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五章(1)
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《5章 俺、中央教会にやってくる》
「じゃあね、頑張るんだよ、リア!」
「はい!おとうさま!」
よほど忙しいのか、父はすぐに馬車に乗って王宮に向かっていった。
……それにしても、やって来ましたよ!中央教会!めちゃくちゃ綺麗な所じゃん!感激!っていうかもしかして俺が生まれた所じゃない!?
咲き乱れる季節の花が、教会を鮮やかに彩っている。真っ白な壁が太陽の光を反射して、眩しいくらいに輝く。……こんなに立派な所で修行するなんて、光栄すぎる。
「すいません、しんかんさまはみえますか?」
教会の中に入るとシスターがいたのでそう言うと、「……えっ、うっ、かわいっ…………ええ。お話は聞いています。リア様ですよね?」と笑顔で返してくれた。前半は気にしない。
「大聖堂にいらっしゃると思うので、ご案内しますね」
「ありがとうございます!」
♢♢♢
「ほぇ~……」
大聖堂にやって来たのだが、ステンドグラスが綺麗すぎて見惚れていた。……てか、まて。ステンドグラスに描かれている神、最初に会ったあの通称『クソ神』じゃん!自分の世界が丁度俺の理想に合ってたのね……。すると後ろから声が聞こえた。
「……君がリアかい?可愛らしい子だね」
「ユークリウッド神官様!おはようございます」
いつの間にか近くに来ていた神官(父の弟)は、俺とシスターに、にこりと微笑む。神官は白髪に紫色の瞳をしていた。優しげな少しタレている目と柔らかく微笑む口元が父に似ている。
「……ええと、初めまして。君のお父さんの弟のトーア・ユークリウッドだ。気軽にトーア神官って呼んでね」
ユークリウッドが2人になるからね、と、おっとりとトーアは話す。なるほど、これが神官の力か。癒される。
「……今日、試験を受けに来ている子が丁度いるんだ。10分くらいした後に試験を始めるから、気楽に待っててね」
♢♢♢
さっき案内してくれたシスターに連れられて部屋の前にやってきた。扉を開けると、茶色の髪と紫色の瞳をした男の子と、金髪に緑色の瞳の女の子がいた。2人は楽しそうに話していたが、俺を見て固まってしまった。
「しばらくお待ちくださいね」とシスターに微笑まれて中で待とうとするが……気まずい。
「……あの……ぼくのことは、きにしないでくださいね?」
貴族が急に現れたから驚いて固まってしまったのかと思っていたら、女の子が、「……お、お人形さんが喋った……!」と呟いた。
「……っこら、アイル。お人形なんて失礼だろ。すいません、妹が」
「だってすっごく可愛いんだもん!」という女の子を見るが、君だって凄く可愛い。
「いいえ、きにしてないです。ふたりはきょうだいでしけんをうけるんですか?」
俺がそう聞くと、男の子は首を横に振る。
「俺は付き添いです。親は忙しいので。妹が聖魔法っぽいものを使ったので、試しに受けてみようと」
聖魔法っぽいもの……?聖魔法の種類が分からないのでどうこう言えないが、これから修行するんだし、そんなもので良いのだろう。
「あの!私、アイルです!こっちはお兄ちゃんのレイヤ。あなたのお名前は?」
「けいごじゃなくていいですよ。ぼくはリア・ユークリウッドです」
平民は名字が無いらしい。そういえばハーデスもミナも名前しか名乗っていなかった。
「リア君ってよんでいい?……いいの?ありがとう!リア君!」
名前呼びを許可するだけで、こんなに喜んでくれるのはなんだか変な感じだ。……というか、アイル、めちゃくちゃ可愛い!俺の好みの金髪だし、きっと成長したらモテモテになるだろう。兄のレイヤも顔が整っている。美形兄弟だ。……そういえば、どうしてハーデスは俺に好みを聞いたのか未だに謎だけれど……まあいいか!
「どうぞ!試験が始まりますよ!」
♢♢♢
【アルドアside】
「……私、絶対怒られるよ……」
アルドアは、王の部屋の前で顔を青白くさせていた。若干足も震えている。
まだ2歳のリアを王子との婚約に巻き込まないように、教会に修行させに行かせてしまった!それに、文書も返事をしていない。王に怒られそうで、私、怖い。……何より、ハイリヒ様に睨まれそう。
緊張のままドアをノックし、「誰だ」と聞かれたので、「……アルドア・ユークリウッドです……」と震えた声で返す。
中に入ると、ニッコニコで王が座っていた。もう私の背筋は凍っていて、苦笑いという笑顔で微笑み返す。普段温厚な王だが、怒ると微笑みだけで相手を黙らせる事ができる。一言で言えばめちゃくちゃ怖い。
「……アルドア、どうして私の文書を無視したのか、聞いても良いかい?」
「大変申し訳ございませんでした!!!」
私は死を覚悟した。……が、理由を必死に説明したら分かってもらえたらしい。これで少しの間はリアを守れる……はずだ。
「じゃあね、頑張るんだよ、リア!」
「はい!おとうさま!」
よほど忙しいのか、父はすぐに馬車に乗って王宮に向かっていった。
……それにしても、やって来ましたよ!中央教会!めちゃくちゃ綺麗な所じゃん!感激!っていうかもしかして俺が生まれた所じゃない!?
