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訪問

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「俺、お前と行きたい場所あるんだよ」

「行きたい場所…??
一体どこだよ…」

「着いてこい」


大和は俺の腕を引くと、ショッピングモールの出口の方までズンズンとすすんでいく。
いや、ちょっと待てっ!まだ映画も途中だというのにここから連れ出されるのか!
俺は大和の腕を進んでいる方とは反対側に引いて歩くのを止める。


「なんだ疲れたのか?」

「ち、違う!
どこに行こうとしてるのか教えてくれよ」
 
俺がそう問いかけるも大和は答えようとしない。
そして、腕に力を入れると強引に突き進んでいく。
俺は一体どうなんだ…。このまま警察とかに連れて行かれないよな…??まさかそんなことはないよな??
大和はタクシー乗り場でタクシーを止めると、俺を奥に詰め込んで、運転手に行き先の住所を伝える。
 

「おい、マジでどこに行く気だよ…
怖いんだけど」

「まあ、楽しみにしとけばいいんじゃね?」


大和は長い足を組みながら、窓から外の景色を眺める。
車はどんどん高級住宅街の中に入っていく。


「あの…マジでどこいくの…??」


俺は恐る恐る大和の方を見るも何も答えようとしない。どうせ何を言っても答えてくれなそうなので黙っていると車はある家の前に到着した。

というか、家って言っていいのかこれ…??
高級住宅街だというのに、家の大きさもあるが圧倒的な存在感を放っている。家の駐車場には高級車がずらりと並んでいて、車に疎い俺でさえも知っているようなメーカーの車だ。

ネットで目にしたことがあるけど、確かその価格は一台うん千万していたはずだ。


「や、大和くん…この家ってまさか…」

「俺の家だけど??」

「はあっ??!」


何平然と答えちゃってんの??!お前、自分の家の凄さがさてはわかってないな?!
確かに家の前には五十嵐という立派な表札が立っている。


「こ、これがお前の家…??まじで??」

「ああ、家の中入ろうぜ」


大和が俺の背中に手を回して、家の中に入ろうとする。
家の前には何台もの防犯カメラがあり、何も悪いことをしているわけではないのに緊張してしまう。
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