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2幕 富士山大魔神を起こすのは、一体誰か?
第33話 イランで2戦目(ゴッドライの分身術の結果)
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私たちは、スクータでボッジョの城を後にした。
「ゴッドライの初戦は完敗だったね。」
「分身の術を仕込んだらどうだ?」
「いいねー!」
タクロー、冴子、綺羅介、冴衞門はそんなことを話し合いながら、草原に隠しておいた幌馬車に乗り込んだ。
私は、五十人のプロファイタープロレスラーをコントロールして、イランに入国すべく、夜空を飛んで幌馬車を進めた。私の隣で支配者貧乏大魔神は考え込んでいるようだった。
草原では、再び巨人が襲って来たが、「わ・た・し・が、華取火鳥だ!」の技で、私は剣を使って奴を追い払った。時間がない。ここで時間を食うわけにはいかなかった。
経路に閉じ込めたボッジョは、秘密公安に引き渡した。手を引いているのが、ロシアならば、ボッジョはまもなく解放されるだろう。
それを見越して、冴衞門は、経路に引きずり混んだ時、追跡チップをボッジョの体につけていた。
今のところ、ボッジョは、秘密公安で大人しくしているようだ。ということは、裏で画策したのはロシアではなさそうだ。
朝方、イランについた。私たちは、再びプロファイタープロレスラーと幌馬車を草原にかくし、透明スクーターに乗って、イランに入国した。
ミネルバ・ベッキータリは、湖の上にポツンと立つ古城に住んでいた。ボッジョもミネルバもご立派な古城に住んでいて、私たちはイライラした。
悪事を働く奴は、どうしてこうも揃いも揃って住居がご立派過ぎるのか。金が必要なタイプかもしれない。
私たちはスクーターをバルコニーに密かに置き、窓から侵入した。
ミネルバ・ベッキータリは、朝ヨガの真っ最中らしく、広間でポーズを取っていた。
「ゴッドライ、出場!」
私は隠れて小声で皆に合図した。私たち全員が魔法陣をそれぞれ作った。
綺羅介は袂からきらきら光るサイコロ石を取り出して、素早く宙に投げた。そして、特殊な勾玉もサイコロ石に向かって、投げ込んだ。
サイコロ石が、黄色のメタリックボディの魔神機動戦士に変形した。その後、ゆっくりと分身を始めた。レッド、ブルー、シルバー、ゴールド、ピンク、グリーン、ブラウン、ホワイト、ブラック、紫の合計10体に華麗に分身した。
すごい進歩だ。
計画通り、シルバーが支配者貧乏大魔神、ゴールドを私が操作した。
綺羅介が黄色と紫、冴衞門がホワイトとブラック、タクローがピンクとブラウン、冴子がレッドとグリーンを魔法陣で操った。
十体の魔神機動戦士は一気にミネルバに襲いかかった。
「やだ!いた!」
支配者貧乏大魔神が情けない悲鳴をあげた。
「なにこれ!えい!きゃー痛い・・・」
「姉貴、しっかりやってよ!」
「痛い・・・」
支配者貧乏大魔神のシルバーと、私が操作するゴールドが早くも離脱して、ミネルバの攻撃に耐えられずに、あっけなく床に落下したまま動かなくなった。
「クッソ!」
タクローも冴衞門も小さな声を短くあげながら、魔法陣を操作しまくっていたが、敢えなくミネルバの前に敗れた。ホワイト、ブラック、ピンク、ブラウンも床に落下し、ピクリとも動かなくなった。
「ぎゃあ!!!!!!!!!」
「うお!!!!!!!!」
「冴ちゃん?」
意外にも意外、冴子はアイドル並の可愛い顔を歪めて、すごい勢いで魔法陣を操作して、レッドとグリーンの魔神機動戦士を華麗に操っていた。ミネルバは、冴子の操作するレッドとグリーンに翻弄されていた。
可愛い顔に似合わず、ガタイが非常に良いので、肩を丸めて屈んですごい姿勢で魔法陣を操作する様は、本当に異様な光景だった。
「おのれー!」
綺羅介の操作する黄色と紫の魔神起動戦士も、負けじとミネルバに攻撃を仕掛けていた。
「あれ?冴ちゃんのレッドとグリーンの魔神起動戦士、攻撃力1万超えてる!」
タクローが気づいて、小さく叫んだ。
「おお・・・」
チーム一同、冴子の意外な才能に驚愕した。
二戦目のミネルバとの戦いでは、10分はゴッドライは耐えた。初戦で3分と持たなかったことに比べれば、大いなる進歩だ。
最後の綺羅介の黄色のメタリックボディが床に沈むや否や、私は剣を構えて飛び出した。
「ミネルバ、覚悟しなさい!」
私は剣をミネルバの首にかけた。
「誰が富士山大魔神を起こそうとしたのか、白状して!」
「クッソ。お前かー。」
ミネルバ・ベッキータリは、短くうめいた。
「ボッジョはあんたに誘われたと、白状したわよ。」
「白状しないと、あんた、一生経路から出てこれないわよ。」
私はミネルバに言い放った。
で、前回の流れの通り、ヤクザの本性をタクローがこれでもかと全開にした。
ミネルバが渋々吐いた名前は、容疑者リストの五番目に乗っていた魔神だった。
「ドロ・ケンジだ。」
日本の魔神だ。
冴衞門がミネルバに飛びかかり、経路に引き摺り込んで奴を閉じ込めた。
「姉さん、公安に連絡して。」
「了解。」
