緋色の空 ひいろのそら

月待

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匂梅

よびさましてくれたのは

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君は多分受け取り違いをしている。


私の断絶は、私がそれまでの自分を置き去りにしてしまったことに依る。


そうしてある状況に自分を突っ込んだから。


でも十年経って歪みが生じた。


支柱が傾き崩れそうになった。



そして出逢った。



置き去りにしたものを取りに行ける径を思い出した。



私の郷愁をよびさましてくれたから。











記憶や思想だけでなく、言葉さえも


断崖絶壁から海に放り投げた私を、



それらが沈んだ海に誘ってくれたのは、




君だった。

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