28歳、曲がり角

ふくまめ

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れっつ、エコー

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「…いよいよ今日か…。」

今日は待ちに待ったエコー検査の日。なんだかそわそわしてしまいますね、えぇ!
看護師のお姉さんに言われたように、気持ちゆったりした服装で予約の時間に余裕を持って病院に向かう。病院で名前を呼ばれて心電図を測定した部署へ。普段と反対側にあるカーテンの部屋に案内される。心なしか少ししっかりしたカーテンに覆われている気がする。

「じゃあ胸に機械を当てることになるので、たくし上げられるようにして横になってお待ちください。」
「はい。」

指示に従ってベッドの上に寝転がる。いやー…どんな検査なんだろうなぁ。自分の体の中が見られるのかなぁ!?

「はーい、それでは服あげますねー。胸元にタオル掛けますので、失礼しますー。」
「はーい。」
「それで、機械が当てやすいように横を向いてほしいんですけど…あ、左向きに、お願いします。」
「あ、左向き。左…。」

看護師のお姉さんが準備を進めていく中、私の体勢も検査しやすいようにセッティング。いくら室内とはいえ、ほぼ上半裸でいるのは肌寒いので、タオルをかけていただけるのはありがたい。もちろん羞恥心もありますよ?いくら検査だとはいえ、ねぇ?
エコーって上向きでやるようなものじゃないのか、と意外に思いながら反射的にお姉さんが立っている側を向こうとすると、反対向きになるようにと説明される。言われたように左向きになった私の視界には、壁。ただただ壁。
エコーの画像が映るであろう画面は、お姉さんと同じ右側にある。…何でじゃ!

「腰のあたりに私座りますので、失礼します。寄り掛かってもらって大丈夫なので、楽にしてくださいねー。」
「はい…。」

部屋の照明を少し落として、看護師さんがベッドに腰かける。…あったかーい。

「じゃあ超音波を当てるための機械、胸に当てていきますねー。ジェルをつけているので、少し冷たいかもしれません、ごめんなさーい。」

看護師さんは画面の方を操作しながら、小さな機械の先端にジェルをつけて説明する。あー直接当てるわけじゃないんだなー…ってつめたっ!

「このまま動かしながら見ていきますねー。楽にしていてくださーい。」
「はーい…。」

私の体を抱えるように腕を回して検査を進める看護師さん。時折息を止めるように指示されるものの、ほとんど横になったままで過ごすし、30分ほど経っただろうか。

「…はい、検査はこれで終了です。今ジェル拭きますねー。」
「あ、ありがとうございますー…。」
「あと服を整えてもらって大丈夫ですよ。今日の検査結果は先生の方に見てもらうので、後日また結果を聞きに来てもらうことになるかと思います。今日はこれで終了です、お疲れさまでしたー。」
「ありがとうございました。」

看護師さんが画面の方をカチカチと操作して、いくつか画像を保存したと思われるが、結局私は一度も画像を見ることはなかった。…ちくしょう!
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