21 / 58
第21話 石と伝心
しおりを挟む
セシルが元気で本当によかったと俺は思った。たぶん崖から落ちた時に気絶してしまったんだと思う。
だから、無事にいったのかも?自分で自分のスキルがわからない。なんて情けないんだと少ししょげた・・・
あっ!そうだ!セシルを自分に取り込んだんだから、心の中で会話できるかも!!!
そう思い、セシルにさっき崖を落ちてから助かるまでのことを心の中で伝心してみた。
セシル 「それにしてもスゲーよな!あたいを空を飛ばすことができるなんて!おまえは世界一の石だ!ガハハ!!!」
とても良いタイミングでセシルが相槌を打つ。
俺は世界一とか言われてうれしかったが、うん?今俺が話したことと返事が違くない?あれ?
あーセシルには、俺の伝心が通じてないんだ・・・
なんでかな?うーんやっぱり俺を飲み込まないとだめなのかな・・・
セシルと話ができると思ってしまった俺はYES・NOのやりとりしかできないとわかってがっかりした。
さっきまでは、YES・NOだけで、満足していたのに急に色々な事情を話したいと、聞いてもらいたい!という欲が湧いてしまったのだ。
俺は自分に言い聞かせた!あまり欲張るとろくでもない事になるぞ!と
そして、自分自身にウケた。あんなに人と話すのが、苦手だったのにと・・・
セシル 「それにしても、びっくりしたよなー。大変な目にあったんだから、少しここで休むか!」
俺は同意の意味を込めて光った。
セシルは例の魔石で焚き火をつけ、水を出し、お茶を入れ始めた。お茶の芳醇な匂いがあたりに立ち込めた。
俺はお茶の香りを楽しみながら少し考えをめぐらした。
やっぱりセシルと話したい。だけど、そうするにはセシルに俺を飲んでもらうしかない。でも、飲んだら何か体に影響があるかもしれないし。
マリーはたまたま、上手くいっただけでセシルから無事に出てこれるともかぎらない。しかも、会話ができないのにどうやって飲んでもらえるの?
しかも、俺が話したいという理由だけで、未知のリスクをセシルに背負わせるなんて悪くてできない。やっぱり、今は我慢するしかなさそうだ・・・
セシルはお茶をすすりながら自分の持っている道具の手入れをし、鼻歌を歌っている。
セシルを見ていると自分のわがままが申し訳なく思えた。
セシルはすごい女性だ、子供の頃の悲惨な過去が土台だけれど努力して夢を叶えた。しかも、辛い目に合っているというのに素直で正義感が強く明るくとても優しい、少し女性としての自覚が足りないがそれも魅力に変えてしまえるボーイッシュな美貌も持ち合わせいる。それなのに体は女性としての魅力に溢れているという俺のいた場所では俺の手に届くような女性ではないし、きっと鼻にも掛けてもらえないだろう。
そんなセシルとこうやって旅をしてると思うと本当に幸せだ。
俺は少し自分の事だけを考えすぎなのかもしれない、自分がやりたい事があるから人に押し付けるのはよくない。そう自分に言い聞かせた。
セシル 「そういえばさー、崖を落ちたじゃん。もしかすると相当近道かもしれないよ!町までの道のりをそうとう稼げたと思う!」
セシルは上機嫌にまた鼻歌を歌っている。
俺は思わぬ収穫!の意味を込めて光った。
セシル 「でも、帰りが大変かもな(笑)」
とセシルは笑った。
そうだ。俺は永遠にセシルと旅が出来るわけではないのだと今気づいた。石の鑑定をしてもらって、マリーの家に届けてもらったらお別れなのだ。
マリーに早く帰ると約束したのに、早く帰りたくないと思ってしまい少し罪悪感を感じた。
セシル 「森を抜けて平地になってきたから、旅路も少し楽になったと思うよ!あと少しで町だからがんばろうぜ!」
セシルはそう言って腕を高く上げた。
セシル 「おまえは歩かないから、がんばるのはあたいだな!エヘヘ。」
俺もがんばるぞ、手伝えなくてごめんね、よろしくお願いします。の意味を込めて光った。
だから、無事にいったのかも?自分で自分のスキルがわからない。なんて情けないんだと少ししょげた・・・
あっ!そうだ!セシルを自分に取り込んだんだから、心の中で会話できるかも!!!
