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第一章フリーデ王国
王宮での生活
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こんにちは。
私の名前は朝野明莉沙といいます。
突然ですが・・・もう心が折れそうです···ー。
ー···異世界召喚をされてから一晩がたった。
あの後、あの健気な二人はこの国の王子とかいうイケメンに連れて行かれた。
どうやら王宮を案内するらしい。
でもそんなことはどうでもいい。
問題は私の扱いだ。
あの後私は兵士や侍女たちに睨まれながら勇者用に準備していたらしい部屋に案内された。
私のことは···きっと自分たちの国を見捨てようとしたことが許せないのだろう。
正直すぐ見捨てようとして悪かったとは思っている。
けどそっちが召喚しておいてこの扱いはなんだ!と私は叫びたくなった。
しかし、悪いことだらけではなかった。
案内された部屋でしばらくぼーっとしていると、私に「誘拐じゃん!」と叫ばれた金髪の女の子がノックをして部屋に入ってきた。
超絶美少女。私なんかは足元にも及ばない。くそっ。同じ生き物なのに何だこの差は。くそっ。
しかも彼女はこの国の第三王女だったらしい。
名前はシャルシィ。
そしてシャルシィは・・・すごくいい子だった。
あのときは話が通じない嫌な女ぐらいに思っていたが、わざわざ謝りに来てくれたし、何よりアイツらより断然まともだ。
その後軽いお喋りが勢いをつけ、私は元の世界、地球についてシャルシィにいろいろなことを話した。
シャルシィは話を聞く度笑ったり、驚いたりする。
人形のように可愛らしい女の子だった。
さらにシャルシィも自分の親や姉や兄の愚痴まで喋っていた。病んでいるかの如くの勢いだったが、私にそのぐらい心を開いてくれたんだとポジティブ思う。
シャルシィは王族だが、物覚えの悪さに親に無視されたり、兄弟に悪口を言われたりなどされているようだ。
本人は死に物狂いで認められようと努力しているが、見向きもされない。
将来はどこかのお偉いさんのところに嫁ぐしかないらしい。やっぱりこの中世ヨーロッパ風な世界だと面倒くさいいざこざがあるのだろう。ましてや王族なんて、おとぎ話のキラキラした物語じゃないんだろうな。
酷い話だ。
私がそう言うと、シャルシィは「いいんですよ」と悲しそうに笑った。
そんな回想を頭の中で繰り広げていると、コンコンと部屋の外からノックが聞こえた。
「失礼します」
入ってきたのは、昨日私を睨みながらこの部屋まで案内した侍女だ。
しかし侍女は、私を見るなり「ひっ」と怖がり声をあげた。
「ど、どうされたんですか?やっぱり私の昨日の態度が悪かったのですか・・・?」
侍女は怖がりながら私に聞いた。
···あぁ、私は重要なことを忘れていた。
私の名前は朝野明莉沙といいます。
突然ですが・・・もう心が折れそうです···ー。
ー···異世界召喚をされてから一晩がたった。
あの後、あの健気な二人はこの国の王子とかいうイケメンに連れて行かれた。
どうやら王宮を案内するらしい。
でもそんなことはどうでもいい。
問題は私の扱いだ。
あの後私は兵士や侍女たちに睨まれながら勇者用に準備していたらしい部屋に案内された。
私のことは···きっと自分たちの国を見捨てようとしたことが許せないのだろう。
正直すぐ見捨てようとして悪かったとは思っている。
けどそっちが召喚しておいてこの扱いはなんだ!と私は叫びたくなった。
しかし、悪いことだらけではなかった。
案内された部屋でしばらくぼーっとしていると、私に「誘拐じゃん!」と叫ばれた金髪の女の子がノックをして部屋に入ってきた。
超絶美少女。私なんかは足元にも及ばない。くそっ。同じ生き物なのに何だこの差は。くそっ。
しかも彼女はこの国の第三王女だったらしい。
名前はシャルシィ。
そしてシャルシィは・・・すごくいい子だった。
あのときは話が通じない嫌な女ぐらいに思っていたが、わざわざ謝りに来てくれたし、何よりアイツらより断然まともだ。
その後軽いお喋りが勢いをつけ、私は元の世界、地球についてシャルシィにいろいろなことを話した。
シャルシィは話を聞く度笑ったり、驚いたりする。
人形のように可愛らしい女の子だった。
さらにシャルシィも自分の親や姉や兄の愚痴まで喋っていた。病んでいるかの如くの勢いだったが、私にそのぐらい心を開いてくれたんだとポジティブ思う。
シャルシィは王族だが、物覚えの悪さに親に無視されたり、兄弟に悪口を言われたりなどされているようだ。
本人は死に物狂いで認められようと努力しているが、見向きもされない。
将来はどこかのお偉いさんのところに嫁ぐしかないらしい。やっぱりこの中世ヨーロッパ風な世界だと面倒くさいいざこざがあるのだろう。ましてや王族なんて、おとぎ話のキラキラした物語じゃないんだろうな。
酷い話だ。
私がそう言うと、シャルシィは「いいんですよ」と悲しそうに笑った。
そんな回想を頭の中で繰り広げていると、コンコンと部屋の外からノックが聞こえた。
「失礼します」
入ってきたのは、昨日私を睨みながらこの部屋まで案内した侍女だ。
しかし侍女は、私を見るなり「ひっ」と怖がり声をあげた。
「ど、どうされたんですか?やっぱり私の昨日の態度が悪かったのですか・・・?」
侍女は怖がりながら私に聞いた。
···あぁ、私は重要なことを忘れていた。
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