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第2章 お稲荷様とふわふわスフレ
33.ミキサーのお礼
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結局、今週もこむぎの親を見つける事は出来なかったが、割と近くに盗賊の妖狐が棲んでいる事と、何やら物騒な妖怪がこむぎを奪おうとしている事が分かった。同一人物かは定かではない。
『ちょっと事態が複雑になってきたけど、こむぎが危ない目に合わない様に気を付けながら、彼らとコンタクトを取る方法を探さなくちゃな……』
『こむぎは家の中で匿っていれば、俺が家ごと守ってるから大丈夫だよ』
家に帰って豊月の話を共有すると、シュンがそう言って励ましてくれた。座敷童子の家を守る力はとても頼りになる。
一方で、畳の上でゴロゴロ横になっている方にも私は念を押した。
『神様もよろしくお願いしますね?』
『うむ。わしも家で一緒に美味しいご飯を食べながらすくすく育つぞ』
『貴方はこれ以上育たないでしょう……。それより、何かこういう時に協力してくれそうな神様の知り合いとか居ないんですか?』
『う~む。神界の付き合いは最近あまり無いからの~』
『基本ぼっち神ですもんね……』
神様は面倒臭がって年に一度の神謀りの会議すらサボろうとしていたので、確かに知り合いは少なそうだ。
『まあ、週末の夕方は豊月と巻物で連絡を取りつつ、真白と一緒に銀胡を探したり、奴等をおびき寄せたりしてみるしかないの~』
『パン屋さんは17時までですもんね。真白さんには悪いですけど、護衛が居ないと危険そうですし、協力して貰いましょう』
そうやって、こむぎの親探しについて当面の活動方針を立てた後、私はハンドミキサーを返却がてら、西原さんにもスフレをプレゼントしにお隣へ向かった。
『ちょっと事態が複雑になってきたけど、こむぎが危ない目に合わない様に気を付けながら、彼らとコンタクトを取る方法を探さなくちゃな……』
『こむぎは家の中で匿っていれば、俺が家ごと守ってるから大丈夫だよ』
家に帰って豊月の話を共有すると、シュンがそう言って励ましてくれた。座敷童子の家を守る力はとても頼りになる。
一方で、畳の上でゴロゴロ横になっている方にも私は念を押した。
『神様もよろしくお願いしますね?』
『うむ。わしも家で一緒に美味しいご飯を食べながらすくすく育つぞ』
『貴方はこれ以上育たないでしょう……。それより、何かこういう時に協力してくれそうな神様の知り合いとか居ないんですか?』
『う~む。神界の付き合いは最近あまり無いからの~』
『基本ぼっち神ですもんね……』
神様は面倒臭がって年に一度の神謀りの会議すらサボろうとしていたので、確かに知り合いは少なそうだ。
『まあ、週末の夕方は豊月と巻物で連絡を取りつつ、真白と一緒に銀胡を探したり、奴等をおびき寄せたりしてみるしかないの~』
『パン屋さんは17時までですもんね。真白さんには悪いですけど、護衛が居ないと危険そうですし、協力して貰いましょう』
そうやって、こむぎの親探しについて当面の活動方針を立てた後、私はハンドミキサーを返却がてら、西原さんにもスフレをプレゼントしにお隣へ向かった。
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