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「んっ」

抑えきれなくなった声が漏れてしまい、静かな廊下に響いてしまう
臣は僕が口を抑えている手に上から包み込むように手を重ねてそっとその手を口元からどかす


「静かにしようね」


臣は僕の目の前に人差し指と中指の2本を立てると、その2本の指を上唇と下唇に置いた
少しだけ力を入れて口を開かせると、あろうことか2本の指を僕の口の中に差し込んだ


指が僕の舌の上にトントンと叩く


「お、みっ」

「苦しくない??」

「んっ」


声を出して返事をしようにも指を差し込まれているせいで言葉にならないため、少しだけ首を動かして縦に振ると指で舌を挟まれる


「千秋先輩の舌は薄いよね
だから舌が絡まりやすいのかな」


なぜ口の中を弄ばれているのか
臣はさらに口の中に入る指で僕の歯列を撫で始めた
まるで臣にキスをされている時のようで気持ちがいい



臣は僕の表情を熱を持った視線で見つめてくる
臣がそんな瞳で僕を見つめているというだけで身体は火照っていく



見つめ合っていると臣は突然、僕から視線を外し、口の中に入り込んでいた指も引き抜くと深呼吸をして天井を見上げた
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