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威嚇
しおりを挟む「で、僕たちが先生に伝えにきたことですけど、樹くんに近づかないでもらっていいですか?
僕たち彼のファンクラブなんですけど、樹くんと先生の距離が近すぎるってしょっちゅう議題に上がってるんです
樹くんと距離が近すぎるっていって」
「…ファンクラブ??…議題??」
聞き慣れない言葉に脳の処理が追いつかない。
それにこれはどこかで見覚えがある。
「いいから最後まで話聞いて!!」
「…はい」
「樹くんと距離が近すぎるんでとりあえず離れてもらえません?
見ていてむかつくんです。あなたみたいなモブキャラに樹くんがかまっているのを見ると。
美しい樹くんの横に立つのはあまりにも相応しくない
どうせ、先生が樹くんにしつこく声かけたりしてるんでしょ?辞めてあげてください。」
確かに、俺はお前らより全然可愛くねえし、モブキャラみたいな見た目だけどそんなにはっきり言うことあるかよ…
あいつ面倒くさいファン持ったな。
それにこれはBLの世界でもよくある鉄壁のファンクラブじゃねえか。なんでモブの俺がこんなことに巻き込まれるんだよ。
ここは俺じゃなくて樹と1番親しい男が目をつけられて、樹がそれを庇ってより関係が深くなるとかいうやつだろ。
その様子を俺は傍観したい派だ。むしろ、お前たちファンクラブの端くれ的な存在になりてえんだよ。
「でも、俺がくっついてるんじゃなくてあいつが!」
「最後まで話聞いて!!
それに樹くんのことあいつなんて言わないでください。あなたごときが…
とりあえず樹くんから距離置いてください
さもないとBカップ発言みんなに言いふらすんで
みんなどころか先生方にも話が行き渡ると思いますが」
「え!!ちょっと待ってくれよ
お願いだからそれだけは!!
お菓子買ってやるから!!」
「もので釣ろうとするなんて最低!」
「本当最低!」
「見た目どころか中身も最低」
可愛い男の子たちからことごとく痛々しい言葉を投げかけられる。
くそ、泣きてえ。実際には泣いてないが俺の心はシクシクと泣き声をあげている。
「じゃあ、よろしくお願いしますよ。」
それだけ言うと、男の子たちは保健室から去っていった。
たく、どうしろって言うんだよ。
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