98 / 175
第一部:10-1章:祭と友と恋と戦と(準備編)
97話:諦めは弱気、託すは勇気
しおりを挟む
その日の夜、とある家の屋根上の、孤児院がよく見える位置にラルシュは座っていた。この商業地区はかつての事業計画により、夜でも明るくなっている。しかし、孤児院はそんな街中でも一際目立って明るい。
この明るさは――ヤマモト連合の団結の結晶だ。
孤児院一軒だけでも大きな施設が必要になるため、実用化は未だにできてこそいないが、それでも製作にはラルシュも深くかかわっている。あの日はまさか自身が魔道具師として働くようになるとは思っていなかった。
彼は手に持った安酒をしばらく眺めると、ヤケクソと言わんばかりにグビグビと飲み始めた。しかしながら、背後に人の気配がすると一旦止めて、恐る恐る振り返った。
そこには赤髪の女が立っていた。
「うらやましいわ…学生はお酒、飲んじゃいけないのよ。」
「ケッ! よりによって貴族様かよ。最悪の人選じゃねぇか。」
「あら、マリじゃなくて残念ね。でも、これはマリからよ。」
「ふんっ!」
ネルカは手に何かを持っており、ラルシュがよく見ると料理用の保存パックだった。それはマリアンネが「料理の持ち帰りって絶対に流行る!」と言い、(周囲が振り回されながらも)作った蓋付き木製保存パック。今でこそ当然の商品として出回ってこそいるが、当時はそれはそれは驚かれたものだった。
彼女が保存パックを開くとそこには――野菜と穀物を炒め、卵を平べったくして焼いたものを乗せ、そこに甘辛いソースをかけた――ラルシュの一番好きな料理が入っていた。
「チッ!」
彼は強引に奪い取ると、付随の木スプーンを使って口の中へと掻き込み、そして酒で喉奥へと流し込む。するとネルカはラルシュの隣へと移動すると、何も言わずにドカリと座り込んだ。
「なんで横に座んだよ!」
「まぁまぁ、気にしない気にしない。」
「ほんっっっと、最悪だな、オマエ。」
「だいたいアナタ、人のことを『貴族様』だなんて呼ぶ割に、まったく私を敬わないわね。普通だったら怒られちゃうわよ。」
「ハッ、それを怒るような奴が、マリを気に入るわけねぇだろ。」
その一言だけでネルカは嬉しくなってニヤリと笑う。
そして、ラルシュも同じくニヤリと笑ったが、ふと孤児院の方角へと顔を向けるとその表情は堅くなってしまい、キッとネルカを睨みつけた。
「アンタ、強いんだってな…。俺は武闘大会を見てねぇが、町の金持ち連中はアンタのことで話題持ちきりだし、ガキどもも憧れてるやつ多いよ。」
「あら、嬉しいわね。」
「アンタになら…アイツを…任せてもいいのかもしれないな…。俺の勘だけどさ、アイツの前世のこと、どうせ聞かされてんだろ?」
「あら、あなたも知ってたのね。」
「………まぁ…な…。」
ネルカからしてみればマリアンネの前世の知識に関しては、異なった文化や価値観を持ち、なぜかこの世界のことが書かれた物語が存在している程度のものでしかない。
しかしながら、商品や魔道具を作るものからしてみれば話は別である。生活水準が向上するだとか、金になる人間として認識されるだとかならまだしも、戦争兵器へと発展してしまうことを非常に恐れているのだ。
国王一派が平和志向が強いからこそ触れられないだけで、もしも側妃サイドに知られていたら無警戒だったために危ないところだったのである。
「俺は…怖いんだよ。アイツを異端だと思うやつがいるかもしれん、アイツを利用しようとするやつがいるかもしれん、アイツを不自由にさせるやつがいるかもしれん。特に…貴族の世界には…行かせたくなかった。先生…俺らの親代わりの人は…元貴族らしいが、あくまで貴族親族ってだけの、なんの権力もない人だ。誰も守れやしねぇんだ。」
「なによ、ただの過保護お兄ちゃんってだけだったのね。」
「いくら腹が立とうが…俺にとっちゃ妹だ。気に掛けるし、気にするし、気を配りてぇよ。だけど、あっちの認識が違うってんなら、俺から言っても無駄なんだよ…。だが…今日でわかったよ…たぶん、今、アイツに近しいのはアンタだ。だから……………アイツを頼む。」
感情の話であるのに、ネルカには理屈でしか理解できない。
しかしながら、ラルシュが持っているマリアンネを大事に思う気持ちは、ネルカが持っているものより遥かに大きく、彼女がエルスターに対して抱く気持ちとは方向性が違うのであった。
(とは言え…この人…うらやましいわ。)
彼女は生まれて初めて、他者が家族に向ける愛情に嫉妬を抱いた。
自分もいつかはそんな愛情を誰かに注ぎたいと羨望してしまった。