そう思い、セシルにさっき崖を落ちてから助かるまでのことを心の中で伝心してみた。
セシル 「それにしてもスゲーよな!あたいを空を飛ばすことができるなんて!おまえは世界一の石だ!ガハハ!!!」
とても良いタイミングでセシルが相槌を打つ。
俺は世界一とか言われてうれしかったが、うん?今俺が話したことと返事が違くない?あれ?
あーセシルには、俺の伝心が通じてないんだ・・・
なんでかな?うーんやっぱり俺を飲み込まないとだめなのかな・・・
セシルと話ができると思ってしまった俺はYES・NOのやりとりしかできないとわかってがっかりした。
さっきまでは、YES・NOだけで、満足していたのに急に色々な事情を話したいと、聞いてもらいたい!という欲が湧いてしまったのだ。
俺は自分に言い聞かせた!あまり欲張るとろくでもない事になるぞ!と
そして、自分自身にウケた。あんなに人と話すのが、苦手だったのにと・・・
セシル 「それにしても、びっくりしたよなー。大変な目にあったんだから、少しここで休むか!」
俺は同意の意味を込めて光った。
セシルは例の魔石で焚き火をつけ、水を出し、お茶を入れ始めた。お茶の芳醇な匂いがあたりに立ち込めた。
俺はお茶の香りを楽しみながら少し考えをめぐらした。
やっぱりセシルと話したい。だけど、そうするにはセシルに俺を飲んでもらうしかない。でも、飲んだら何か体に影響があるかもしれないし。
マリーはたまたま、上手くいっただけでセシルから無事に出てこれるともかぎらない。しかも、会話ができないのにどうやって飲んでもらえるの?
しかも、俺が話したいという理由だけで、未知のリスクをセシルに背負わせるなんて悪くてできない。やっぱり、今は我慢するしかなさそうだ・・・
セシルはお茶をすすりながら自分の持っている道具の手入れをし、鼻歌を歌っている。
セシルを見ていると自分のわがままが申し訳なく思えた。
セシルはすごい女性だ、子供の頃の悲惨な過去が土台だけれど努力して夢を叶えた。しかも、辛い目に合っているというのに素直で正義感が強く明るくとても優しい、少し女性としての自覚が足りないがそれも魅力に変えてしまえるボーイッシュな美貌も持ち合わせいる。それなのに体は女性としての魅力に溢れているという俺のいた場所では俺の手に届くような女性ではないし、きっと鼻にも掛けてもらえないだろう。
そんなセシルとこうやって旅をしてると思うと本当に幸せだ。
俺は少し自分の事だけを考えすぎなのかもしれない、自分がやりたい事があるから人に押し付けるのはよくない。そう自分に言い聞かせた。
セシル 「そういえばさー、崖を落ちたじゃん。もしかすると相当近道かもしれないよ!町までの道のりをそうとう稼げたと思う!」
セシルは上機嫌にまた鼻歌を歌っている。
俺は思わぬ収穫!の意味を込めて光った。
セシル 「でも、帰りが大変かもな(笑)」
とセシルは笑った。
そうだ。俺は永遠にセシルと旅が出来るわけではないのだと今気づいた。石の鑑定をしてもらって、マリーの家に届けてもらったらお別れなのだ。
マリーに早く帰ると約束したのに、早く帰りたくないと思ってしまい少し罪悪感を感じた。
セシル 「森を抜けて平地になってきたから、旅路も少し楽になったと思うよ!あと少しで町だからがんばろうぜ!」
セシルはそう言って腕を高く上げた。
セシル 「おまえは歩かないから、がんばるのはあたいだな!エヘヘ。」
俺もがんばるぞ、手伝えなくてごめんね、よろしくお願いします。の意味を込めて光った。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る
Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される
・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。
実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。
※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる