129 / 146
第128話 自己否定
しおりを挟む
~ハルが異世界召喚されてから2年170日目~
追いかける。ホブゴブリンの背中を。
このホブゴブリンは人間の女性を痛め付け、自分に危機が降りかかると部下であるゴブリンを犠牲にして逃げていった。ハルはそんなホブゴブリンを痛め付けるようにして殺した。
今度は、地下の研究室で逃げていく老人の背中が見える。
『そこまでして生きたいのか?誰かを犠牲にしてまで……』
自分の声が聞こえた。そしてハルはファイアーボールを放ち老人を始末した。
そして、また今度は追いかける。屋敷内でハルに敵わないと思い、味方を犠牲にして逃げる男の背中を。
ハルはその男の背を一突きにして心臓を鷲掴みにし、握り潰した。
そしてまた、逃げていく者の背中を追いかけた。
今度の奴は中々すばしっこい。その者は自分が助かりたいが為に仲間を犠牲にして逃げていく。
ようやく追い付いた。
『死ね!糞野郎!』
ハルはその者を殺した。もうハルから逃げていく背中は見当たらない。
ふと最後に殺した者を見やると、それはハル自身だった。
「ガハァ!!…はぁ…はぁ……」
久し振りにこの夢を見た。
ハルの激しい息づかいで起きるフェルディナン。
「ん~?どうしたぁ?怖い夢でも見たか?」
ハルは両手で自分の肩を抱きながら怯えていた。
その様子を見たフェルディナンは自分が軽はずみに訊いたことを後悔した。
「ぉ…おい……大丈夫か?サムエル様に言って医者に見て貰った方が……」
ハルはフェルディナンの提案を手で制した。もう片方の手は胸に当てている。
フェルディナンはハルの様子を窺いながら仕度を済ませた。二人は畑へと向かった。
「なぁ~ハルはどうして奴隷になったんだ?」
フェルディナンが何の気なしに話し掛ける。
ハルは無言だ。
しかしフェルディナンはもう慣れっこだ。
構わず続ける。
「俺の場合は何回も話したよな?冒険者達に騙されちまったんだ!アイツら次あったらぶっ飛ばしてやる!」
フェルディナンは自分の拳を掌に打ち付けてパチンと鳴らした。
畑が見えるとそこに自警団のモヒカン男が立っている。
目が合うフェルディナン。
「あっ!お疲れ様です!!」
「お、おう。その、昨日は悪かったな…ぶっ叩いてよ……」
「全然気にしてないんで大丈夫ですよ!」
フェルディナンの要求が通り、畑付近にいたハウンド・ベアを討伐してもらえたのだ。また、ハルが無傷ということもあり、モヒカン男は処罰されたがそこまで重いものではなかった。
その処罰がこれだ。ハルとフェルディナンの畑を警備すること。自警団団長のラハブはなかなか粋なことをする。
「お、おう…お前は大丈夫なのか?」
モヒカン男はハルに話しかけた。
ハルは頷いた。
「なんかあったら言えよ?」
フェルディナンは礼を言って、モヒカン男は訓練へと向かった。
「すげぇ変わりようだな?」
フェルディナンの言葉に同意するハル。
「てかお前あんなにぶっ叩かれたのになんで無傷なんだよ?」
ハルは下を向いて黙った。首を縦にも横にもふらない。
「まぁ、あん時は俺も助かったわ!あんがとな!」
ハルは頷いた。
2人は仕事に取りかかった。
フェルディナンとハルをよく思っていない年上先輩奴隷達も自警団に嫌な思いをさせられていたようだったが、ハル達の一件で自警団達は奴隷に関わらないようになったようだ。
そのおかげで先輩奴隷達のフェルディナンとハルに対する態度も変わったようだ。
畑仕事に勤しむ2人。今日も精がでる。
─────────────────────
ねぇ?
みんなはない?こんな経験……
だって、小さい時からテレビやインターネット、小説や映画や漫画で見てきただろ?
悪者の姿ってやつを……
そんで自分はいつしか正義の味方になるんだって思わなかった?
或いは、何かしらのスーパースター、大金持ちになるんだって思わなかった?
それが無理なら普通の仕事をして、普通の生活をする。普通の大学を卒業して、普通の会社に就職して、普通の給料を貰って、普通の結婚をして、普通に子供を育てて……
そうなるって思わなかった?
僕は思ったよ?
でもさ、いざ自分に危機が降りかかると思ったことができないんだ。
困っている人がいれば助けるのが当たり前だろ?身をきってでも……
映画や小説や漫画の主人公達はいつだってそうしていたよね?
でも、僕には出来なかったんだ……
そんで、最悪なことをしてしまった。
物語に出てくる悪役ってさ?最近は悪役にも色んな哲学を持っていて魅力的な奴もいるけど、そうじゃない本当にグズみたいな奴いるじゃん?
え?例えば?
そうだなぁ、味方を裏切るとか?……あとは…嘘をつくとか?……あと……
誰かを犠牲にして自分だけが助かろうとする奴とか……
そう…それは僕だ。
こんな経験ない?
