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第一部:4-3章:血の夜会(本番・後編)
32話:(回想)黒血卿と側妃
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バルドロは王都壁外のスラム街であるアマニス地区に住む少年だった。
飯を食って生きるために街を駆けるだけの日々、彼には金も知恵も家族もなかった。だからこそ強くあり、図太くあり、しぶとい人間になることができた。
しかし、生物の本能とは別種の感情がそこにある自覚があった。
その感情の正体が分からないまま、ただひたすらに生き続けた。
そして、ある日――
「いてもいなくても? いいや、いてはならぬ存在だ!」
「貧しさからは貧しさが連鎖するだけ! 断ち切るべきだ!」
「よって、これより大掃除を開始する!」
【弱者排斥主義】――できない人間を取り除いていけば、そこには有能な者しか残らないという考え方の集団。彼らは出生の時点で人の能力は決まり、そこから生きていく中でその能力をどこまで使えるかが決まると考えていた。
そして、貧しい人間いうのは、能力がないから貧しいのだ。
そんな人間の子孫の潜在能力など、たかが知れているに決まっている。
そこからの貧しい暮らしなのだから、その潜在能力も碌に引き出せない。
それに、惨めに生きていくことが確定しているのは可哀想だ。
――彼らは正義感と善意により、スラム街破壊を実行することにした。
結果的には住人の抵抗により、排斥主義者の負けという形になったが、それでも多くの家が壊され多くの人間が死んだ。後にこの事件は『アマニスの悲劇』と呼ばれるようになる。
《73》――この数字はある一人の男が事件の際に殺した人間の数。
その男こそがバルドロだった。
素手で殴り殺し、農具で刺し殺し、奪った剣で切り殺す。
その姿は共に戦った同じスラム街の住人ですら恐れるほどであり、全てが終わった後の彼はまだ殺し合い足りないとばかりに虚空を見つめており、誰も近づかずこうとはしなかった。
彼は英雄だったのか、あるいは……。
「あなた、私の元で働ない?」
事件解決後から数日経ったころ、昂る気持ちを調査に来た騎士団に当てないよう、アマニス地区から離れた彼の元に現れたのはリーネット――当時はまだ令嬢である未来の側妃だった。
「俺なんて雇ってもいいことなんかねぇ。とっとと帰りな嬢ちゃん。」
「クスクス…ねぇ…殺し合いは楽しかった?」
「あ? どういうことだ?」
「だってあなた別に生きたいわけじゃないんでしょ? 生き足掻くことが楽しいだけなんでしょ? そういう性格、わたしが今求めている人材なのよ。」
その言葉にバルドロは初めで自身の感情の正体を知った。生きたいと思ったことはなく、生きない方が楽であると分かっていて、それでも生きようとしてきた自分がずっと不思議だった
生き気で生きることに価値はない。
死ぬ気で生きることに価値がある。
「その気持ちを曝け出せる場所、私が提供してあげるわ。」
ここに来て初めてその少女の顔を見たバルドロだったが、10以上年下であると予想できるその少女の目は、満たされた立場のはずなのにどこか退屈そうであった。
(もしかすると…この少女は…種類は違えど、方向性は自分に近いのかもしれない。それならば…仕えるのも悪くはないはずだ。)
この時点では彼らの関係は『互いに利がある』という状態だった。しかし、ある程度に時間を過ごしていくと、『互いが理解者』という関係へと昇華していく。ただ孤児と高位貴族という部分だけはどうしようもなく、結果として見かけだけは主従という形で終わった。
「私をあなたの満たしのための道具として扱ってください。それでも私自身は満たされます。これまでも、今も、そしてこれからも。」
そうして彼は主から【鎧】を受け賜った。
元は魔力の扱いに慣れないバルドロの防御手段として送った物だったが、彼が成長して魔力膜を纏えるようになった後も、リーネットの戦士であることの象徴として彼が脱ぐことはなかった。