だからこそ、彼女は拗ねたように口を開いた。
「頼まれなくたってやるわよ。だってあの子のこと大好きだもの。」
「……改めて……あいつを頼んだ。」
「はいはい、頼まれたわ。アナタもあの子と話しなさいよね。」
もう心配する必要はなくなったと感じたネルカは、黒魔法でスプーンを作り上げると、ラルシュの手に持っている料理を奪い取って口に運ぶ。彼が「あっ」と声を上げている間に、彼女は立ち上がり背を向けて立ち去ろうとした。
ラルシュはそんな背中に声をかけた。
「アンタのことを調べようとすると、どっかでストップがかけられちまって胡散臭さを感じていたが…まぁ…いざ会ってみると…あれだったわ。」
「あれってどれよ。」
「人間臭いのに…どこか理解不能で、掴み所のねぇやつだったわ。」
「何言ってんのよ。私は普通よ。」
ネルカはチラリとだけ振り返る。まるで妙案を思いついて笑いたいけど、我慢しているから口角が上がってしまうかのような表情をし、それを見られたくないのか慌てて前を向いた。
そして、黒衣を生成するとバサリとたなびかせる。
少しカッコつけ、笑いを堪えた震え声で――
「元狩人ってだけの…普通の令嬢、普通の親友よ。」
屋根から屋根を飛んでいくその姿は、孤児院の屋根奥へと消えていった。
しばらく茫然と見るだけだったラルシュであったが、ふと我に返ると下を向いてクックックッと笑い始めた。そして、顔を上げると深呼吸を一つ入れて、酒を最後の一滴まで飲み干した。
「ぜってぇ普通じゃねぇだろ。」
この明るさは――ヤマモト連合の団結の結晶だ。
孤児院一軒だけでも大きな施設が必要になるため、実用化は未だにできてこそいないが、それでも製作にはラルシュも深くかかわっている。あの日はまさか自身が魔道具師として働くようになるとは思っていなかった。
彼は手に持った安酒をしばらく眺めると、ヤケクソと言わんばかりにグビグビと飲み始めた。しかしながら、背後に人の気配がすると一旦止めて、恐る恐る振り返った。
そこには赤髪の女が立っていた。
「うらやましいわ…学生はお酒、飲んじゃいけないのよ。」
「ケッ! よりによって貴族様かよ。最悪の人選じゃねぇか。」
「あら、マリじゃなくて残念ね。でも、これはマリからよ。」
「ふんっ!」
ネルカは手に何かを持っており、ラルシュがよく見ると料理用の保存パックだった。それはマリアンネが「料理の持ち帰りって絶対に流行る!」と言い、(周囲が振り回されながらも)作った蓋付き木製保存パック。今でこそ当然の商品として出回ってこそいるが、当時はそれはそれは驚かれたものだった。
彼女が保存パックを開くとそこには――野菜と穀物を炒め、卵を平べったくして焼いたものを乗せ、そこに甘辛いソースをかけた――ラルシュの一番好きな料理が入っていた。
「チッ!」
彼は強引に奪い取ると、付随の木スプーンを使って口の中へと掻き込み、そして酒で喉奥へと流し込む。するとネルカはラルシュの隣へと移動すると、何も言わずにドカリと座り込んだ。
「なんで横に座んだよ!」
「まぁまぁ、気にしない気にしない。」
「ほんっっっと、最悪だな、オマエ。」
「だいたいアナタ、人のことを『貴族様』だなんて呼ぶ割に、まったく私を敬わないわね。普通だったら怒られちゃうわよ。」
「ハッ、それを怒るような奴が、マリを気に入るわけねぇだろ。」
その一言だけでネルカは嬉しくなってニヤリと笑う。
そして、ラルシュも同じくニヤリと笑ったが、ふと孤児院の方角へと顔を向けるとその表情は堅くなってしまい、キッとネルカを睨みつけた。
「アンタ、強いんだってな…。俺は武闘大会を見てねぇが、町の金持ち連中はアンタのことで話題持ちきりだし、ガキどもも憧れてるやつ多いよ。」
「あら、嬉しいわね。」
「アンタになら…アイツを…任せてもいいのかもしれないな…。俺の勘だけどさ、アイツの前世のこと、どうせ聞かされてんだろ?」
「あら、あなたも知ってたのね。」
「………まぁ…な…。」
ネルカからしてみればマリアンネの前世の知識に関しては、異なった文化や価値観を持ち、なぜかこの世界のことが書かれた物語が存在している程度のものでしかない。
しかしながら、商品や魔道具を作るものからしてみれば話は別である。生活水準が向上するだとか、金になる人間として認識されるだとかならまだしも、戦争兵器へと発展してしまうことを非常に恐れているのだ。
国王一派が平和志向が強いからこそ触れられないだけで、もしも側妃サイドに知られていたら無警戒だったために危ないところだったのである。
