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第一章 楼桑からの使者
1-⑩
しおりを挟むサイレンの五名家の一つで、バロウズ騎士団と言う屈強で知られる騎士団を保有している。
人々からバロウズ湖水伯と呼ばれ、曾祖父の代には政治・軍事両面に於いて大いに国政に影響を与えたほどの大貴族であるにも拘らず、現当主のフィリップは国の要職にも就いておらず、その性格に野心の欠片もないことが、重臣達には尚更好都合であった。
しかし父としては、娘の再婚には必ずしも乗り気な訳ではなかった。
主君であるフリッツとの関係は勿論、この際大公家とは正式にすべての縁を切り、実家に戻って来ることを望んでいた。
幸い前夫アレックとの間には、子を成している訳でもない。
本人がそれを望めば、臣籍に戻ることも出来る。
昔からその美貌故に数々の不本意な出来事(アレックとの婚姻こそが、その際たるものだと彼は感じていた)に見舞われてきた娘には、この先心静かに暮らさせてやりたい。
みなが彼女を忘れた頃に、善き縁があれば再び嫁ぐのも良かろう。
それもこれも、本人がその気があればの話しである。
それが偽らざる、正直な親心であった。
そう言う気持ちもあり、娘への再縁話しもあまり強く迫れないでいた。
ラフレシアも、自分としてはこの先フリッツとのことも含めて、再婚する気はないとはっきりと父に応えた。
そう言われてしまうと、この美しく生まれたばかりに周りに翻弄され続けているふびんな娘へ、それ以上掛ける言葉を知らぬ父であった。
そんないざこざがあったのが、一昨日のことである。
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