何度の返り血を浴びてきただろうか。
何度の攻撃を受けてきただろうか。
何度の魔法に曝されてきただろうか。
魔法と血が絡みに絡み合い、魔法と血が鎧に定着する。
いつの間にか鎧そのものに魔力膜を張れるようになっていた。
その銀色はもはや面影はなく、赤黒い別種の金属へと変質していた。
鎧は呪具になろうとしつつあった。
こうしてお飾り鎧が実用鎧になった時、彼は最強の駒となった。
いつから呼ばれるようになったか、【黒血卿】。
― ― ― ― ― ―
リーネットは決して優れた人間などではない。
勉学も運動も魔力操作も人徳も――人並程度しか持ち合わせていない。
しかし、自身の難行を楽しみ、周囲に勧める性格の持ち主だった。それでいて悪運と出生は恵まれていることもあって、そのことが第三者にバレるという事態は避けられてきた。
苦しいことほど、難しいことほど、そこに快楽が宿る。
いかにバレないように、いかにギリギリを征き、いかにこの楽しみ同士を増やすのかだけ考え生きた結果、齢12という若さにして【飢え】を感じるようになってしまった。そうなると必然、彼女は合法や倫理という枠からはみ出るようになる。
「はぁ…手を血で染めれる部下がほしいわね。」
だからこそ彼女はバルドロをスカウトすることにした。
実際、その出会いは彼女にとっても大きいもので、手を出すことができる荒事の範囲が広がった。それでいて彼はさらなる成長を続けるものだから、彼女が計画する事のできる限界も高くなっていく。
しかしながら、その欲も個人で可能な域を超えてしまう。
飢えの第二波を解消する何かを見つけ出すことができないまま、さらに数年が経ったころ彼女に転機が訪れることになる。それは王太子が子に恵まれないため、仕方なく側妃を取ることにしたことだ。
彼女の標的が『国そのもの』になった瞬間であった。
「ねぇ、バルドロ。私は生きて夢を果たせるかしら?」
「リーネット様なら…死んでも夢を果たすのでは?」
「あら、それはバルドロもでは?」
国を取る。
次に大陸を取る。
果ては世界を取ろう。
あぁ、なんと困難なことか。
「えぇ、それなら二人で死ぬまで生きましょう。」
きっと二人でなら――
飯を食って生きるために街を駆けるだけの日々、彼には金も知恵も家族もなかった。だからこそ強くあり、図太くあり、しぶとい人間になることができた。
しかし、生物の本能とは別種の感情がそこにある自覚があった。
その感情の正体が分からないまま、ただひたすらに生き続けた。
そして、ある日――
「いてもいなくても? いいや、いてはならぬ存在だ!」
「貧しさからは貧しさが連鎖するだけ! 断ち切るべきだ!」
「よって、これより大掃除を開始する!」
【弱者排斥主義】――できない人間を取り除いていけば、そこには有能な者しか残らないという考え方の集団。彼らは出生の時点で人の能力は決まり、そこから生きていく中でその能力をどこまで使えるかが決まると考えていた。
そして、貧しい人間いうのは、能力がないから貧しいのだ。
そんな人間の子孫の潜在能力など、たかが知れているに決まっている。
そこからの貧しい暮らしなのだから、その潜在能力も碌に引き出せない。
それに、惨めに生きていくことが確定しているのは可哀想だ。
――彼らは正義感と善意により、スラム街破壊を実行することにした。
結果的には住人の抵抗により、排斥主義者の負けという形になったが、それでも多くの家が壊され多くの人間が死んだ。後にこの事件は『アマニスの悲劇』と呼ばれるようになる。
《73》――この数字はある一人の男が事件の際に殺した人間の数。
その男こそがバルドロだった。
素手で殴り殺し、農具で刺し殺し、奪った剣で切り殺す。
その姿は共に戦った同じスラム街の住人ですら恐れるほどであり、全てが終わった後の彼はまだ殺し合い足りないとばかりに虚空を見つめており、誰も近づかずこうとはしなかった。
彼は英雄だったのか、あるいは……。
「あなた、私の元で働ない?」
