44 / 63
訪問
しおりを挟む「俺、お前と行きたい場所あるんだよ」
「行きたい場所…??
一体どこだよ…」
「着いてこい」
大和は俺の腕を引くと、ショッピングモールの出口の方までズンズンとすすんでいく。
いや、ちょっと待てっ!まだ映画も途中だというのにここから連れ出されるのか!
俺は大和の腕を進んでいる方とは反対側に引いて歩くのを止める。
「なんだ疲れたのか?」
「ち、違う!
どこに行こうとしてるのか教えてくれよ」
俺がそう問いかけるも大和は答えようとしない。
そして、腕に力を入れると強引に突き進んでいく。
俺は一体どうなんだ…。このまま警察とかに連れて行かれないよな…??まさかそんなことはないよな??
大和はタクシー乗り場でタクシーを止めると、俺を奥に詰め込んで、運転手に行き先の住所を伝える。
「おい、マジでどこに行く気だよ…
怖いんだけど」
「まあ、楽しみにしとけばいいんじゃね?」
大和は長い足を組みながら、窓から外の景色を眺める。
車はどんどん高級住宅街の中に入っていく。
「あの…マジでどこいくの…??」
俺は恐る恐る大和の方を見るも何も答えようとしない。どうせ何を言っても答えてくれなそうなので黙っていると車はある家の前に到着した。
というか、家って言っていいのかこれ…??
高級住宅街だというのに、家の大きさもあるが圧倒的な存在感を放っている。家の駐車場には高級車がずらりと並んでいて、車に疎い俺でさえも知っているようなメーカーの車だ。
ネットで目にしたことがあるけど、確かその価格は一台うん千万していたはずだ。
「や、大和くん…この家ってまさか…」
「俺の家だけど??」
「はあっ??!」
何平然と答えちゃってんの??!お前、自分の家の凄さがさてはわかってないな?!
確かに家の前には五十嵐という立派な表札が立っている。
「こ、これがお前の家…??まじで??」
「ああ、家の中入ろうぜ」
大和が俺の背中に手を回して、家の中に入ろうとする。
家の前には何台もの防犯カメラがあり、何も悪いことをしているわけではないのに緊張してしまう。
12
お気に入りに追加
430
あなたにおすすめの小説
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
逆ざまぁされ要員な僕でもいつか平穏に暮らせますか?
左側
BL
陽の光を浴びて桃色に輝く柔らかな髪。鮮やかな青色の瞳で、ちょっと童顔。
それが僕。
この世界が乙女ゲームやBLゲームだったら、きっと主人公だよね。
だけど、ここは……ざまぁ系のノベルゲーム世界。それも、逆ざまぁ。
僕は断罪される側だ。
まるで物語の主人公のように振る舞って、王子を始めとした大勢の男性をたぶらかして好き放題した挙句に、最後は大逆転される……いわゆる、逆ざまぁをされる側。
途中の役割や展開は違っても、最終的に僕が立つサイドはいつも同じ。
神様、どうやったら、僕は平穏に過ごせますか?
※ ※ ※ ※ ※ ※
ちょっと不憫系の主人公が、抵抗したり挫けたりを繰り返しながら、いつかは平穏に暮らせることを目指す物語です。
男性妊娠の描写があります。
誤字脱字等があればお知らせください。
必要なタグがあれば付け足して行きます。
総文字数が多くなったので短編→長編に変更しました。
ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話
かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。
「やっと見つけた。」
サクッと読める王道物語です。
(今のところBL未満)
よければぜひ!
【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長
初恋の公爵様は僕を愛していない
上総啓
BL
伯爵令息であるセドリックはある日、帝国の英雄と呼ばれるヘルツ公爵が自身の初恋の相手であることに気が付いた。
しかし公爵は皇女との恋仲が噂されており、セドリックは初恋相手が発覚して早々失恋したと思い込んでしまう。
幼い頃に辺境の地で公爵と共に過ごした思い出を胸に、叶わぬ恋をひっそりと終わらせようとするが…そんなセドリックの元にヘルツ公爵から求婚状が届く。
もしや辺境でのことを覚えているのかと高揚するセドリックだったが、公爵は酷く冷たい態度でセドリックを覚えている様子は微塵も無い。
単なる政略結婚であることを自覚したセドリックは、恋心を伝えることなく封じることを決意した。
一方ヘルツ公爵は、初恋のセドリックをようやく手に入れたことに並々ならぬ喜びを抱いていて――?
愛の重い口下手攻め×病弱美人受け
※二人がただただすれ違っているだけの話
前中後編+攻め視点の四話完結です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる