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2.消えた平穏
お昼だよ
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教室に戻り授業を受け、休み時間は即ベランダに隠れるを繰り返して花菱を避けていたらようやくの昼。なんでただ日々を過ごすのにこんな苦労しなければならないのか。全くもって遺憾である。
昼はどうしようかなと思いつつ教科書やらを片していたら、ふと前方が陰った。
「岬、一緒にお昼食べない?」
流星である。
「え、な、なんで……?」
これまで一度たりとも昼食に誘われたことなどないし、目立つからお断りしたい。と、思っていたのに厄介な奴がまたひとり。
「いいじゃん! 一緒に行こう! あ、俺も一緒でいい!?」
腐男子こと道添がウザいことこの上ないテンションでぴょんとやってきた。勝手に流星からのお誘いに了承しないで欲しいし、なに勝手に一緒に行く流れ作ってんだ!
なんか、この流れで断ったら嫌な感じになるじゃん!
「ほら、あの転校生にまた絡まれたりしても厄介でしょ? 一緒にいた方がいいのかなって」
と、流星は邪気のない笑顔で「いいでしょ?」と言いたげに軽く首を傾げた。うん、そんな仕草も決まってます。そして、それを言われたら確かにそうかもしれないと思ってしまう自分がいる。
花菱はす~ぐ人を攫おうとする厄介な奴なので、誰か一緒にいた方が、かつ花菱を止めるガッツを持っていそうな人がいた方がいいのは事実。流星はサッカー部でそれなりに筋肉もあるし、ひょろい道添はともかくきっと牽制になる。
「岬、飯行くぞ」
そんなことを考えていたら秀が追加された。なんで? 一緒に行くとかいうのって登校時だけじゃなかったっけ? 一緒に飯食おうぜ! みたいなキャラだったっけ?
「ギャー! 兼崎クンじゃん! え、岬同志……え!? 爽やか君に一匹狼とかまじ王道すぎでは……!? なにこの神展開!」
「道添くん……静かにしようか」
この空気を読まない腐男子のせいで断るタイミングを逃してしまった俺は、なぜか最高に目立つ流星と秀を交えて食堂に行くことになってしまった。
うーん、どうしてこうなった。
「秀……なんでお前まで」
「いいだろ、この際」
「なにがこの際なのかよくわかんないんだけど」
流星と道添には聞こえない音量で秀に問いただすも、ひょいと前を向かれてしまった。もう答える気はないらしい。なんたる横暴。
正直俺は、購買でパンでも買ってひっそり数II準備室にでも行こうかと思っていた。だから対花菱への気遣いはありがたいが無用なのである。だって、すでに視線が痛い。仕方がないので前方を歩く道添を引っ張り、さらに一歩下がる。前に流星と秀、後ろに俺と道添というもしかしたら一緒に歩いているのではなくただ行く方向が同じなだけなのでは? と思えなくもない布陣である。
道添は「え、なんで!?」と俺の行動に目を丸くしていたが、目の前の珍しいイケメン2人の組み合わせにすぐ意識は持っていかれたらしい。「一匹狼×爽やか君もアリ!」とはしゃいでいる。目の前に餌があればそこに全集中するという点では非常に扱いやすい。
教室に戻り授業を受け、休み時間は即ベランダに隠れるを繰り返して花菱を避けていたらようやくの昼。なんでただ日々を過ごすのにこんな苦労しなければならないのか。全くもって遺憾である。
昼はどうしようかなと思いつつ教科書やらを片していたら、ふと前方が陰った。
「岬、一緒にお昼食べない?」
流星である。
「え、な、なんで……?」
これまで一度たりとも昼食に誘われたことなどないし、目立つからお断りしたい。と、思っていたのに厄介な奴がまたひとり。
「いいじゃん! 一緒に行こう! あ、俺も一緒でいい!?」
腐男子こと道添がウザいことこの上ないテンションでぴょんとやってきた。勝手に流星からのお誘いに了承しないで欲しいし、なに勝手に一緒に行く流れ作ってんだ!
なんか、この流れで断ったら嫌な感じになるじゃん!
「ほら、あの転校生にまた絡まれたりしても厄介でしょ? 一緒にいた方がいいのかなって」
と、流星は邪気のない笑顔で「いいでしょ?」と言いたげに軽く首を傾げた。うん、そんな仕草も決まってます。そして、それを言われたら確かにそうかもしれないと思ってしまう自分がいる。
花菱はす~ぐ人を攫おうとする厄介な奴なので、誰か一緒にいた方が、かつ花菱を止めるガッツを持っていそうな人がいた方がいいのは事実。流星はサッカー部でそれなりに筋肉もあるし、ひょろい道添はともかくきっと牽制になる。
「岬、飯行くぞ」
そんなことを考えていたら秀が追加された。なんで? 一緒に行くとかいうのって登校時だけじゃなかったっけ? 一緒に飯食おうぜ! みたいなキャラだったっけ?
「ギャー! 兼崎クンじゃん! え、岬同志……え!? 爽やか君に一匹狼とかまじ王道すぎでは……!? なにこの神展開!」
「道添くん……静かにしようか」
この空気を読まない腐男子のせいで断るタイミングを逃してしまった俺は、なぜか最高に目立つ流星と秀を交えて食堂に行くことになってしまった。
うーん、どうしてこうなった。
「秀……なんでお前まで」
「いいだろ、この際」
「なにがこの際なのかよくわかんないんだけど」
流星と道添には聞こえない音量で秀に問いただすも、ひょいと前を向かれてしまった。もう答える気はないらしい。なんたる横暴。
正直俺は、購買でパンでも買ってひっそり数II準備室にでも行こうかと思っていた。だから対花菱への気遣いはありがたいが無用なのである。だって、すでに視線が痛い。仕方がないので前方を歩く道添を引っ張り、さらに一歩下がる。前に流星と秀、後ろに俺と道添というもしかしたら一緒に歩いているのではなくただ行く方向が同じなだけなのでは? と思えなくもない布陣である。
道添は「え、なんで!?」と俺の行動に目を丸くしていたが、目の前の珍しいイケメン2人の組み合わせにすぐ意識は持っていかれたらしい。「一匹狼×爽やか君もアリ!」とはしゃいでいる。目の前に餌があればそこに全集中するという点では非常に扱いやすい。
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