夫である伯爵に裏切られましたが、王家に輿入れすることになりました

王太子閣下の告白（２）

「でも、このことを公にすれば妻が傷つきます」

「この前は私もそう思った。だが、君たちは続いている。二人とも彼女を裏切り続けている」
「それはその通りです」

　私は唇を噛み締めた。王太子閣下に、イーサンとアーニャの逢瀬を再び見抜かれたのだ。

「彼女に指一本触れていないことを誓えるのか？命をかけて彼女の純潔を保証できるのか？」
「指一本触れていないと誓えます。私は妻の純潔を保証できます」

「なら離縁したまえ。私が彼女をもらう」
「今なんと？」
「私がキャロラインをもらう」
「えっ！？」

　私もひっくり返りそうな衝撃で、一瞬頭が追いつかなかった。

　――王太子閣下が私をもらうとは、どういう意味なのかしら？

「私ならキャロラインを幸せにできる」
「なんとっ？」

　私は王太子のあまりの告白に血の気が引いた。