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じゃじゃ馬娘の嫁入り④
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「…お父さんに案を突き返されて、アタシは考えたの。土地を新しく準備するには結婚しかないって!」
「「待て待て待て。」」
いったいどう考えたらそこに行き着くんだよ。
「正直、アタシが土地の所有者に直談判したところで門前払いになるのはわかってる。となると、ほかの手段を考えなきゃ。そこで!土地を持っている人と結婚すればいいんじゃないかって思ったの!アタシが土地の所有者と結婚すれば、相手が持っている土地は夫婦の共有財産ってことになるでしょ?そうすれば自動的に土地が手に入るってわけ!」
楽観的というべきなのか強かというべきなのか…。まぁこのくらいの年の子供にしては頭が回る方だとは思う。いわゆる政略結婚や玉の輿を狙おうってわけだな。…ただこの話を成功させるにはあまりにも相手方にうまみがない。…何より自分が犠牲になる可能性だってある危ない橋だ。親だったら、まぁ娘に選ばせたくない道だろうと思う。
「そんな都合よくいくかねぇ。お前、土地を持っていて結婚適齢期、おまけにお前のその考えにも理解がある奴なんて、そう簡単にいると思うか?オレは無謀だと思うね。」
「うむ…こればっかりはな。何より、結婚ってのは思いあった2人がするものだと思うぞ?親父さんも、そう思ってるはずだ。」
「…じゃあ、どうしたらいのよ。何かいい案でもあるっての?」
「そもそもそこまでしてこの方法を取らなきゃなんないわけじゃないだろうに。…土地に関しちゃ、何もねぇわけじゃないが…。おいおっちゃん、さっき渡した手紙1回返してくれ。」
「ん?そりゃ構わないが…。」
出そうと思っていた手紙を返してもらい、開封する。おっちゃんとエナは不思議そうにのぞき込んでいる。おい、人の手紙をのぞくなんて言い趣味してるじゃないか。個人情報だぞ。
「…それ、どうするの?」
「これにちょっと付け足すだけだ。ペン借りるぞ。…いつまでものぞいてんな、あっち行ってろ。」
「それ、いつもの妹さんにだろ?妹さん、何かツテでもあんのか?」
「…状況確認してもらうだけだ。土地の所有者にゃ、オレが話をつける。ま、どうなるか分からないがな。第一、馬を飼うのに適した土地かどうかなんて、オレには分からねぇし。」
「…そ、そのあたりは専門家に頼むわよ!でもどうして?なんでアタシに協力してくれるの?」
「はぁ?ここまで話聞かせといて、今更何よそよそしくしてんだよ。…結婚相手探しより、土地探しの方がオレたちギルドでも手伝えただろうぜ。そんだけだ。」
「…。」
「うし、書けた。改めて頼むぜ。」
「あ、あぁ、任された。」
「んじゃ、エナだっけか。行くぞ。」
「え?い、行くってどこに。」
「ギルド冒険者にだよ。さっさとしろ。」
「ま、待って…!おじさん、ありがとう。また来るね!」
「おう、親父さんにもよろしくなぁ!くれぐれも先走らんでくれよー!!」
道を行き来する商人たちをすり抜けながら、オレたちはギルドへの道を急ぐ。正式に依頼として受け付けるというよりは、土地の所有者に手っ取り早く話をつけるために。
「「待て待て待て。」」
いったいどう考えたらそこに行き着くんだよ。
「正直、アタシが土地の所有者に直談判したところで門前払いになるのはわかってる。となると、ほかの手段を考えなきゃ。そこで!土地を持っている人と結婚すればいいんじゃないかって思ったの!アタシが土地の所有者と結婚すれば、相手が持っている土地は夫婦の共有財産ってことになるでしょ?そうすれば自動的に土地が手に入るってわけ!」
楽観的というべきなのか強かというべきなのか…。まぁこのくらいの年の子供にしては頭が回る方だとは思う。いわゆる政略結婚や玉の輿を狙おうってわけだな。…ただこの話を成功させるにはあまりにも相手方にうまみがない。…何より自分が犠牲になる可能性だってある危ない橋だ。親だったら、まぁ娘に選ばせたくない道だろうと思う。
「そんな都合よくいくかねぇ。お前、土地を持っていて結婚適齢期、おまけにお前のその考えにも理解がある奴なんて、そう簡単にいると思うか?オレは無謀だと思うね。」
「うむ…こればっかりはな。何より、結婚ってのは思いあった2人がするものだと思うぞ?親父さんも、そう思ってるはずだ。」
「…じゃあ、どうしたらいのよ。何かいい案でもあるっての?」
「そもそもそこまでしてこの方法を取らなきゃなんないわけじゃないだろうに。…土地に関しちゃ、何もねぇわけじゃないが…。おいおっちゃん、さっき渡した手紙1回返してくれ。」
「ん?そりゃ構わないが…。」
出そうと思っていた手紙を返してもらい、開封する。おっちゃんとエナは不思議そうにのぞき込んでいる。おい、人の手紙をのぞくなんて言い趣味してるじゃないか。個人情報だぞ。
「…それ、どうするの?」
「これにちょっと付け足すだけだ。ペン借りるぞ。…いつまでものぞいてんな、あっち行ってろ。」
「それ、いつもの妹さんにだろ?妹さん、何かツテでもあんのか?」
「…状況確認してもらうだけだ。土地の所有者にゃ、オレが話をつける。ま、どうなるか分からないがな。第一、馬を飼うのに適した土地かどうかなんて、オレには分からねぇし。」
「…そ、そのあたりは専門家に頼むわよ!でもどうして?なんでアタシに協力してくれるの?」
「はぁ?ここまで話聞かせといて、今更何よそよそしくしてんだよ。…結婚相手探しより、土地探しの方がオレたちギルドでも手伝えただろうぜ。そんだけだ。」
「…。」
「うし、書けた。改めて頼むぜ。」
「あ、あぁ、任された。」
「んじゃ、エナだっけか。行くぞ。」
「え?い、行くってどこに。」
「ギルド冒険者にだよ。さっさとしろ。」
「ま、待って…!おじさん、ありがとう。また来るね!」
「おう、親父さんにもよろしくなぁ!くれぐれも先走らんでくれよー!!」
道を行き来する商人たちをすり抜けながら、オレたちはギルドへの道を急ぐ。正式に依頼として受け付けるというよりは、土地の所有者に手っ取り早く話をつけるために。
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