咲き乱れる季節の花が、教会を鮮やかに彩っている。真っ白な壁が太陽の光を反射して、眩しいくらいに輝く。……こんなに立派な所で修行するなんて、光栄すぎる。
「すいません、しんかんさまはみえますか?」
教会の中に入るとシスターがいたのでそう言うと、「……えっ、うっ、かわいっ…………ええ。お話は聞いています。リア様ですよね?」と笑顔で返してくれた。前半は気にしない。
「大聖堂にいらっしゃると思うので、ご案内しますね」
「ありがとうございます!」
♢♢♢
「ほぇ~……」
大聖堂にやって来たのだが、ステンドグラスが綺麗すぎて見惚れていた。……てか、まて。ステンドグラスに描かれている神、最初に会ったあの通称『クソ神』じゃん!自分の世界が丁度俺の理想に合ってたのね……。すると後ろから声が聞こえた。
「……君がリアかい?可愛らしい子だね」
「ユークリウッド神官様!おはようございます」
いつの間にか近くに来ていた神官(父の弟)は、俺とシスターに、にこりと微笑む。神官は白髪に紫色の瞳をしていた。優しげな少しタレている目と柔らかく微笑む口元が父に似ている。
「……ええと、初めまして。君のお父さんの弟のトーア・ユークリウッドだ。気軽にトーア神官って呼んでね」
ユークリウッドが2人になるからね、と、おっとりとトーアは話す。なるほど、これが神官の力か。癒される。
「……今日、試験を受けに来ている子が丁度いるんだ。10分くらいした後に試験を始めるから、気楽に待っててね」
♢♢♢
さっき案内してくれたシスターに連れられて部屋の前にやってきた。扉を開けると、茶色の髪と紫色の瞳をした男の子と、金髪に緑色の瞳の女の子がいた。2人は楽しそうに話していたが、俺を見て固まってしまった。
「しばらくお待ちくださいね」とシスターに微笑まれて中で待とうとするが……気まずい。
「……あの……ぼくのことは、きにしないでくださいね?」
貴族が急に現れたから驚いて固まってしまったのかと思っていたら、女の子が、「……お、お人形さんが喋った……!」と呟いた。
「……っこら、アイル。お人形なんて失礼だろ。すいません、妹が」
「だってすっごく可愛いんだもん!」という女の子を見るが、君だって凄く可愛い。
「いいえ、きにしてないです。ふたりはきょうだいでしけんをうけるんですか?」
俺がそう聞くと、男の子は首を横に振る。
「俺は付き添いです。親は忙しいので。妹が聖魔法っぽいものを使ったので、試しに受けてみようと」
聖魔法っぽいもの……?聖魔法の種類が分からないのでどうこう言えないが、これから修行するんだし、そんなもので良いのだろう。
「あの!私、アイルです!こっちはお兄ちゃんのレイヤ。あなたのお名前は?」
「けいごじゃなくていいですよ。ぼくはリア・ユークリウッドです」
平民は名字が無いらしい。そういえばハーデスもミナも名前しか名乗っていなかった。
「リア君ってよんでいい?……いいの?ありがとう!リア君!」
名前呼びを許可するだけで、こんなに喜んでくれるのはなんだか変な感じだ。……というか、アイル、めちゃくちゃ可愛い!俺の好みの金髪だし、きっと成長したらモテモテになるだろう。兄のレイヤも顔が整っている。美形兄弟だ。……そういえば、どうしてハーデスは俺に好みを聞いたのか未だに謎だけれど……まあいいか!
「どうぞ!試験が始まりますよ!」
♢♢♢
【アルドアside】
「……私、絶対怒られるよ……」
アルドアは、王の部屋の前で顔を青白くさせていた。若干足も震えている。
まだ2歳のリアを王子との婚約に巻き込まないように、教会に修行させに行かせてしまった!それに、文書も返事をしていない。王に怒られそうで、私、怖い。……何より、ハイリヒ様に睨まれそう。
緊張のままドアをノックし、「誰だ」と聞かれたので、「……アルドア・ユークリウッドです……」と震えた声で返す。
中に入ると、ニッコニコで王が座っていた。もう私の背筋は凍っていて、苦笑いという笑顔で微笑み返す。普段温厚な王だが、怒ると微笑みだけで相手を黙らせる事ができる。一言で言えばめちゃくちゃ怖い。
「……アルドア、どうして私の文書を無視したのか、聞いても良いかい?」
「大変申し訳ございませんでした!!!」
私は死を覚悟した。……が、理由を必死に説明したら分かってもらえたらしい。これで少しの間はリアを守れる……はずだ。
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