コイツだけにはなりたくないって思っていた奴に自分がなってしまった経験……
皆見てたでしょ?僕はクズみたいな奴等を躊躇なく殺していた。
じゃあ僕も死ぬべきかな……
でも死ぬ勇気がないんだ……
そんなことを考えていたらいつの間にか奴隷になってた。
情けないだろ?
僕を見下すだろ?
幻滅しただろ?
皆僕みたいになりたくないって思ったでしょ?
僕だって、こんな自分になりたくなかったよ!!
初めて……悪者の気持ちがわかったんだ……
僕は只、妄想していただけだった。夢を見ていただけなんだ…その夢からやっと覚めた……
そこは地獄だった……
四肢を裂かれた痛みは、もうとっくに消えた。
でも精神的な痛みはいつまでも消えないんだ!
よく聞くよね?この台詞?
でも本当なんだ!
初めて理解したよ……
この消えない痛みは僕にずっとつきまとう……
何度もさっきみたいな夢を見て、激痛を感じるんだ!
寝るのも怖くなったよ……
このままじゃ駄目だって思ったさ?
いつまでもくよくよしてるんじゃなくてさ、気の持ちようだとか価値観を変えろとか簡単に言うじゃん?
頑張って僕も立ち上がってみたさ!?
そしたら過去の僕が何度も殺しにやってきた!!
だって、正常になろうとすればするほど、過去の僕が今の僕を殺しに来るんだ!!
だってそうだろ?過去の僕が許せないような行動をとったんだから、正常だった過去の僕でいようとすると今の僕を過去の僕が罰してくるんだ!!
お前は最低なことをした悪党だって!お前は生きてちゃダメなんだって!
そう思うのが正常な僕なんだから。
やがて考えるのを辞めたよ。
そうしていると楽なんだ……
指をさして笑ってよ?
誰か僕を罰してよ?
誰か僕を…殺してよ……
僕はどうしてこの世界にいるの?
父さん……母さん……
僕を……助けてよ……
追いかける。ホブゴブリンの背中を。
このホブゴブリンは人間の女性を痛め付け、自分に危機が降りかかると部下であるゴブリンを犠牲にして逃げていった。ハルはそんなホブゴブリンを痛め付けるようにして殺した。
今度は、地下の研究室で逃げていく老人の背中が見える。
『そこまでして生きたいのか?誰かを犠牲にしてまで……』
自分の声が聞こえた。そしてハルはファイアーボールを放ち老人を始末した。
そして、また今度は追いかける。屋敷内でハルに敵わないと思い、味方を犠牲にして逃げる男の背中を。
ハルはその男の背を一突きにして心臓を鷲掴みにし、握り潰した。
そしてまた、逃げていく者の背中を追いかけた。
今度の奴は中々すばしっこい。その者は自分が助かりたいが為に仲間を犠牲にして逃げていく。
ようやく追い付いた。
『死ね!糞野郎!』
ハルはその者を殺した。もうハルから逃げていく背中は見当たらない。
ふと最後に殺した者を見やると、それはハル自身だった。
「ガハァ!!…はぁ…はぁ……」
久し振りにこの夢を見た。
ハルの激しい息づかいで起きるフェルディナン。
「ん~?どうしたぁ?怖い夢でも見たか?」
ハルは両手で自分の肩を抱きながら怯えていた。
その様子を見たフェルディナンは自分が軽はずみに訊いたことを後悔した。
「ぉ…おい……大丈夫か?サムエル様に言って医者に見て貰った方が……」
ハルはフェルディナンの提案を手で制した。もう片方の手は胸に当てている。
フェルディナンはハルの様子を窺いながら仕度を済ませた。二人は畑へと向かった。
「なぁ~ハルはどうして奴隷になったんだ?」
フェルディナンが何の気なしに話し掛ける。
ハルは無言だ。
しかしフェルディナンはもう慣れっこだ。
構わず続ける。
「俺の場合は何回も話したよな?冒険者達に騙されちまったんだ!アイツら次あったらぶっ飛ばしてやる!」
フェルディナンは自分の拳を掌に打ち付けてパチンと鳴らした。
畑が見えるとそこに自警団のモヒカン男が立っている。
目が合うフェルディナン。
「あっ!お疲れ様です!!」
「お、おう。その、昨日は悪かったな…ぶっ叩いてよ……」
「全然気にしてないんで大丈夫ですよ!」
フェルディナンの要求が通り、畑付近にいたハウンド・ベアを討伐してもらえたのだ。また、ハルが無傷ということもあり、モヒカン男は処罰されたがそこまで重いものではなかった。
その処罰がこれだ。ハルとフェルディナンの畑を警備すること。自警団団長のラハブはなかなか粋なことをする。
「お、おう…お前は大丈夫なのか?」
モヒカン男はハルに話しかけた。
ハルは頷いた。
「なんかあったら言えよ?」
フェルディナンは礼を言って、モヒカン男は訓練へと向かった。
「すげぇ変わりようだな?」
フェルディナンの言葉に同意するハル。
「てかお前あんなにぶっ叩かれたのになんで無傷なんだよ?」
ハルは下を向いて黙った。首を縦にも横にもふらない。
「まぁ、あん時は俺も助かったわ!あんがとな!」
ハルは頷いた。
2人は仕事に取りかかった。
フェルディナンとハルをよく思っていない年上先輩奴隷達も自警団に嫌な思いをさせられていたようだったが、ハル達の一件で自警団達は奴隷に関わらないようになったようだ。
そのおかげで先輩奴隷達のフェルディナンとハルに対する態度も変わったようだ。
畑仕事に勤しむ2人。今日も精がでる。
─────────────────────
ねぇ?
