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第一部:4-3章:血の夜会(本番・後編)
34話:終結の始まり
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ネルカが死にかけている時、ドロエス一行は何とか刺客を退けながら目的地に辿り着いていた。そこはアランドロ家が有している屋敷であり、クーデターのための兵士が集まっているとされている場所だった。
「おぉ、ベルナンド殿に…ルーベルト殿とアッシュ殿までも! それに騎士の数が多いですな! これはもしかして援軍の必要はなかったかな?」
「ええそうですとも宰相殿、我々にお任せください…と言いたいですが…。」
「…結界か。」
そこには騎士団第二部隊副隊長であるベルナンド、そして第四部隊隊長ルーベルト&副隊長アッシュ、さらにはいくつかの貴族が有する私兵団までもが集まっていた。しかしながら、どれだけ数が集まっても屋敷敷地に掛けられた結界をどうすることもできず、手をこまねいている状態だと言うのだ。
「どうしたものかなぁ…。この結界はナスタ卿とは別だよね?」
「そうですなぁ。これは魔法陣によるものですぞ。」
「ナハス…お前なら…どうだ?」
「あぁ…やってみるよ。」
呼ばれ出たナハスに対し、騎士の皆はお手並み拝見とばかりに集まる。
一部の界隈ではちょっとした有名人である彼ではあるが、戦闘評価については偶然に噛み合った魔導具を見つけれただけだと揶揄されることもある。だからこそ噂ではなく実際にこの目で判断したいと思われたのである。
そして、彼は天才だ。
伯爵家の防衛の長を務める所以がそこにある。
「……見えた。綻び。」
以前のガマーシュとの戦闘において最大の失態だったのは、敵の発見に遅れたことと、戦闘中に敵の位置を見誤ってしまったこと。だからこそ彼は魔力感知の質を上げるための修行をした。
結果として、彼が求める広範囲の探知という技術こそは身に付けなかったが、その代わりに副産物として魔力の《綻び》を見つけることができるようになった。
(一見すれば鉄壁…だが…。)
彼はある一点を見つめながら魔導具に魔力を通し、火の弓を顕現させる。矢をつがえて弦を引くと、眼を閉じて瞑想し心を落ち着かせ、しばらくするとカッと見開いて矢を放った。
ドゥンッ!
凄まじい轟音が辺り一帯に響き渡り、着弾点を中心に結界にヒビが入る。
「修復しているぞ!」
騎士の内の誰かが叫んだ通り、結界はヒビが入ってもすぐに修復されていく。このまま押せばいつかは貫けるかもしれないが、その前にナハスの魔力が切れるのが先だろう。
「そんなことは想定内だ。」
ナハスがニヤリと笑うと今度はキュルキュル…という小さな音が聞こえる。その音は次第に大きくなっていき、音の正体に最初に気付いたのはルーベルトだった。
「なるほど…回転か。しかも、矢の先端は螺旋状になっているな?」
貫くことができないなら、こじ開ければいいだけのこと。
徐々に結界内に埋まっていく矢に周囲は固唾を飲んで見守っていたが、そして「爆ぜろ。」というナハスの言葉と共に爆発した矢、爆炎が晴れた先にある壊された結界を見て、静けさは大歓声へと変わった。
「おみごと。」
「自慢の息子です。」
荒い部分を突いたとはいえそれでも強固な結界だったゆえに、ナハスは魔力の瞬間多量使用による酔いに当てられていた。そんな息子を労りたい気持ちを我慢し、こじ開けた穴へと一同は入っていった。
「なななな、何事だぁ!」
兵士が集まっているのは裏庭か訓練場かと悩んでいたところ、轟音を聞きつけて敵の方が屋敷正面まで来た。ガバカはそこに集まった騎士に驚いたのか、腰を抜かしてその場にへたり込む。御付きの護衛に支えられながらも、彼は殺したはずの相手を指をさして叫ぶ。
「ドロエスゥ! き、きき、貴様! 毒を食らったはずでは!」
「おやガバカ殿。良かった、探す手間が省けたね。」
遅れて登場したガバカの兵たちは慌てて主人を守るために囲うが、相手が王宮騎士団の面々だと気付くと、少しばかり尻込みしているようであった。しかし、彼だけはすぐに気持ちを切り替えて吠える。
「ふ、ふははは!じゃが問題はないではないか! こちらにはナスタ殿の結界がある! バレようが関係ない! ほら、ワシらに手を出せるものなら、出してみろ!」
その言葉に敵兵たちは結界魔法に守られていることを思い出したのか、戦う姿勢を取り戻そうとしていた。勇気ある一人の兵士がドロエスへと斬りかかろうとしたが、それは袖から現れたルーベルトによって阻止される。そして、隊長と連携を取るようにアッシュが現れて、持つ短剣を兵士へと突き刺した。
ガキィィィン!
