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しおりを挟むその日の放課後
カフェに向かうと、店内は賑わっていて、カップルや友達連れできている学生らしき人たちが多かった。
僕たちがきた時点で、すでに3組の制服を着た人が並んでいた。
30分ほどたち、ようやく店内に案内されて、店の中を見渡すと、パステルカラーを基調に内装された店内は所々にフォトスポットのような場所があって、そこに女の子たちやカップルが並んで写真を撮っている。
この日はカップルが多かったようで男性客の姿もちらほらと見えた。
その瞬間、僕はあるものを見つけてしまった。
「あ!!」
予想外の出来事に声をあげてしまい、前を歩いていた舞さんが驚いた顔で振り返り、そのあとに肩をドンと拳で殴られる。
か細い体からは想像できない力強さであったため、舞さんを怒らせることだけはやめた方がいいことを同時に悟る。
「いきなり何?
うるさいんだけど」
「あれ、あれ見て!!」
舞さんは僕が指さした方向を見て、同じく驚きの声をあげた。
「え!え!?河田くんいるんだけど
どういうこと??!」
店員さんに案内された席に座り、僕たちは体をかがめ小さな声で話す。
僕たちの4つ先のテーブルに河田くんと彼女らしき人物が微笑み合いながら話しているのだ。
2人で楽しそうに写真も撮っている。
羨ましい…
「彼女とデート中…??」
震えそうな声を無理に抑えて話す。
「そんなの見ればわかるから
あの新しい彼女の理奈って女
悪い噂聞かないし、可愛いし、河田くんの彼女としてはなかなか悪くない
でも、まさかここに来てるとはね…
美男美女だから周りの人もちらちらと見てるもん」
「そりゃ、あんなかっこいい人いたら見ちゃうよ
逆に見ない方がおかしい」
「うんうん、それは言えてる
本当は隠し撮りしたいところだけど、さすがにデート中は可哀想だから、うちらはいつもの河田トークをしながら楽しもう」
「うん…」
彼女といる姿は極力見たくはなかったけど、この前キスをしているところを見てしまった衝撃に考えたら、軽いもののような気がした。
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