上 下
102 / 171

会長チェスターの帰還(2)

しおりを挟む
 俺は非常に気分が良くなり、思い出し笑いをした。

「会長もうまく演じられて、気分いいでしょ?さあ、帰って休もう。明日はオフだからゆっくりできるよ」
「そうだな。帰ろうか」

 今回、俺は飛ぶ鳥落とす勢いで勢力を拡大しつつある世界的巨大配信プラットフォームを持つ会社から、ドラマの主役にオファーされた。しかし、相手役に決まった世界的大スターの女優に対して、恋愛要素を含む場面以外は完璧なのに、肝心の恋愛に特化した場面だけは苦手でずっと苦戦していた。キャロラインのおかげで今日はその一つがうまく行った。胸のつかえが取れて気持ちが晴れたような気分だった。

「リョウタ、明日はスパーリングな」
「おう」

 リョウタは俺の荷物を持ちながら先を歩いていたが、片手をあげて合図をしてくれた。リョウタの足取りも軽く、かなりご機嫌だ。

 ――今日、帰ったら、貴族の衣装のことを研究するかな。今度入れ替わった時は、もっと派手なアクションをやりたいから……あんな豪華絢爛なドレスを着た状態で、どうやったら格闘技を一発で鮮烈に決められるか研究しておくか。もっと練習したら、きっと俺は鮮烈かつ華麗に決められるぞ。なんだか楽しくなってきたなぁ。

 ――そういえば、キャロラインの衣装にそっくりなドレスを、あのビッグスターの女優はいつもきているな……あれを借りて、格闘技を繰り広げる練習をしてみたいなぁ。

 俺の気分も上々で、俺はスタジオをリョウタと共に後にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

逆行したようなので、今度は愛が重すぎる騎士様とは別々の人生を歩みたいのですが。

能登原あめ
恋愛
* R18です。シリアスのため、タグにご注意下さい。元サヤものです。  私、レイチェルは憧れていた騎士のロルフ様と結婚して、それはそれは幸せに暮らしていました。  毎晩甘く囁かれ、明け方まで愛を深め合いました。  そのまま2人きりの生活が10年続き、いつの間にか私は行動を制限されて息苦しさを感じるようになりました。  ロルフ様は重たい愛を押しつける夫に変化していました。  ある日、夫に恋した公爵令嬢との諍いの最中、死を覚悟しました。 『これで、あの恐ろしい執着から解放されるのですね』    私が次に目が覚めた時、ロルフ様と出会う前の17歳に戻っていました。  私、今度は穏やかで陽だまりのような方と結婚させていただきます!  そう決意しましたのに一体何が起こっているのでしょう?  どうしてまた彼と関わることになるのでしょうか。    逆行もの書いたことがなかったので、スタートはヤンデレさんで書いてみました。  人によってはホラーに感じるかもしれない溺愛で絡め取られる話です。  敬語で話すもだもだしたヒロインです。Rシーンも敬語一人称。シリアスな雰囲気です。笑いは1ミリもありません。   * Rシーンには※マークつけます。 * 全16話+おまけ * 作者ポンコツのため、ふりがな多めです。 * コメント欄のネタバレ配慮はざっくりしてますので、お気をつけ下さい。 * 表紙はCanvaさまで作成した画像を使用しております。

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

騎士団長の欲望に今日も犯される

シェルビビ
恋愛
 ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。  就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。  ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。  しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。  無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。  文章を付け足しています。すいません

ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~

柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。 その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!  この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!? ※シリアス展開もわりとあります。

つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福

ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡 〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。 完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗 ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️ ※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。

処理中です...