28歳、曲がり角

ふくまめ

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何だよ!?太ればいいのか太れば!

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「それじゃ、今日はこの間の検査の結果を説明しますねー。」
「はい、お願いしますー。」
「えーと…。」

今回は専門の先生が来てくれている日に病院に向かい、直接説明を受けることになった。ちょっとだけリモートで説明受けるのかって期待していた、なんてこと…ないから、うん…。

「まぁ前にエコー受けた時にも見てもらったと思うんだけども、やっぱり弁の位置はずれていますね。うーん、エプスタイン型の奇形っぽいんだけど、ずれの大きさ的に言い切れる感じでもなくて…。でも、完全に普通の形はしていないです。個人差って言えるレベルではない。」
「はぁ…。」
「それで、本当は今回の検査で確認したかったんだけど、一部確認できなかったところがあって。」
「え、そうなんですか。」
「実はこのタイプの奇形の人って、他の部分にも異常があることが見られることがあるのね。ただそれがちょっと…見えなかったんだよね、その部位が。」
「…はぁ。」
「そこを見るために、今度は中から見てみようかと思って。」
「はーなるほど、中から…え、中から?」
「中から。」

中から…?って体のってこと、だよね?…えぇ?どゆこと?
ま、まさか、あの時看護師さんが笑ってたのって、そのことか!?やせ型で見えませんねぇ、あは。ってこと!?
好きでこの体型でいるんじゃないんですよ!申し訳ない!!

「中から…と言いますと…?」
「えーと、胃カメラってやったことある?ああいう感じでカメラを中に入れて、中から心臓を見てみようってことね。」
「あー…胃カメラ、はやったことないですね…。」
「そっか。うーん、結構準備も検査自体も時間かかりそうかな…。麻酔も使うことになるし、説明と同意書を書いてもらうことになるね。」

同意書。これは…なかなか大きな検査な感じがひしひしと伝わってくるワードだ。麻酔って、歯科治療くらいでしか経験ないんですけども。
どんな検査なのか、どんな感じで進めていくのかをしっかりと説明を受け、すでに私自身必要な検査であるならしっかり診てもらおう、というスタンスにすでになっていたので、そのまま同意書にもサインして提出。もちろんリスクに関しても説明されたが、ここまできたらとことんまで検査してもらおうじゃないか!という心境だ。
先生の方からも、家族に説明しておくように、とのことだったので、さっそく胃カメラ検査(仮)の説明会を行った。

「胃カメラ?」
「うん、母さんやったことある?」
「ない。でも職場でやったことある人ならいる。けっこいうしんどかったって。」
「何でそういう情報言うかな、いいけど。そんで、麻酔も使うから車で来ないでってさ。検査した後車運転できないから。」
「あーそうなんだ。」
「だから送迎お願いしたいんだよね。ただ、検査日は完全予約だから動かせなくて。この日なんだけど…。」
「どれどれ…。」
「別に何か手続きをしなきゃいけないわけでもないから、誰でもいいんだけど。兄貴は?」
「別にいいけど。」
「あ、でもこの時間だったら大丈夫だよ。兄さんじゃなくても。」
「そう?」

家族会議の末、結局送迎は母さんにお願いすることになった。下準備に時間がかかるので、普段の検査の時よりも病院に向かう時間が早い。正直その点が一番気が重い。
私はお布団にいつまでもくるまっていたいタイプの人間なんだよ…。
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