みんなはない?こんな経験……
だって、小さい時からテレビやインターネット、小説や映画や漫画で見てきただろ?
悪者の姿ってやつを……
そんで自分はいつしか正義の味方になるんだって思わなかった?
或いは、何かしらのスーパースター、大金持ちになるんだって思わなかった?
それが無理なら普通の仕事をして、普通の生活をする。普通の大学を卒業して、普通の会社に就職して、普通の給料を貰って、普通の結婚をして、普通に子供を育てて……
そうなるって思わなかった?
僕は思ったよ?
でもさ、いざ自分に危機が降りかかると思ったことができないんだ。
困っている人がいれば助けるのが当たり前だろ?身をきってでも……
映画や小説や漫画の主人公達はいつだってそうしていたよね?
でも、僕には出来なかったんだ……
そんで、最悪なことをしてしまった。
物語に出てくる悪役ってさ?最近は悪役にも色んな哲学を持っていて魅力的な奴もいるけど、そうじゃない本当にグズみたいな奴いるじゃん?
え?例えば?
そうだなぁ、味方を裏切るとか?……あとは…嘘をつくとか?……あと……
誰かを犠牲にして自分だけが助かろうとする奴とか……
そう…それは僕だ。
こんな経験ない?
コイツだけにはなりたくないって思っていた奴に自分がなってしまった経験……
皆見てたでしょ?僕はクズみたいな奴等を躊躇なく殺していた。
じゃあ僕も死ぬべきかな……
でも死ぬ勇気がないんだ……
そんなことを考えていたらいつの間にか奴隷になってた。
情けないだろ?
僕を見下すだろ?
幻滅しただろ?
皆僕みたいになりたくないって思ったでしょ?
僕だって、こんな自分になりたくなかったよ!!
初めて……悪者の気持ちがわかったんだ……
僕は只、妄想していただけだった。夢を見ていただけなんだ…その夢からやっと覚めた……
そこは地獄だった……
四肢を裂かれた痛みは、もうとっくに消えた。
でも精神的な痛みはいつまでも消えないんだ!
よく聞くよね?この台詞?
でも本当なんだ!
初めて理解したよ……
この消えない痛みは僕にずっとつきまとう……
何度もさっきみたいな夢を見て、激痛を感じるんだ!
寝るのも怖くなったよ……
このままじゃ駄目だって思ったさ?
いつまでもくよくよしてるんじゃなくてさ、気の持ちようだとか価値観を変えろとか簡単に言うじゃん?
頑張って僕も立ち上がってみたさ!?
そしたら過去の僕が何度も殺しにやってきた!!
だって、正常になろうとすればするほど、過去の僕が今の僕を殺しに来るんだ!!
だってそうだろ?過去の僕が許せないような行動をとったんだから、正常だった過去の僕でいようとすると今の僕を過去の僕が罰してくるんだ!!
お前は最低なことをした悪党だって!お前は生きてちゃダメなんだって!
そう思うのが正常な僕なんだから。
やがて考えるのを辞めたよ。
そうしていると楽なんだ……
指をさして笑ってよ?
誰か僕を罰してよ?
誰か僕を…殺してよ……
僕はどうしてこの世界にいるの?
父さん……母さん……
僕を……助けてよ……
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
【完結】投げる男〜異世界転移して石を投げ続けたら最強になってた話〜
心太
ファンタジー
【何故、石を投げてたら賢さと魅力も上がるんだ?!】
(大分前に書いたモノ。どこかのサイトの、何かのコンテストで最終選考まで残ったが、その後、日の目を見る事のなかった話)
雷に打たれた俺は異世界に転移した。
目の前に現れたステータスウインドウ。そこは古風なRPGの世界。その辺に転がっていた石を投げてモンスターを倒すと経験値とお金が貰えました。こんな楽しい世界はない。モンスターを倒しまくってレベル上げ&お金持ち目指します。
──あれ? 自分のステータスが見えるのは俺だけ?
──ステータスの魅力が上がり過ぎて、神話級のイケメンになってます。
細かい事は気にしない、勇者や魔王にも興味なし。自分の育成ゲームを楽しみます。
俺は今日も伝説の武器、石を投げる!
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~
美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。
貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。
そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。
紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。
そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!?
突然始まった秘密のルームシェア。
日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。
初回公開・完結*2017.12.21(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2020.02.16
*表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる