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後始末(2)

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「マイロ、午後になったら、もう一度契約書を持ってこちらに来ていただけるかしら?馬車を用意してお待ちしておりますわ」
「かしこまりました。王太子妃様」

 マイロは承諾してくれた。

 私はマイロを部屋から送り出し、従者が彼を宮殿の外に案内している後ろ姿を眺めながら、ハイベリー宮殿から外に出た。

「王太子妃さま!どこへ?」

 マリアが慌てて私を追ってきた。

「騎士団のところよ」
「なぜ騎士団のところへ行かれるのです?」
「ちょっと習いたいことがあるのよ」

「何を?と言いたいところでござすが、お嬢様、私からお聞きしたいことがあります。いつの間に、剣の使い方などを習得されたのでしょう?」

 マリアは小声で、私を昔の呼び名で呼んで聞いてきた。

「習っていないわ。これから習うのよ」
「え?」
「ふふっ」
「ふふっじゃないですよっ!どういう意味ですか?」

 マリアが意味不明だといった表情を浮かべて追ってくるので、私は小走りに宮殿の騎士団の詰め所に向かった。ハイベリー宮殿からは、メインの城に向かうのと同じぐらい詰め所までは距離があった。

「王太子妃さまっ!お待ちあそばせっ!」

 マリアも血相を変えて追ってきた。剣の使い方を教えてもらいたいのだというと、きっとマリアは止めるだろう。私は城の庭を小走りに急いで駆けながら、剣ぐらいは扱えるようになりたいと願った。
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