刺突はナスタの結界により防がれており、その様子を見た敵兵たちは水を得た魚のように武器を構える。自分たちは王宮騎士団の隊長格の攻撃さえも防げると、言葉ではなく景色で分かった今、恐れるものは何もない。
「ぁ……え…?」
――と思っていた矢先、彼らは行動を止めた。
それは先ほどまで止まっていたアッシュの攻撃が、まるで結界が解除されたかのように最初の特攻兵に突き刺さっていたからだ。これにはアッシュ自身も驚いていたようで、味方もまた行動が止まっていた。
「ガ…ガバカ様…な…ぜ……。」
最初の特攻兵は刺されながらもユルユルと後ろを向き、ガバカに対してどうして結界が切れたのかと目で訴える。しかし、そんなことはガバカが知りたいことである、その表情は呆けていた。
「フ、フフフ…。クククク…。」
沈黙を破ったのはドロエスの笑い声。
その兵が絶命し地に伏せると同時に、彼は周囲に対して言葉を放つ。
「フフッ…僕の子…いや、僕らの子は優秀ってことだよ。」
「おぉ、ベルナンド殿に…ルーベルト殿とアッシュ殿までも! それに騎士の数が多いですな! これはもしかして援軍の必要はなかったかな?」
「ええそうですとも宰相殿、我々にお任せください…と言いたいですが…。」
「…結界か。」
そこには騎士団第二部隊副隊長であるベルナンド、そして第四部隊隊長ルーベルト&副隊長アッシュ、さらにはいくつかの貴族が有する私兵団までもが集まっていた。しかしながら、どれだけ数が集まっても屋敷敷地に掛けられた結界をどうすることもできず、手をこまねいている状態だと言うのだ。
「どうしたものかなぁ…。この結界はナスタ卿とは別だよね?」
「そうですなぁ。これは魔法陣によるものですぞ。」
「ナハス…お前なら…どうだ?」
「あぁ…やってみるよ。」
呼ばれ出たナハスに対し、騎士の皆はお手並み拝見とばかりに集まる。
一部の界隈ではちょっとした有名人である彼ではあるが、戦闘評価については偶然に噛み合った魔導具を見つけれただけだと揶揄されることもある。だからこそ噂ではなく実際にこの目で判断したいと思われたのである。
そして、彼は天才だ。
伯爵家の防衛の長を務める所以がそこにある。
「……見えた。綻び。」
以前のガマーシュとの戦闘において最大の失態だったのは、敵の発見に遅れたことと、戦闘中に敵の位置を見誤ってしまったこと。だからこそ彼は魔力感知の質を上げるための修行をした。
結果として、彼が求める広範囲の探知という技術こそは身に付けなかったが、その代わりに副産物として魔力の《綻び》を見つけることができるようになった。
(一見すれば鉄壁…だが…。)
彼はある一点を見つめながら魔導具に魔力を通し、火の弓を顕現させる。矢をつがえて弦を引くと、眼を閉じて瞑想し心を落ち着かせ、しばらくするとカッと見開いて矢を放った。
ドゥンッ!
凄まじい轟音が辺り一帯に響き渡り、着弾点を中心に結界にヒビが入る。
「修復しているぞ!」
騎士の内の誰かが叫んだ通り、結界はヒビが入ってもすぐに修復されていく。このまま押せばいつかは貫けるかもしれないが、その前にナハスの魔力が切れるのが先だろう。
「そんなことは想定内だ。」
ナハスがニヤリと笑うと今度はキュルキュル…という小さな音が聞こえる。その音は次第に大きくなっていき、音の正体に最初に気付いたのはルーベルトだった。
「なるほど…回転か。しかも、矢の先端は螺旋状になっているな?」
貫くことができないなら、こじ開ければいいだけのこと。
徐々に結界内に埋まっていく矢に周囲は固唾を飲んで見守っていたが、そして「爆ぜろ。」というナハスの言葉と共に爆発した矢、爆炎が晴れた先にある壊された結界を見て、静けさは大歓声へと変わった。
「おみごと。」
「自慢の息子です。」
荒い部分を突いたとはいえそれでも強固な結界だったゆえに、ナハスは魔力の瞬間多量使用による酔いに当てられていた。そんな息子を労りたい気持ちを我慢し、こじ開けた穴へと一同は入っていった。
「なななな、何事だぁ!」
兵士が集まっているのは裏庭か訓練場かと悩んでいたところ、轟音を聞きつけて敵の方が屋敷正面まで来た。ガバカはそこに集まった騎士に驚いたのか、腰を抜かしてその場にへたり込む。御付きの護衛に支えられながらも、彼は殺したはずの相手を指をさして叫ぶ。
「ドロエスゥ! き、きき、貴様! 毒を食らったはずでは!」
「おやガバカ殿。良かった、探す手間が省けたね。」
遅れて登場したガバカの兵たちは慌てて主人を守るために囲うが、相手が王宮騎士団の面々だと気付くと、少しばかり尻込みしているようであった。しかし、彼だけはすぐに気持ちを切り替えて吠える。
「ふ、ふははは!じゃが問題はないではないか! こちらにはナスタ殿の結界がある! バレようが関係ない! ほら、ワシらに手を出せるものなら、出してみろ!」
その言葉に敵兵たちは結界魔法に守られていることを思い出したのか、戦う姿勢を取り戻そうとしていた。勇気ある一人の兵士がドロエスへと斬りかかろうとしたが、それは袖から現れたルーベルトによって阻止される。そして、隊長と連携を取るようにアッシュが現れて、持つ短剣を兵士へと突き刺した。
ガキィィィン!
刺突はナスタの結界により防がれており、その様子を見た敵兵たちは水を得た魚のように武器を構える。自分たちは王宮騎士団の隊長格の攻撃さえも防げると、言葉ではなく景色で分かった今、恐れるものは何もない。
「ぁ……え…?」
――と思っていた矢先、彼らは行動を止めた。
それは先ほどまで止まっていたアッシュの攻撃が、まるで結界が解除されたかのように最初の特攻兵に突き刺さっていたからだ。これにはアッシュ自身も驚いていたようで、味方もまた行動が止まっていた。
「ガ…ガバカ様…な…ぜ……。」
最初の特攻兵は刺されながらもユルユルと後ろを向き、ガバカに対してどうして結界が切れたのかと目で訴える。しかし、そんなことはガバカが知りたいことである、その表情は呆けていた。
「フ、フフフ…。クククク…。」
沈黙を破ったのはドロエスの笑い声。
その兵が絶命し地に伏せると同時に、彼は周囲に対して言葉を放つ。
「フフッ…僕の子…いや、僕らの子は優秀ってことだよ。」
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