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僕は新米神様
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綺麗……。
それが、目を開けた僕の口から出た最初の言葉。目の前に広がるどこまでも続く宇宙空間。黒いこの場所で白、赤、緑と輝く星に思わず呟いた。
《ふふ。ありがとう、綺麗と言ってくれて》
直接、頭の中に声が響き、僕は周囲を見回した。しかし、声の主の姿はなく、まるで録音した声を再生しているかのように淡々と言葉が続けられる。
《君に新しい星を任せる。周囲の星は、それら一つずつに君より先に生まれた神が世界を作ってる。だからその星はもう君のだ。では任せたよ》
その言葉が消えたと同時に、目の前に小さな光が生まれ、徐々に輝きは増していった。輝きが収まってから目を開けると、小さな光があった場所に一つの星があった。大きさは僕の頭程。そして前世で見た宇宙図鑑にある地球そのもの。宇宙空間という初めて訪れた場所で、突然聞こえた声に恐怖と驚きで緊張していた僕は、前世で見た事のある星に安心した。
目の前の星に触れると、シュンと吸い込まれる。
僕は転生して、神様の仲間入りをした喜びとこれからの不安を抱えながら、神界へと踏み入った。
まず初めに生み出したのは、魔素。
そして、妖精。妖精は好奇心でのみ行動する。言語に理解を示すが、発することは無い。
手の平に魔素を集めると複数の妖精が集まり一つになって精霊が生まれた。念話で意思疎通を行う下位の精霊で、無属性の魔術を扱う。この下位精霊を六体作り出し、闇・光・火・水・土・風の六属性を与えると、眩い光に包まれて上位精霊へと姿を変えた。特徴は半透明の羽があるかどうかと、念話ではなく口から言葉を発するかでわかる。それぞれの属性色の服を着ており非常にわかりやすい。
属性を持った霊体である上位精霊に、神属性の魔素を与えると、大精霊へと姿を変えた。
属性ごとにその姿は様々で、闇の大精霊なら鳥のような漆黒の翼に、額から伸びる二本の角。
光の大精霊なら鳥のような翼でありながら、しかし漆黒ではなく純白の翼で頭上に薄黄色の輪っかがあった。
火の大精霊なら燃える炎の髪をゆらゆらさせた、元気いっぱいのやんちゃ坊主感あふれる少年。
水の大精霊なら上半身が男性で下半身が海龍になっており、マーメイドというよりもマーマンだ。腰の辺りに水の魔術で出来た浮き輪があり、ぷかぷかと浮かんでいる。
土の大精霊は子供のような低身長のドワーフ。身長は低いが職人であり大酒飲みで、「一度決めたことは最後までやり通さなければ!!」という思考を持つ頑固者。
最後に風の大精霊だが、悪魔・天使・化身・人魚・ドワーフとくれば異世界もののパターンではハイエルフしかない。自然を愛し、特に精霊が集う精霊樹の元で生きようとするハイエルフは皆、美形で仲間意識が強い。
彼らを全ての属性を持った大精霊を一つにした霊体が精霊王……と流れるように精霊を生み出していった。そして、精霊王の背後に六属性の大精霊が跪き、神である僕の言葉に耳を傾けた。
「君たちにはそれぞれの場所で過ごしてもらう。精霊王は精霊界、闇の大精霊は魔界、光の大精霊は天界、火の大精霊は火山地帯、土の大精霊は大地、水の大精霊は海、風の大精霊は精霊樹を中心に世界各地の森」
『はい!』
「うーん、上位精霊だけだと寂しいから新たな種族を生み出すよ」
僕は、上位精霊から異なる性別の種族を生み出していった。
闇属性から天陰族、光属性から天陽族、火属性から龍族、水属性から魚人族、土属性からドワーフ族、風属性からハイエルフ族、精霊ではない人族を生み出した。
神様に転生してすぐに動き過ぎた為か、眠気に襲われた。
精霊王、六属性大精霊、派生種族、人族を世界各地に散らばるように配置し、一仕事終えた僕は神界でしばしの眠りについた。