事件解決後から数日経ったころ、昂る気持ちを調査に来た騎士団に当てないよう、アマニス地区から離れた彼の元に現れたのはリーネット――当時はまだ令嬢である未来の側妃だった。
「俺なんて雇ってもいいことなんかねぇ。とっとと帰りな嬢ちゃん。」
「クスクス…ねぇ…殺し合いは楽しかった?」
「あ? どういうことだ?」
「だってあなた別に生きたいわけじゃないんでしょ? 生き足掻くことが楽しいだけなんでしょ? そういう性格、わたしが今求めている人材なのよ。」
その言葉にバルドロは初めで自身の感情の正体を知った。生きたいと思ったことはなく、生きない方が楽であると分かっていて、それでも生きようとしてきた自分がずっと不思議だった
生き気で生きることに価値はない。
死ぬ気で生きることに価値がある。
「その気持ちを曝け出せる場所、私が提供してあげるわ。」
ここに来て初めてその少女の顔を見たバルドロだったが、10以上年下であると予想できるその少女の目は、満たされた立場のはずなのにどこか退屈そうであった。
(もしかすると…この少女は…種類は違えど、方向性は自分に近いのかもしれない。それならば…仕えるのも悪くはないはずだ。)
この時点では彼らの関係は『互いに利がある』という状態だった。しかし、ある程度に時間を過ごしていくと、『互いが理解者』という関係へと昇華していく。ただ孤児と高位貴族という部分だけはどうしようもなく、結果として見かけだけは主従という形で終わった。
「私をあなたの満たしのための道具として扱ってください。それでも私自身は満たされます。これまでも、今も、そしてこれからも。」
そうして彼は主から【鎧】を受け賜った。
元は魔力の扱いに慣れないバルドロの防御手段として送った物だったが、彼が成長して魔力膜を纏えるようになった後も、リーネットの戦士であることの象徴として彼が脱ぐことはなかった。
何度の返り血を浴びてきただろうか。
何度の攻撃を受けてきただろうか。
何度の魔法に曝されてきただろうか。
魔法と血が絡みに絡み合い、魔法と血が鎧に定着する。
いつの間にか鎧そのものに魔力膜を張れるようになっていた。
その銀色はもはや面影はなく、赤黒い別種の金属へと変質していた。
鎧は呪具になろうとしつつあった。
こうしてお飾り鎧が実用鎧になった時、彼は最強の駒となった。
いつから呼ばれるようになったか、【黒血卿】。
― ― ― ― ― ―
リーネットは決して優れた人間などではない。
勉学も運動も魔力操作も人徳も――人並程度しか持ち合わせていない。
しかし、自身の難行を楽しみ、周囲に勧める性格の持ち主だった。それでいて悪運と出生は恵まれていることもあって、そのことが第三者にバレるという事態は避けられてきた。
苦しいことほど、難しいことほど、そこに快楽が宿る。
いかにバレないように、いかにギリギリを征き、いかにこの楽しみ同士を増やすのかだけ考え生きた結果、齢12という若さにして【飢え】を感じるようになってしまった。そうなると必然、彼女は合法や倫理という枠からはみ出るようになる。
「はぁ…手を血で染めれる部下がほしいわね。」
だからこそ彼女はバルドロをスカウトすることにした。
実際、その出会いは彼女にとっても大きいもので、手を出すことができる荒事の範囲が広がった。それでいて彼はさらなる成長を続けるものだから、彼女が計画する事のできる限界も高くなっていく。
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彼女の標的が『国そのもの』になった瞬間であった。
「ねぇ、バルドロ。私は生きて夢を果たせるかしら?」
「リーネット様なら…死んでも夢を果たすのでは?」
「あら、それはバルドロもでは?」
国を取る。
次に大陸を取る。
果ては世界を取ろう。
あぁ、なんと困難なことか。
「えぇ、それなら二人で死ぬまで生きましょう。」
きっと二人でなら――
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