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第一章
第四話 王女の企み
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「つかれたぁ…」
算術の授業、音楽の授業、作法の授業、歴史の授業、言語の授業…。今日は一日中授業があった。記憶を取り戻して数日が経ったが、意外にもほとんど緊張することなく当たり前のように城で生活ができていた。
それでも授業は疲れる。勉強は前世の頃から苦手だ。
「ふふ……」
「……アンナ、何を笑っているの?」
「も、申し訳ございません!ただ、少々…ミティア様が可愛らしいというか…」
……可愛らしい?
「いつもはなんというか…シャキッ!としていらっしゃいましたから」
にこにことよくわからない擬音で伝えられるが、なんとなく言いたいことはわかっていた。
前世の私は自分の専属侍女、アンナに弱み一つ見せていなかった。幼い頃からお姉様と比べられ、人から馬鹿にされるのが大嫌いだった私は、他人に弱みを見せることをよしとしなかったのだ。それにアンナは魔法を使えない、穏やかで平凡な女性だったので、私は絶対に彼女に下に見られたくなかった。
やたら横暴なことを言ったり暴力をふるったりなどはしていないが、私はアンナに本当は小心者なのを隠すように、強く当たっていた。以前までそんなことをしていた私にアンナはにこにこと話しかける。
「もちろんミティア様は普段から大変美しく賢明な方ですが、最近は…その、表情が豊かになったといいますか、私などにも優しく接してくださっている気がして……」
少し照れたように話すアンナ。私も少し照れてしまう。今十歳の私が言うのも何だが、アンナは小動物的な可愛さがある。
「別にそんなつもりはないわよ。…まあでも、今まで少し厳しかったかもしれないわね。無駄に気を遣わせていたのなら謝るわ」
本当はもっと素直に謝りたいのだが、どうしてかこの口はひねくれてものを言ってしまうらしい。だが、私の言葉に慌てた様子でアンナが話す。
「そ、そんな!謝るなんてやめてください!私はミティア様にお仕えできるだけで幸せですので…!」
えへへ、と本当に幸せそうに笑うのだからこっちもつられて笑ってしまう。
……本当にどうして前世ではこんな子に対しても冷たい態度をとっていたのだろう。そして……どうしてアンナはこんな私を最期まで守ろうとしたのだろう。
――やめてください!ミティア様が悪いというなら、一番近くでお仕えしてきた私にも責任があります‼どうか私にも罰を与えてください…!
当時彼らに捕まった私を見て、彼女がそう叫んでいたことを思い出す。
他の騎士に止められながらもそう懇願するアンナに、心の底から呆れたものだ。何をくだらないことを言っているのか。自殺でもしたいのかと。私は「あなたみたいな間抜けに計画も何も教えるわけないじゃない」、ただそう言った。庇ったわけではない。意味のないことをするアンナを面倒くさいと思っただけだ。
あの頃の私には良心なんて微塵も存在しなかったが、最期まで泣いていたアンナの声がやけに耳に残っていた。
前世では、本当に迷惑をかけてしまった。小さい頃から仕えていた王女があんな悪女になって、アンナはどれほど悲しんだだろう。でも今なら…まだやり直せるはずだ。以前まで私にびくびく怯えていたのに、今では私の態度が軟化したためか、常ににこにことしている。思ったより図太い性格だったのかもしれない。しかしそのおかげで、今世では仲良くできるはずだ。贖罪にはならないかもしれないが、前世で迷惑をかけた分彼女に優しく接したいと思っていた。
―――――
「一般的な平民の衣服…ですか?」
「ええ、そうよ」
「確かに持ってはいますが……。しかし何故急にそれが必要となるのですか?」
不思議そうな顔をするアンナ。それもそうだろう。豪華なドレスを求める令嬢はいても、平民の服を求める王女なんて普通いない。
その問いの答えは一つ。外に出たいからだ。
この王城にいると何一つ不自由しない。美味しいものは食べられるし、いくら授業が忙しいといっても、王女という身分の手前、ぞんざいに扱われることはないし、余程の我儘でない限り私の意見が尊重される。これで外に出たいなんて馬鹿馬鹿しいと思うかもしれない。
記憶が戻り約一週間…この生活には大体もう慣れたとはいえ、このお姫様扱いには少し面倒くさくなることがある。特に城外へ自由に出られないということが嫌だった。もともとアウトドアな性格ではなかったが、いざこうして閉じ込められると外出したくなるものである。
