20 / 58
第一章
20.子育てスライム
しおりを挟む
『ふい~、ここら辺まで来たら大丈夫かな?』
「う、うん」
ボクは今、フェリに抱えられて町の広場まで来ていた。
なぜ抱えられてるのかっていうと、スライムがダッシュで跳ねてたら目立つから。
しかもフェリに抱えられることによって、ボクが安全なスライムであることのアピールになる。
更にフェリも、モンスターを抱えることによって変な輩から声を掛けられないで済む。
一石三鳥である! ふはははは!
『さて、これからどうしよっかー?』
「どう……?」
『ほら、ボクが一緒にいるっていっても、ボクスライムだからさ。フェリがちゃんと生活できるようにしてあげたいところなんだけど、ボク弱いし、他の人間と話せないし、お金も家も無いし。どうやって生計立てようかなーって』
「せいけい……」
『要するに、どうやってお金を稼いで、暮らす場所を手に入れるかってことね!』
「うん、お金と居場所、必要だと思う……」
『だよね!』
――ぽいんぽいん!
まずはお金かなぁ。
ボクは何でも食べられるし、ほとんど疲れないし、一人なら逃げるのもカンタン。
でも今はフェリと一緒だ。
なら、ちゃんと町で生きる方法を考えなきゃいけないよね。
といっても、ブラックスライムになって便利なスキルを覚えたけど、しょせんボクはスライム。
これでモンスターを狩りまくれるわけでもない。
スライムのボクが仕事に就けるわけもないし、フェリだって幼すぎて雇ってくれるところを探すのは大変だろうしなぁ……。
ん、待てよ?
二人セットなら……アリかもしれない!
『ねぇ、フェリ。冒険者登録しよっか!』
「ぼうけん者……モンスターとか、かる?」
『直接はあんまり倒せないかも。でも他にも細々とした依頼もあるし、ボクたちでも出来るものがあると思う。何より、「魔物遣い」としての身分証がもらえるよ!』
「テイマーって、マモノを使う人……? ぼく、使えないよ……?」
『ボクがいるじゃーん! ボクってば、冒険者の間じゃとっても重宝されるスライムなんだからねっ♪』
――ぷるるるんっ
そう、ボクが考えた作戦は、フェリをテイマーとして冒険者に登録して、ボクがブラックスライム(荷物持ち)として働くというものだ。
いわゆるポーターってやつだね。
戦闘では役に立たないけど、荷物持ちだけでも需要がある……はず!
少なくとも、子供が一人で働いたりスライムが一匹で狩りをするよりは、実入りが良いはずだよね。
それに、ちょっとずつでも実績を積めば、いつかフェリが一人立ちすることもできるかもしれないしね。
ボクは子供の将来をちゃーんと考える、賢き親スライムなのだ!
「ニイムは、ぼく使ってないよ? ニイムは……友、達……?」
そこ疑問符なのねっ!
いやまぁ、お互いがお互いの保護者のような、ビミョーな関係だけどさぁ~。
『そこは、えーと……ボクらのことを他の人にも分かりやすくするため、かな? テイマーとその従魔ってことにしておいたら、他の人たちがすぐ納得して安心してくれる。色んなことがスムーズになるよ!』
「そう、なんだ……。じゃあ、それでも良い」
『ようっし! じゃあ冒険者ギルドに行って登録しよう。たぶん、登録自体はボクたちでもできるはずだから』
「ん、わかった」
「う、うん」
ボクは今、フェリに抱えられて町の広場まで来ていた。
なぜ抱えられてるのかっていうと、スライムがダッシュで跳ねてたら目立つから。
しかもフェリに抱えられることによって、ボクが安全なスライムであることのアピールになる。
更にフェリも、モンスターを抱えることによって変な輩から声を掛けられないで済む。
一石三鳥である! ふはははは!
『さて、これからどうしよっかー?』
「どう……?」
『ほら、ボクが一緒にいるっていっても、ボクスライムだからさ。フェリがちゃんと生活できるようにしてあげたいところなんだけど、ボク弱いし、他の人間と話せないし、お金も家も無いし。どうやって生計立てようかなーって』
「せいけい……」
『要するに、どうやってお金を稼いで、暮らす場所を手に入れるかってことね!』
「うん、お金と居場所、必要だと思う……」
『だよね!』
――ぽいんぽいん!
まずはお金かなぁ。
ボクは何でも食べられるし、ほとんど疲れないし、一人なら逃げるのもカンタン。
でも今はフェリと一緒だ。
なら、ちゃんと町で生きる方法を考えなきゃいけないよね。
といっても、ブラックスライムになって便利なスキルを覚えたけど、しょせんボクはスライム。
これでモンスターを狩りまくれるわけでもない。
スライムのボクが仕事に就けるわけもないし、フェリだって幼すぎて雇ってくれるところを探すのは大変だろうしなぁ……。
ん、待てよ?
二人セットなら……アリかもしれない!
『ねぇ、フェリ。冒険者登録しよっか!』
「ぼうけん者……モンスターとか、かる?」
『直接はあんまり倒せないかも。でも他にも細々とした依頼もあるし、ボクたちでも出来るものがあると思う。何より、「魔物遣い」としての身分証がもらえるよ!』
「テイマーって、マモノを使う人……? ぼく、使えないよ……?」
『ボクがいるじゃーん! ボクってば、冒険者の間じゃとっても重宝されるスライムなんだからねっ♪』
――ぷるるるんっ
そう、ボクが考えた作戦は、フェリをテイマーとして冒険者に登録して、ボクがブラックスライム(荷物持ち)として働くというものだ。
いわゆるポーターってやつだね。
戦闘では役に立たないけど、荷物持ちだけでも需要がある……はず!
少なくとも、子供が一人で働いたりスライムが一匹で狩りをするよりは、実入りが良いはずだよね。
それに、ちょっとずつでも実績を積めば、いつかフェリが一人立ちすることもできるかもしれないしね。
ボクは子供の将来をちゃーんと考える、賢き親スライムなのだ!
「ニイムは、ぼく使ってないよ? ニイムは……友、達……?」
そこ疑問符なのねっ!
いやまぁ、お互いがお互いの保護者のような、ビミョーな関係だけどさぁ~。
『そこは、えーと……ボクらのことを他の人にも分かりやすくするため、かな? テイマーとその従魔ってことにしておいたら、他の人たちがすぐ納得して安心してくれる。色んなことがスムーズになるよ!』
「そう、なんだ……。じゃあ、それでも良い」
『ようっし! じゃあ冒険者ギルドに行って登録しよう。たぶん、登録自体はボクたちでもできるはずだから』
「ん、わかった」
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる