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第二章 二度目の人生 リベンジスタート
王子に結婚の申込
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「君が新しい聖女候補のバリドン公爵家のヴァイオレット嬢かな?」
晴れた日で、春の日差しの中で何もかもが胸弾む輝きを放っているようだった。
私は走るようにして庭園に行った。きっとヒューはそこにいるはずだ。息を切らして走って行くと、東屋のベンチに寝っ転がって本を読んでいるヒューに遭遇した。
長い足を伸ばして気ままに本を読んでいたヒューは、私の姿に驚いた様子だったが、すぐに誰だか分かった様子で私の名前を当てた。やはり輝くような美貌だ。溌剌とした若さと真っ直ぐな瞳が、私が会っていたヒューとは少し違う。自分に迷いが無い。
私の会いたかったヒューの22歳の姿だ。
「そうでございます。聖女候補になったバリドン公爵家の者です」
私は慌ててマナー通りの挨拶をした。
「急いでどこに行くの?」
私は前回の記憶からヒューが庭で本を読んでいると思って、早く会いたくて走ってきたとは言えなかった。
「宮殿の庭には珍しい鳥がいたり、美しい花が咲いているのかなと思いまして」
まさかあなたに会いに来たとは言えない。
ヒューが庭園の花を振り返った瞬間に、スマホで隠し撮りをした。この頃のヒューには縁談の話がひっきりなしに来ていたはずだ。でも、縁談の全てをヒューは断っていたはずだ。女性に興味がないと思われていたと、後々私にこっそり打ち明けてくれた。周りが放っておくはずがない。
ヒューは容姿、温厚な性格、ずば抜けた運動神経、いずれも素晴らしいと評判だった。ただ、私がヒューの魅力に気づいたのはだいぶ後になってからだ。聖女として一緒に馬車で各地を巡るようになってから、彼の魅力に気づいた。それまでは自国の王子としてしか彼を見ていなかった。
私は見た目は16歳だが、その中には18歳で処刑された公爵令嬢で、さらに20歳の苦学生が入っている。私の心はヒューにときめいた。顔が勝手に赤くなる。
「最近、アルフレッド王子とお会いしましたか」
私の言葉にヒューは驚いた表情で私を見つめた。
「アルフレッドとは最近会っていないよ。彼は法律を学びに他国の大学に通っているんだ。彼はルネ伯爵家の子息と仲がいい。私自身は最近はアルフレッドとは会っていない」
ヒューはそう教えてくれた。
――そうなのね、会えないのね。えっ?ルネ伯爵の子息と仲がいいとは……それはマルグリッドの兄のことだわ。
マルグリッドの兄とアルフレッド王子は仲がいいという事実を私は初めて知った。私に良くない噂が立ち始めた頃、ヒューではなくアルフレッド王子と私は各地を馬車で回り、その時、勝手に隣国の大臣と引き合わされた。また背後に浮かぶのがルネ伯爵家だ。
ただの偶然だろうか。私が昨日やけどを負いそうになった時もルネ伯爵家の侍女とぶつかった。
私は考え込んだ。ただの偶然と考えるには、私は疑い深くなりすぎていた。私は悲惨な結果を迎えた未来を知っている。とても偶然には思えなかった。
私はすっとヒューに近づいた。彼の耳元でささやいた。
「秘密ですが、あなたは私の夫になる人です。私にはこの国を豊かにできる聖女の力があります。他の聖女候補にも聖女になって頂きますが、私はあなたの妻になります」
ヒューは驚いた表情で私を見て、呆気に取られた様子だった。そして瞳をキラキラさせて笑い始めた。
「君、大胆だね」
私はすまして首を傾げた。もう一度彼の耳元に近づき、そっとささやいた。
「私たちは婚約期間を経ず、いきなり結婚しましょう。誰にも婚約したことを教えないのです。いいですか?」
ヒューはくすくす笑いながら私を見つめた。
「君、確かまだ16歳だよね?」
「えぇ、そうですわ」
「よく分からないが、それは未来のいつの話だろう?教えてくれるかな?」
ヒューはイタズラっぽい瞳で私を見つめていた。彼はおませな少女の冗談だと思っている。でも、今回の私は彼の記憶にしっかりとどまるだろうという確信があった。
婚期を確実なものにして、婚約期間無しに一気に確定させるのだ。時が来たら。
「2年後に私が18歳になったら、その時あなたは24歳です。私たちは式をあげましょう。婚約期間無しに一気に式をあげるのです」
ヒューは私をじっと見つめた。冗談かどうかを確認しているような目だ。
「君は本気なんだね?」
ヒューはたじろいだように言った。
「これも聖女の能力か何かなの?」
彼の問いに私は静かに唱えた。
「ステータスオープン」
私の頭上に数百のスキルが一気に並んだ。ヒューには見えるはずだ。ヒューは驚いた表情で口をぽかんと開けて私の頭上を見つめている。
「18歳の私のスキルはもっと上がっていますわ。あなたの妻はこの国のためにもあなたのためにも貢献して、きっとあなたを愛しますわ」
ヒューはドキッとした表情になって、慌てて頭を振った。私のことをまだ少女だと思っているから、そんな目線で私を見れないのだろう。それは健全な反応だ。
私は運命の流れを変えようとしたのだ。秘密に結婚の取り決めをして、婚約破棄されることなくいきなり結婚に持ち込めるようにしたかった。逆プロポーズしたが、これはヒューと私だけの取り決めのまま2年を生き延びようと思ったのだ。
「分かった。覚えておくよ」
私は手を差し出してヒューに握手を求めた。ヒューの髪の毛が風に揺れて、美しい瞳が私を静かに見つめ返した。彼の唇は微笑んでいる。彼は私の表情をじっくりと見つめた後、手をしっかりと握ってくれた。
「この話は秘密です」
私はヒューに小さな声で囁いた。
「分かった。聖女候補さん。君の話を覚えておくよ。楽しみに待っているよ」
ヒューは肩をすくめてそう言ってくれた。私の心に温かい想いが溢れた。無念を晴らすことができるよう、少し変えてみた。いや、大胆に変えてみた。私とヒューの未来は良い方向に進むのだろうか。
アルフレッド王子とルネ伯爵家の子息の件は、新しい情報だ。ルネ伯爵家の子息について調べる必要があるようだ。マルグリッドの周囲は何か怪しい要素がある、私は改めて思った。
6年前に墓地で会ったあの少年が、栗色の髪をして輝くような闊達な笑みを浮かべる精悍な青年になるのを私は知っている。アルフレッド王子はヒューの代理として私と各地を馬車で巡り、私の計画を熱心に聞いてくれた。
アルフレッド王子が私の殺害に関わる動機が思いつかない。王位継承権第二位の彼はヒューの次に王座に着く権利を有する。
ヒューを廃するならともかく、そう考えた私はドキッとした。
――ヒューを廃する……?
私を殺す計画だけでなく、ヒューを廃する計画はなかったのか。
考えたこともなかった可能性に私はしばらく呆然としていた。22歳のヒューは私の目の前で呑気に本を抱えて、私に微笑んでいた。私はふとその瞳に引き込まれそうになって、ハッとして慌てて辞した。私はまだ16歳で、今はヒューに近づくべきではない。2年後に結婚する計画だけれども。
「逆ポロポーズした割には、もう帰るんだね、小さな聖女さん」
彼のからかうような声が慌てて庭園を戻っていく私の背中を追いかけてきた。
私の顔は真っ赤だった。ヒューは素敵すぎた。
晴れた日で、春の日差しの中で何もかもが胸弾む輝きを放っているようだった。
私は走るようにして庭園に行った。きっとヒューはそこにいるはずだ。息を切らして走って行くと、東屋のベンチに寝っ転がって本を読んでいるヒューに遭遇した。
長い足を伸ばして気ままに本を読んでいたヒューは、私の姿に驚いた様子だったが、すぐに誰だか分かった様子で私の名前を当てた。やはり輝くような美貌だ。溌剌とした若さと真っ直ぐな瞳が、私が会っていたヒューとは少し違う。自分に迷いが無い。
私の会いたかったヒューの22歳の姿だ。
「そうでございます。聖女候補になったバリドン公爵家の者です」
私は慌ててマナー通りの挨拶をした。
「急いでどこに行くの?」
私は前回の記憶からヒューが庭で本を読んでいると思って、早く会いたくて走ってきたとは言えなかった。
「宮殿の庭には珍しい鳥がいたり、美しい花が咲いているのかなと思いまして」
まさかあなたに会いに来たとは言えない。
ヒューが庭園の花を振り返った瞬間に、スマホで隠し撮りをした。この頃のヒューには縁談の話がひっきりなしに来ていたはずだ。でも、縁談の全てをヒューは断っていたはずだ。女性に興味がないと思われていたと、後々私にこっそり打ち明けてくれた。周りが放っておくはずがない。
ヒューは容姿、温厚な性格、ずば抜けた運動神経、いずれも素晴らしいと評判だった。ただ、私がヒューの魅力に気づいたのはだいぶ後になってからだ。聖女として一緒に馬車で各地を巡るようになってから、彼の魅力に気づいた。それまでは自国の王子としてしか彼を見ていなかった。
私は見た目は16歳だが、その中には18歳で処刑された公爵令嬢で、さらに20歳の苦学生が入っている。私の心はヒューにときめいた。顔が勝手に赤くなる。
「最近、アルフレッド王子とお会いしましたか」
私の言葉にヒューは驚いた表情で私を見つめた。
「アルフレッドとは最近会っていないよ。彼は法律を学びに他国の大学に通っているんだ。彼はルネ伯爵家の子息と仲がいい。私自身は最近はアルフレッドとは会っていない」
ヒューはそう教えてくれた。