だから外に出たいと考えたのだが……まず、外出は許されるかもしれない。しかし当たり前だが、護衛がつくのだ。外に出ても王女という扱いが変わらないのは少し嫌だった。それに護衛の目がある限り、自由に街を見ることができないだろう。城の外には広く大きな都市、いわゆる「王都」があるのだが、おそらくそれの一部分程度しか見ることができないかもしれない。
私はこれらの考え、ある計画を企てた。
それはこっそり城の外に出て、少しの間王都を散策しようというものだ。
もちろん、これは王女としてよろしくない行動だとわかっている。
しかしエステルお姉様を見ていると、そうも言ってられないのだ。彼女は周りから天才だと称えられる一方で、何度も問題行動を起こし周囲の手を焼かせていた。その問題行動は、あまりにも自由奔放すぎる彼女の性格によるのもが原因だった。
授業は真面目に受け、向上心の高い彼女は剣や魔法の鍛錬も怠らなかった。実際、勉強では天才とは言わずとも苦労している様子はなかったし、大人の騎士さえ倒してしまうほどに腕っぷしも強かった。そのせいか自身への肯定感が強く、気に入らない奴がいたら堂々と打ちのめすし、勝手に城の外へも遊びに行っていた。
そして城から抜け出した先で、たまに軽い事件を解決してきてしまうのも別の意味で頭が痛い問題だったようだ。
そんなお姉様をずっと見ていたせいか、私は城外へ行くのがそんなに悪いことだとも思えなかった。少し感覚が麻痺してしまっているのももちろんわかってはいるが。前世の私は特に城外へ興味を持つことはなかったが、今の私は王都へ遊びに行きたいと強く思うようになっていた。お姉様が毎日のように王都の楽しさを語っていたのだ。憧れるのも無理はないだろう。
アンナを騙すようで申し訳なくなるが、私は王都へ遊びに行きたいという気持ちで頭がいっぱいになっていた。
「今度刺繍の授業があるんだけど、先生が庶民の服を題材にしているの。だから、あなたが持っているならそれを見ておきたいのよ。良かったら私に貸してくれる?できれば早い方がいいのだけれど…」
「……!わかりました!ミティア様のご期待に応えられるよう、今すぐ私の衣服の中から見繕ってきます‼」
「私が着れるほどのサイズのものがいいわ」
「私が小さかった頃のものがあるので、それを持ってきます!」
頼られたことが嬉しかったのか、アンナは嬉しそうな顔をする。そしてドタドタと慌ただしく部屋の外に出て行ってしまった。やはり罪悪感があるが、今さらそうも言っていられない。
明日は授業がない。その間、やるからには徹底的に王都で遊びつくそう。
算術の授業、音楽の授業、作法の授業、歴史の授業、言語の授業…。今日は一日中授業があった。記憶を取り戻して数日が経ったが、意外にもほとんど緊張することなく当たり前のように城で生活ができていた。
それでも授業は疲れる。勉強は前世の頃から苦手だ。
「ふふ……」
「……アンナ、何を笑っているの?」
「も、申し訳ございません!ただ、少々…ミティア様が可愛らしいというか…」
……可愛らしい?
「いつもはなんというか…シャキッ!としていらっしゃいましたから」
にこにことよくわからない擬音で伝えられるが、なんとなく言いたいことはわかっていた。
前世の私は自分の専属侍女、アンナに弱み一つ見せていなかった。幼い頃からお姉様と比べられ、人から馬鹿にされるのが大嫌いだった私は、他人に弱みを見せることをよしとしなかったのだ。それにアンナは魔法を使えない、穏やかで平凡な女性だったので、私は絶対に彼女に下に見られたくなかった。
やたら横暴なことを言ったり暴力をふるったりなどはしていないが、私はアンナに本当は小心者なのを隠すように、強く当たっていた。以前までそんなことをしていた私にアンナはにこにこと話しかける。
「もちろんミティア様は普段から大変美しく賢明な方ですが、最近は…その、表情が豊かになったといいますか、私などにも優しく接してくださっている気がして……」
少し照れたように話すアンナ。私も少し照れてしまう。今十歳の私が言うのも何だが、アンナは小動物的な可愛さがある。
「別にそんなつもりはないわよ。…まあでも、今まで少し厳しかったかもしれないわね。無駄に気を遣わせていたのなら謝るわ」
本当はもっと素直に謝りたいのだが、どうしてかこの口はひねくれてものを言ってしまうらしい。だが、私の言葉に慌てた様子でアンナが話す。
「そ、そんな!謝るなんてやめてください!私はミティア様にお仕えできるだけで幸せですので…!」
えへへ、と本当に幸せそうに笑うのだからこっちもつられて笑ってしまう。
……本当にどうして前世ではこんな子に対しても冷たい態度をとっていたのだろう。そして……どうしてアンナはこんな私を最期まで守ろうとしたのだろう。
――やめてください!ミティア様が悪いというなら、一番近くでお仕えしてきた私にも責任があります‼どうか私にも罰を与えてください…!
