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ひヾき 最終章
月喰らう鱗
しおりを挟む距離はともかく、君の片鱗を集めれば集めるほど、君の輪郭が薄くなっていくのはどういうことなのだろうか……。
片鱗が実体に寄生し増殖してるか、君の片鱗が殻を破って君そのものをかじっているような、そんな感じがする。
私が君の実体をよく知らないから、こういうことが起こるのだろうか?君をよく知る彼女ならば、片鱗をいくら集めてもこういう事は起こらないのだろうね?!まあ、実体に触れていれば片鱗を探し集める必要もないけれど…。
私の混乱はずいぶん前から起こっている。実体の薄れが進行している。そして年に数回の時候の挨拶さえも君に無視されれば、私にはもうどうしょうもない。次第に消えていき代わりに君の片鱗が横行するようになるのだろうか。
片鱗は片鱗に過ぎず、実体を喰らって大きく育っても君じゃない。君の複数の片鱗は君という実体なければ繋がりをなくす。片鱗一つがたとえ君の等身大に育ったとしても、決してそれは君ではない。一種のモンスターに過ぎない。
**************
私と出逢う前から既に
数えきれない程の分身を君は持っていて
今もおそらく増やし続けているのだろう
だから君には混乱は起こらない(笑)
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