――そうなのね、会えないのね。えっ?ルネ伯爵の子息と仲がいいとは……それはマルグリッドの兄のことだわ。
マルグリッドの兄とアルフレッド王子は仲がいいという事実を私は初めて知った。私に良くない噂が立ち始めた頃、ヒューではなくアルフレッド王子と私は各地を馬車で回り、その時、勝手に隣国の大臣と引き合わされた。また背後に浮かぶのがルネ伯爵家だ。
ただの偶然だろうか。私が昨日やけどを負いそうになった時もルネ伯爵家の侍女とぶつかった。
私は考え込んだ。ただの偶然と考えるには、私は疑い深くなりすぎていた。私は悲惨な結果を迎えた未来を知っている。とても偶然には思えなかった。
私はすっとヒューに近づいた。彼の耳元でささやいた。
「秘密ですが、あなたは私の夫になる人です。私にはこの国を豊かにできる聖女の力があります。他の聖女候補にも聖女になって頂きますが、私はあなたの妻になります」
ヒューは驚いた表情で私を見て、呆気に取られた様子だった。そして瞳をキラキラさせて笑い始めた。
「君、大胆だね」
私はすまして首を傾げた。もう一度彼の耳元に近づき、そっとささやいた。
「私たちは婚約期間を経ず、いきなり結婚しましょう。誰にも婚約したことを教えないのです。いいですか?」
ヒューはくすくす笑いながら私を見つめた。
「君、確かまだ16歳だよね?」
「えぇ、そうですわ」
「よく分からないが、それは未来のいつの話だろう?教えてくれるかな?」
ヒューはイタズラっぽい瞳で私を見つめていた。彼はおませな少女の冗談だと思っている。でも、今回の私は彼の記憶にしっかりとどまるだろうという確信があった。
婚期を確実なものにして、婚約期間無しに一気に確定させるのだ。時が来たら。
「2年後に私が18歳になったら、その時あなたは24歳です。私たちは式をあげましょう。婚約期間無しに一気に式をあげるのです」
ヒューは私をじっと見つめた。冗談かどうかを確認しているような目だ。
「君は本気なんだね?」
ヒューはたじろいだように言った。
「これも聖女の能力か何かなの?」
彼の問いに私は静かに唱えた。
「ステータスオープン」
私の頭上に数百のスキルが一気に並んだ。ヒューには見えるはずだ。ヒューは驚いた表情で口をぽかんと開けて私の頭上を見つめている。
「18歳の私のスキルはもっと上がっていますわ。あなたの妻はこの国のためにもあなたのためにも貢献して、きっとあなたを愛しますわ」
ヒューはドキッとした表情になって、慌てて頭を振った。私のことをまだ少女だと思っているから、そんな目線で私を見れないのだろう。それは健全な反応だ。
私は運命の流れを変えようとしたのだ。秘密に結婚の取り決めをして、婚約破棄されることなくいきなり結婚に持ち込めるようにしたかった。逆プロポーズしたが、これはヒューと私だけの取り決めのまま2年を生き延びようと思ったのだ。
「分かった。覚えておくよ」
私は手を差し出してヒューに握手を求めた。ヒューの髪の毛が風に揺れて、美しい瞳が私を静かに見つめ返した。彼の唇は微笑んでいる。彼は私の表情をじっくりと見つめた後、手をしっかりと握ってくれた。
「この話は秘密です」
私はヒューに小さな声で囁いた。
「分かった。聖女候補さん。君の話を覚えておくよ。楽しみに待っているよ」
ヒューは肩をすくめてそう言ってくれた。私の心に温かい想いが溢れた。無念を晴らすことができるよう、少し変えてみた。いや、大胆に変えてみた。私とヒューの未来は良い方向に進むのだろうか。
アルフレッド王子とルネ伯爵家の子息の件は、新しい情報だ。ルネ伯爵家の子息について調べる必要があるようだ。マルグリッドの周囲は何か怪しい要素がある、私は改めて思った。
6年前に墓地で会ったあの少年が、栗色の髪をして輝くような闊達な笑みを浮かべる精悍な青年になるのを私は知っている。アルフレッド王子はヒューの代理として私と各地を馬車で巡り、私の計画を熱心に聞いてくれた。
アルフレッド王子が私の殺害に関わる動機が思いつかない。王位継承権第二位の彼はヒューの次に王座に着く権利を有する。
ヒューを廃するならともかく、そう考えた私はドキッとした。
――ヒューを廃する……?
私を殺す計画だけでなく、ヒューを廃する計画はなかったのか。
考えたこともなかった可能性に私はしばらく呆然としていた。22歳のヒューは私の目の前で呑気に本を抱えて、私に微笑んでいた。私はふとその瞳に引き込まれそうになって、ハッとして慌てて辞した。私はまだ16歳で、今はヒューに近づくべきではない。2年後に結婚する計画だけれども。
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