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第一章
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しおりを挟むここのところ、つかまり立ちの練習をして、だいぶ上達したと思う。
もう、あんなにプルプルしなくなったし、お尻も頭も持ち上げるコツを掴んだ。
次のステップは、伝い歩きだな。
横へ一歩足を動かすことが意外と難しいんだ。
んっっしょっとっ……。
うまくできたぞ!
と、気を抜いた途端、ぺしゃんとお座りしてしまう。
(む~~~! 難しいぞ?)
かつてない早さで、お座りやハイハイ、つかまり立ちまでものにしてきたが、筋力が追いついていないのだろうか…?
数ヶ月早いだけだが難しいものだな。
と、伝い歩きを失敗して、お座りをして考え事をしていたら、エマにお○○に座らされていた。
だから………………。違うって!!!
まあ、ついでだからしとこっか。
………………。
さて、スッキリしたところで仕切り直しだ。
ソファーに掴まって立ち上がる。
次に、横に脚を一歩、体重移動してから脚を引く……。
できたぁ…。
後ろで見守っていた、母とエマが声を出さずに喜び、クリスタがペチペチ手を叩いていた。
へへっ。嬉しいけれどちょっと照れ臭いな。
もうちょっと頑張ってみよう。
それから、僕はソファーを右に左に、おやつの時間まで伝い歩きをして過ごした。
その夜、昼間の伝い歩きの疲れで少しだるく感じながら、ベッドの上で考える。
あれから夜の読書タイムは続いている。
今日は、『本科・社会』が手元に物質転移してきた。
『本科・社会』は、この世界のことや、王国に限らず周辺諸国も合わせたざっくりとした地理という感じだった。
この世界の名は、リーファソールという。
三つの大陸があり、東の大陸、南の大陸、西北の大陸と呼ばれている。
東の大陸は、緑溢れる穏やかな気候。
南の大陸は、沿岸部はカラっとしているが、内陸部はリーファソール一の高山と砂漠が広がる。
西北の大陸は、南部に農業に適した気候と土壌を有するが、北部は雪と氷に覆われた厳しい土地である。
三大陸の他には、大小の島々が存在している。
大地には豊かな森が点在しているが、特に魔素の濃い広大な森がある。
東の大陸の中央部に一つ、南の大陸の北部沿岸部に一つ、西北の大陸の中央部西寄りに一つ。
大気中には魔素が存在し、生命あるものすべてが魔素を内包している。
なぜかはわかっていないが、魔素の濃い場所に魔獣が生まれることは知られている。
そして、特に魔素の濃い森には、特に強い魔獣が多く生息している。
それらの森は、昼なお暗く迷い込んだら生きて戻れないといわれており、深遠の森と呼ばれている。
この世界についてはこんな記述で終わっている。
僕にとっては、復習という感じだ。
リーファソールという世界と大陸に関しては、読み始めてスルッと引き出された記憶と照らし合わせても、あまり変わった部分はないようだった。
次いで国についても、ざっくりとした記述である。
東の大陸には、南半分を占めるアーレント王国、中央に西にシュモルケ王国、東にバルテン公国、北東部に創造神シャッフェンを主神として信仰する宗教国家オーディン、北西部に獣人の国アストラ王国がある。
他にも小国がいくつかあり、島々も独自の国を形成している。
南の大陸では、沿岸部を四つの国、内陸部を二つの国が分けている。
西北の大陸は、南部を三つの国で占め、北部は未開の地となっている。
『本科・社会』はこんな感じ。
アーレント王国の学院の教科書だからか、東の大陸以外は本当にざっくりとした書かれ方だった。
東の大陸の五つの国については、アーレント王国とバルテン公国は、獣人族も比較的多く住んでいるが、シュモルケ王国は人族至上主義、オーディンは人族の信仰している宗教国であるから、獣人族は住んでいないという。
やはり、世界が違っても種族の違いで争いはあるのだなと思った。
当時の東の大陸の国々に関しては、まだ記憶が甦ってこないため、全くわからないんだ。
過去生でも、同じ配置で同じ国が存在していたのかとか、知りたいけれども…。
冒険者になったらどこを拠点に活動しようかとか、今住んでいる国はどこだろうとか考えていたら、眠ってしまっていたらしい。
また、朝に慌てて本を片付けた。
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