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相談の続き(1)

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「その………申し訳ございません。少々脅しといいますか、親友のアーニャに伯爵がよからぬことをせぬよう釘を刺すと言いますか、剣を使いました」

 私は正直に告白した。王太子閣下は驚いた表情で私を見つめた。ハイベリー宮殿の豪華な執務室が急に暑くなったように感じた。私の脇を汗がつたう。

 ――王太子閣下にはあまり話したくない話題なのだけれども。

「だからあの時は剣を?」

 王太子閣下は私に聞いてきた。私がうなずくのを見て、王太子閣下は無言で押し黙った。

 ――王太子閣下は最近イーサンに私が何をされかけたのかはご存じない。けれども、私が離婚に至るまでに非常に嫌な思いをしたのはご存じだわ。

「わかった」

 王太子閣下は吹っ切れた表情で私にしっかりとうなずいた。一瞬だけ少し拗ねたような表情を見せた様子が気になったけれども。

「なるほど一体何をしたのか、キャロル、後で私にも見せてくれるかな?」
「え……?」

 驚く私に王太子閣下は頬を緩めて、イタズラっぽい表情になった。

「かしこまりました」
「よし。ではマイロも賛同してくれているし、アンソニー、ウォルター・スコット隊長ともよく相談して進めてもらえないだろうか。法的な整備はマイロ、君にも手伝って欲しい。職業訓練教室自体の責任者はジョージ・ブルーデネルと王太子妃だ」

 アンソニー・クーパー隊長は少し不服そうな表情ではあったものの、「かしこまりました」と王太子閣下にうなずいてくれた。
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