私たち一同は心なしか沈んだ表情で、スクーターに乗って、ミネルバの城を後にした。
よりにもよって、日本の魔神が、富士山大魔神を起こそうと画策する計画に乗ることが、信じられない気持ちだった。
「ゴッドライの初戦は完敗だったね。」
「分身の術を仕込んだらどうだ?」
「いいねー!」
タクロー、冴子、綺羅介、冴衞門はそんなことを話し合いながら、草原に隠しておいた幌馬車に乗り込んだ。
私は、五十人のプロファイタープロレスラーをコントロールして、イランに入国すべく、夜空を飛んで幌馬車を進めた。私の隣で支配者貧乏大魔神は考え込んでいるようだった。
草原では、再び巨人が襲って来たが、「わ・た・し・が、華取火鳥だ!」の技で、私は剣を使って奴を追い払った。時間がない。ここで時間を食うわけにはいかなかった。
経路に閉じ込めたボッジョは、秘密公安に引き渡した。手を引いているのが、ロシアならば、ボッジョはまもなく解放されるだろう。
それを見越して、冴衞門は、経路に引きずり混んだ時、追跡チップをボッジョの体につけていた。
今のところ、ボッジョは、秘密公安で大人しくしているようだ。ということは、裏で画策したのはロシアではなさそうだ。
朝方、イランについた。私たちは、再びプロファイタープロレスラーと幌馬車を草原にかくし、透明スクーターに乗って、イランに入国した。
ミネルバ・ベッキータリは、湖の上にポツンと立つ古城に住んでいた。ボッジョもミネルバもご立派な古城に住んでいて、私たちはイライラした。
悪事を働く奴は、どうしてこうも揃いも揃って住居がご立派過ぎるのか。金が必要なタイプかもしれない。
私たちはスクーターをバルコニーに密かに置き、窓から侵入した。
ミネルバ・ベッキータリは、朝ヨガの真っ最中らしく、広間でポーズを取っていた。
「ゴッドライ、出場!」
私は隠れて小声で皆に合図した。私たち全員が魔法陣をそれぞれ作った。
綺羅介は袂からきらきら光るサイコロ石を取り出して、素早く宙に投げた。そして、特殊な勾玉もサイコロ石に向かって、投げ込んだ。
サイコロ石が、黄色のメタリックボディの魔神機動戦士に変形した。その後、ゆっくりと分身を始めた。レッド、ブルー、シルバー、ゴールド、ピンク、グリーン、ブラウン、ホワイト、ブラック、紫の合計10体に華麗に分身した。
すごい進歩だ。
計画通り、シルバーが支配者貧乏大魔神、ゴールドを私が操作した。
綺羅介が黄色と紫、冴衞門がホワイトとブラック、タクローがピンクとブラウン、冴子がレッドとグリーンを魔法陣で操った。
十体の魔神機動戦士は一気にミネルバに襲いかかった。
「やだ!いた!」
支配者貧乏大魔神が情けない悲鳴をあげた。
「なにこれ!えい!きゃー痛い・・・」
「姉貴、しっかりやってよ!」
「痛い・・・」
支配者貧乏大魔神のシルバーと、私が操作するゴールドが早くも離脱して、ミネルバの攻撃に耐えられずに、あっけなく床に落下したまま動かなくなった。
「クッソ!」
タクローも冴衞門も小さな声を短くあげながら、魔法陣を操作しまくっていたが、敢えなくミネルバの前に敗れた。ホワイト、ブラック、ピンク、ブラウンも床に落下し、ピクリとも動かなくなった。
「ぎゃあ!!!!!!!!!」
「うお!!!!!!!!」
「冴ちゃん?」
意外にも意外、冴子はアイドル並の可愛い顔を歪めて、すごい勢いで魔法陣を操作して、レッドとグリーンの魔神機動戦士を華麗に操っていた。ミネルバは、冴子の操作するレッドとグリーンに翻弄されていた。
可愛い顔に似合わず、ガタイが非常に良いので、肩を丸めて屈んですごい姿勢で魔法陣を操作する様は、本当に異様な光景だった。
「おのれー!」
綺羅介の操作する黄色と紫の魔神起動戦士も、負けじとミネルバに攻撃を仕掛けていた。
「あれ?冴ちゃんのレッドとグリーンの魔神起動戦士、攻撃力1万超えてる!」
タクローが気づいて、小さく叫んだ。
「おお・・・」
チーム一同、冴子の意外な才能に驚愕した。
二戦目のミネルバとの戦いでは、10分はゴッドライは耐えた。初戦で3分と持たなかったことに比べれば、大いなる進歩だ。
最後の綺羅介の黄色のメタリックボディが床に沈むや否や、私は剣を構えて飛び出した。
「ミネルバ、覚悟しなさい!」
私は剣をミネルバの首にかけた。
「誰が富士山大魔神を起こそうとしたのか、白状して!」
「クッソ。お前かー。」
ミネルバ・ベッキータリは、短くうめいた。
「ボッジョはあんたに誘われたと、白状したわよ。」
「白状しないと、あんた、一生経路から出てこれないわよ。」
私はミネルバに言い放った。
で、前回の流れの通り、ヤクザの本性をタクローがこれでもかと全開にした。
ミネルバが渋々吐いた名前は、容疑者リストの五番目に乗っていた魔神だった。
「ドロ・ケンジだ。」
日本の魔神だ。
冴衞門がミネルバに飛びかかり、経路に引き摺り込んで奴を閉じ込めた。
「姉さん、公安に連絡して。」
「了解。」
私たち一同は心なしか沈んだ表情で、スクーターに乗って、ミネルバの城を後にした。
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