まさか、少しの居眠りで千五百年経っているとは思わなかった。
それが、目を開けた僕の口から出た最初の言葉。目の前に広がるどこまでも続く宇宙空間。黒いこの場所で白、赤、緑と輝く星に思わず呟いた。
《ふふ。ありがとう、綺麗と言ってくれて》
直接、頭の中に声が響き、僕は周囲を見回した。しかし、声の主の姿はなく、まるで録音した声を再生しているかのように淡々と言葉が続けられる。
《君に新しい星を任せる。周囲の星は、それら一つずつに君より先に生まれた神が世界を作ってる。だからその星はもう君のだ。では任せたよ》
その言葉が消えたと同時に、目の前に小さな光が生まれ、徐々に輝きは増していった。輝きが収まってから目を開けると、小さな光があった場所に一つの星があった。大きさは僕の頭程。そして前世で見た宇宙図鑑にある地球そのもの。宇宙空間という初めて訪れた場所で、突然聞こえた声に恐怖と驚きで緊張していた僕は、前世で見た事のある星に安心した。
目の前の星に触れると、シュンと吸い込まれる。
僕は転生して、神様の仲間入りをした喜びとこれからの不安を抱えながら、神界へと踏み入った。
まず初めに生み出したのは、魔素。
そして、妖精。妖精は好奇心でのみ行動する。言語に理解を示すが、発することは無い。
手の平に魔素を集めると複数の妖精が集まり一つになって精霊が生まれた。念話で意思疎通を行う下位の精霊で、無属性の魔術を扱う。この下位精霊を六体作り出し、闇・光・火・水・土・風の六属性を与えると、眩い光に包まれて上位精霊へと姿を変えた。特徴は半透明の羽があるかどうかと、念話ではなく口から言葉を発するかでわかる。それぞれの属性色の服を着ており非常にわかりやすい。
属性を持った霊体である上位精霊に、神属性の魔素を与えると、大精霊へと姿を変えた。
属性ごとにその姿は様々で、闇の大精霊なら鳥のような漆黒の翼に、額から伸びる二本の角。
光の大精霊なら鳥のような翼でありながら、しかし漆黒ではなく純白の翼で頭上に薄黄色の輪っかがあった。
火の大精霊なら燃える炎の髪をゆらゆらさせた、元気いっぱいのやんちゃ坊主感あふれる少年。
水の大精霊なら上半身が男性で下半身が海龍になっており、マーメイドというよりもマーマンだ。腰の辺りに水の魔術で出来た浮き輪があり、ぷかぷかと浮かんでいる。
土の大精霊は子供のような低身長のドワーフ。身長は低いが職人であり大酒飲みで、「一度決めたことは最後までやり通さなければ!!」という思考を持つ頑固者。
最後に風の大精霊だが、悪魔・天使・化身・人魚・ドワーフとくれば異世界もののパターンではハイエルフしかない。自然を愛し、特に精霊が集う精霊樹の元で生きようとするハイエルフは皆、美形で仲間意識が強い。
彼らを全ての属性を持った大精霊を一つにした霊体が精霊王……と流れるように精霊を生み出していった。そして、精霊王の背後に六属性の大精霊が跪き、神である僕の言葉に耳を傾けた。
「君たちにはそれぞれの場所で過ごしてもらう。精霊王は精霊界、闇の大精霊は魔界、光の大精霊は天界、火の大精霊は火山地帯、土の大精霊は大地、水の大精霊は海、風の大精霊は精霊樹を中心に世界各地の森」
『はい!』
「うーん、上位精霊だけだと寂しいから新たな種族を生み出すよ」
僕は、上位精霊から異なる性別の種族を生み出していった。
闇属性から天陰族、光属性から天陽族、火属性から龍族、水属性から魚人族、土属性からドワーフ族、風属性からハイエルフ族、精霊ではない人族を生み出した。
神様に転生してすぐに動き過ぎた為か、眠気に襲われた。
精霊王、六属性大精霊、派生種族、人族を世界各地に散らばるように配置し、一仕事終えた僕は神界でしばしの眠りについた。
まさか、少しの居眠りで千五百年経っているとは思わなかった。
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