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第50話 女神様と再び話そう

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 あと五日で呪いを解くスキルかレベルを上げる……時間がないので……。

「まだ帰りませんよ? 話すことはまだありますよね?」
「そうですね……焦ってもしょうがいないですね」

 せっかく来て頂いているのだから可能な限り相談しよう。

「私に相談しなくても自ら答えに辿り着くと思いますけどね。ニコ、果物の飲み物とお菓子」

 冷蔵庫にジュースがあったのでグラスに注ぎ、焼き菓子を持って戻る。

「相変わらず反応の速さはいいですね」
「せっかく女神様に来て頂いているのですから当然ですよ」
「ニコは察する能力に振れ幅がありますよね……二つ、アドバイスしましょう」

 振れ幅……ですか。

「はい、鋭い時との差は激しいですよ」

 鈍い……ですか。そうですか。


「先ず一つ目。「学習ドリル」とは何かを考えた事がありますか?」
「学習ドリル……予習と復習用の教材、としか分かりません」
「それも正しいですね。ドリルとは『ドリル学習』と呼ばれる反復学習です」

 反復学習……考える事は必要だけれど繰り返す事で身につけていく学習法……あれ?

「名称や公式を忘れていたら解くことは出来ない、なんてドリル学習の意図とは違う……ですよね」
「そう。だとしたら?」

 そうか……すっかり忘れていた。

「教科書か参考書を頂く事はできますか?」

 地図記号が思い出せなくて悩んだ時間はドリル学習では意味を成さない。

「ようやく気付きましたね。いいですよ。自身のレベル一つ消費で十二時間、解答以外の資料を読めるようにします。そしてドリルと資料はどちらかだけ読めるように制限はかけます。書き写しは出来ません」

 最初から考えて頂いていていたのでしょうね。

「ありがとうございます! 女神様!」
「それくらいは当然です」

 ドヤ顔……いえ「ようやく気付いたか!」という顔ですね。

「二つ目、先日採取した薬草ないしは作られた薬は少しでも入手しておきなさい」
「薬も使う、って事ですか?」
「不測の事態……に備えて、です」
「女神様でも不測な事ってあるのですか」
「ありますよ。いくらでも。神は預言をしないのですから」
「そうですよね。すいません」
「謝る必要はないですが、ジュースのおかわり」

 ボトルごと持って戻り、グラスに注ぐ。

「三つ目、もっと人を見て頼る事。先日はとても良かったです」
「そういえば『鑑定』で表示内容が変わっていました」
「そう。状況や行動により変わっていきます。ニコ、見逃しを追いかける事で色々と分かるでしょう」
「分かりました!」

 スキル『鑑定』

>女神様:何を見ている!? 見るべき相手が違います。

 怒られる!?

「そんな事では怒りませんよ? むしろ見なさいと言っているので大丈夫です」
「よかったです!」


 その後は女神様の居られる時間いっぱい、アニメや漫画の話しをした。

「それにしてもニコは転生モノの主人公の典型だな」

 と言われた。

「そうですか? 本物の転生者なので自覚はありますけど、無双も出来ないし、皆さんから良くして頂いていますが恋愛要素は皆無ですよね!? ご飯をしっかり食べろと言う幼馴染と最近は姉貴分が三人増えましたけど……」

 僕は彼らのような主人公にはなれないと思う。

「うん、やはりニコは鈍感だ」


 鈍感? 僕って鈍感主人公ですか!? 見に覚えはないですよ!?
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