「俺は…怖いんだよ。アイツを異端だと思うやつがいるかもしれん、アイツを利用しようとするやつがいるかもしれん、アイツを不自由にさせるやつがいるかもしれん。特に…貴族の世界には…行かせたくなかった。先生…俺らの親代わりの人は…元貴族らしいが、あくまで貴族親族ってだけの、なんの権力もない人だ。誰も守れやしねぇんだ。」
「なによ、ただの過保護お兄ちゃんってだけだったのね。」
「いくら腹が立とうが…俺にとっちゃ妹だ。気に掛けるし、気にするし、気を配りてぇよ。だけど、あっちの認識が違うってんなら、俺から言っても無駄なんだよ…。だが…今日でわかったよ…たぶん、今、アイツに近しいのはアンタだ。だから……………アイツを頼む。」
感情の話であるのに、ネルカには理屈でしか理解できない。
しかしながら、ラルシュが持っているマリアンネを大事に思う気持ちは、ネルカが持っているものより遥かに大きく、彼女がエルスターに対して抱く気持ちとは方向性が違うのであった。
(とは言え…この人…うらやましいわ。)
彼女は生まれて初めて、他者が家族に向ける愛情に嫉妬を抱いた。
自分もいつかはそんな愛情を誰かに注ぎたいと羨望してしまった。
だからこそ、彼女は拗ねたように口を開いた。
「頼まれなくたってやるわよ。だってあの子のこと大好きだもの。」
「……改めて……あいつを頼んだ。」
「はいはい、頼まれたわ。アナタもあの子と話しなさいよね。」
もう心配する必要はなくなったと感じたネルカは、黒魔法でスプーンを作り上げると、ラルシュの手に持っている料理を奪い取って口に運ぶ。彼が「あっ」と声を上げている間に、彼女は立ち上がり背を向けて立ち去ろうとした。
ラルシュはそんな背中に声をかけた。
「アンタのことを調べようとすると、どっかでストップがかけられちまって胡散臭さを感じていたが…まぁ…いざ会ってみると…あれだったわ。」
「あれってどれよ。」
「人間臭いのに…どこか理解不能で、掴み所のねぇやつだったわ。」
「何言ってんのよ。私は普通よ。」
ネルカはチラリとだけ振り返る。まるで妙案を思いついて笑いたいけど、我慢しているから口角が上がってしまうかのような表情をし、それを見られたくないのか慌てて前を向いた。
そして、黒衣を生成するとバサリとたなびかせる。
少しカッコつけ、笑いを堪えた震え声で――
「元狩人ってだけの…普通の令嬢、普通の親友よ。」
屋根から屋根を飛んでいくその姿は、孤児院の屋根奥へと消えていった。
しばらく茫然と見るだけだったラルシュであったが、ふと我に返ると下を向いてクックックッと笑い始めた。そして、顔を上げると深呼吸を一つ入れて、酒を最後の一滴まで飲み干した。
「ぜってぇ普通じゃねぇだろ。」
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
聖女追放。
友坂 悠
ファンタジー
「わたくしはここに宣言いたします。神の名の下に、このマリアンヌ・フェルミナスに与えられていた聖女の称号を剥奪することを」
この世界には昔から聖女というものが在った。
それはただ聖人の女性版というわけでもなく、魔女と対を成すものでも、ましてやただの聖なる人の母でもなければ癒しを与えるだけの治癒師でもない。
世界の危機に現れるという救世主。
過去、何度も世界を救ったと言われる伝説の少女。
彼女こそ女神の生まれ変わりに違いないと、そう人々から目されたそんな女性。
それが、「聖女」と呼ばれていた存在だった。
皇太子の婚約者でありながら、姉クラウディアにもジーク皇太子にも疎まれた結果、聖女マリアンヌは正教会より聖女位を剥奪され追放された。
喉を潰され魔力を封じられ断罪の場に晒されたマリアンヌ。
そのまま野獣の森に捨てられますが……
野獣に襲われてすんでのところでその魔力を解放した聖女マリアンヌ。
そこで出会ったマキナという少年が実は魔王の生まれ変わりである事を知ります。
神は、欲に塗れた人には恐怖を持って相対す、そういう考えから魔王の復活を目論んでいました。
それに対して異議を唱える聖女マリアンヌ。
なんとかマキナが魔王として覚醒してしまう事を阻止しようとします。
聖都を離れ生活する2人でしたが、マキナが彼女に依存しすぎている事を問題視するマリアンヌ。
それをなんとかする為に、魔物退治のパーティーに参加することに。
自分が人の役にたてば、周りの人から認めてもらえる。
マキナにはそういった経験が必要だとの思いから無理矢理彼を参加させますが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる