俺は死ぬまで、優也と居たい」
「はあッ……やあああッ」
彼は手を動かしなら、腰を動かし始めた。
「何度でもいかせてやるよ」
どうやら、今夜は眠れそうにはない。
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