当時彼らに捕まった私を見て、彼女がそう叫んでいたことを思い出す。
他の騎士に止められながらもそう懇願するアンナに、心の底から呆れたものだ。何をくだらないことを言っているのか。自殺でもしたいのかと。私は「あなたみたいな間抜けに計画も何も教えるわけないじゃない」、ただそう言った。庇ったわけではない。意味のないことをするアンナを面倒くさいと思っただけだ。
あの頃の私には良心なんて微塵も存在しなかったが、最期まで泣いていたアンナの声がやけに耳に残っていた。
前世では、本当に迷惑をかけてしまった。小さい頃から仕えていた王女があんな悪女になって、アンナはどれほど悲しんだだろう。でも今なら…まだやり直せるはずだ。以前まで私にびくびく怯えていたのに、今では私の態度が軟化したためか、常ににこにことしている。思ったより図太い性格だったのかもしれない。しかしそのおかげで、今世では仲良くできるはずだ。贖罪にはならないかもしれないが、前世で迷惑をかけた分彼女に優しく接したいと思っていた。
―――――
「一般的な平民の衣服…ですか?」
「ええ、そうよ」
「確かに持ってはいますが……。しかし何故急にそれが必要となるのですか?」
不思議そうな顔をするアンナ。それもそうだろう。豪華なドレスを求める令嬢はいても、平民の服を求める王女なんて普通いない。
その問いの答えは一つ。外に出たいからだ。
この王城にいると何一つ不自由しない。美味しいものは食べられるし、いくら授業が忙しいといっても、王女という身分の手前、ぞんざいに扱われることはないし、余程の我儘でない限り私の意見が尊重される。これで外に出たいなんて馬鹿馬鹿しいと思うかもしれない。
記憶が戻り約一週間…この生活には大体もう慣れたとはいえ、このお姫様扱いには少し面倒くさくなることがある。特に城外へ自由に出られないということが嫌だった。もともとアウトドアな性格ではなかったが、いざこうして閉じ込められると外出したくなるものである。
だから外に出たいと考えたのだが……まず、外出は許されるかもしれない。しかし当たり前だが、護衛がつくのだ。外に出ても王女という扱いが変わらないのは少し嫌だった。それに護衛の目がある限り、自由に街を見ることができないだろう。城の外には広く大きな都市、いわゆる「王都」があるのだが、おそらくそれの一部分程度しか見ることができないかもしれない。
私はこれらの考え、ある計画を企てた。
それはこっそり城の外に出て、少しの間王都を散策しようというものだ。
もちろん、これは王女としてよろしくない行動だとわかっている。
しかしエステルお姉様を見ていると、そうも言ってられないのだ。彼女は周りから天才だと称えられる一方で、何度も問題行動を起こし周囲の手を焼かせていた。その問題行動は、あまりにも自由奔放すぎる彼女の性格によるのもが原因だった。
授業は真面目に受け、向上心の高い彼女は剣や魔法の鍛錬も怠らなかった。実際、勉強では天才とは言わずとも苦労している様子はなかったし、大人の騎士さえ倒してしまうほどに腕っぷしも強かった。そのせいか自身への肯定感が強く、気に入らない奴がいたら堂々と打ちのめすし、勝手に城の外へも遊びに行っていた。
そして城から抜け出した先で、たまに軽い事件を解決してきてしまうのも別の意味で頭が痛い問題だったようだ。
そんなお姉様をずっと見ていたせいか、私は城外へ行くのがそんなに悪いことだとも思えなかった。少し感覚が麻痺してしまっているのももちろんわかってはいるが。前世の私は特に城外へ興味を持つことはなかったが、今の私は王都へ遊びに行きたいと強く思うようになっていた。お姉様が毎日のように王都の楽しさを語っていたのだ。憧れるのも無理はないだろう。
アンナを騙すようで申し訳なくなるが、私は王都へ遊びに行きたいという気持ちで頭がいっぱいになっていた。
「今度刺繍の授業があるんだけど、先生が庶民の服を題材にしているの。だから、あなたが持っているならそれを見ておきたいのよ。良かったら私に貸してくれる?できれば早い方がいいのだけれど…」
「……!わかりました!ミティア様のご期待に応えられるよう、今すぐ私の衣服の中から見繕ってきます‼」
「私が着れるほどのサイズのものがいいわ」
「私が小さかった頃のものがあるので、それを持ってきます!」
頼られたことが嬉しかったのか、アンナは嬉しそうな顔をする。そしてドタドタと慌ただしく部屋の外に出て行ってしまった。やはり罪悪感があるが、今さらそうも言っていられない。
明日は授業がない。その間、やるからには徹底的に王都で遊びつくそう。
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