護堂先生と神様のごはん 幽霊屋台は薄暮を彷徨う

第2章 幽霊屋台を追いかけて

3.駄々っ子神

　今朝、朝食を摂りながら、私が宵山と取材に出掛ける事を伝えると、予想通り神様は「わしも行きたい！」と駄々をこね始めた。

　宵山には神様の姿が見えないので、狭い車内で我々の会話がギクシャクする事は明白であり、本当はすごく断りたかった。

　しかし、美味いラーメンと聞いて素直に引き下がる神様ではない。片付けや洗濯の間も、静電気を帯びたビニールみたいにしつこく私を追い回してくる。

　仮にも神様をそんなものに例えて良いのかは知らないが、とにかく引き剥がすのに苦労した点についてはご理解いただきたい。

　そんなこんなで断りきれない内に、結局宵山が車で家まで迎えに来てしまったのだった。