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ひヾき 最終章
邂逅
しおりを挟むクローズアップ
クローズアップした二つの瞳、顔も鼻も口もない左右が寄った美しい切れ長の瞳。
なぜこんな夢をみたのかその時にはわからなかったし、一体それが誰の、何の眼なのかもさっぱり、私には思い当たらなかった。
夢中の夢
その頃私は君と知り合いになったばかりで、君の言葉に、表現に、諸々に夢中になっていた。そんなある日(夢を見てから一週間程経過していただろうか)夢に出てきた二つの瞳そのものの画像を君から見せられたのだった。
象徴
私は自分が見た夢を思い出した。そして夢でみていたその瞳が、中高の修学旅行で心惹かれたあの像の瞳だったことにようやく気付いた。そしてまた、この像はまだ知り合ったばかりでよく知らない”君”という人物の象徴ではないかと私は感じたのだった。
瞳だけを
如何なる理由で、君がその像の瞳の部分だけを切り取っていたのか、私には分からなかったけれど、おそらく、君自身の生き方をその精悍な双眼に篭めていたのではないかと、私は思った。
直観
何はともあれその時私は、この像に心惹かれたように、この人に強く深く惹かれることになるのだろうと観念したのだった。
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