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しおりを挟む白金さんがしばらく僕を見たあとに、手招きをして僕を呼ぶ
ゆっくりと近づき、白金さんの目の前に立つと、突然白金さんが僕の顔に向かって手を伸ばしてきた
な、殴られる!!
そう思った僕は両手で自分の顔を隠して、身も隠すように背中を丸める
「……え?俺なんかした??」
白金さんは僕の反応に戸惑ったような声を出した
腕から顔を上げて一瞬だけ、白金さんの方を見てみると、先程伸ばした手がそのままの状態で宙に浮いていた
それを見た周りの人たちが焦ったような顔をして僕の方に駆け寄ってくる
「おい、お前立てよ!!」
耳元で怒鳴り声を上げられ、耳を塞ぎたくなる
白金さんの周りにいた人達に両腕を拘束されて、再び目の前に立たされる
怖いっ!!怖いって!!
今度こそ絶対殴られる
抵抗をしても、元から力のない僕が叶うわけがない
ていうか、何で僕は殴られることになってるんだろう…大男の共犯者とでも思われたのだろうか
眠りを妨げただけでこんな目に遭うなんて、眠っている犬の餌をとっていくおもちゃより何倍も怖いじゃないか
僕はあれでも周りに笑われるほどビビってるっていうのに
さっき引っ込んだ涙がまた僕の目の前を霞ませる
「前向いて」
白金さんの目の前に立たされた僕は恐怖で顔だけはずっと逸らしていた
だって、前を向いている状態で殴られたら余計に痛いかもしれない
せめてもの抵抗を見せて、顔を逸らすけどそれを周りの人たちは許さない
僕の顎が手のひらで掴まれて、強制的にむかされそうになった瞬間
白金さんがあの鋭い目つきを僕の顔を掴んだ人に向ける
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