上 下
24 / 317
第二章 ヘタレ冒険者

第八話 罠を仕掛けよう

しおりを挟む
「お兄ちゃん、この辺に野菜を撒くね」

「おう、俺はあっちの方に罠を仕掛けるわ」

「うん!」


 俺とエリナは西の平原でダッシュエミュー捕獲作戦を実施している。
 罠の放置は禁じられているので、忘れずに埋め戻せるように落とし穴は一か所だけ作る。
 複数の罠を作っちゃうと、全部埋め戻したっけ? って夜に気になって眠れなくなっちゃうからな。

 余った野菜屑は百メートル間隔で適当にバラ撒いて、餌を食ってる間に近づいて魔法で仕留めようという作戦だ。


「<トラップホール>!」


 直径三メートル、深さ五メートルの穴を掘り、上に筵を置いて四方に石を置き、中央に野菜を放り投げる。
 布だと高いので筵だ。三国志演義の序盤で英雄の一人が織ってたアレね。


「お兄ちゃん準備できたー!」


 百メートル程ダッシュしながら此方に向かって走ってくるエリナ。
 足速いなこいつ。
 そうか空気抵抗が殆どないのか。
 悲しいな妹よ。


「よし、じゃあ隠れるか」

「うん!」


 バラ撒いた野菜と落とし穴が見渡せる場所に生えている背の高い草に身を隠し、エリナと二人で獲物を待つ。
 相変わらず暇なのでエリナの髪を弄って遊ぶ。


「お兄ちゃん、この髪型って何?」

「大銀杏っていう髪型だな。スモウレスラーという職の中でも、セキトリという上級職しか許されない高貴な髪型なんだぞ」

「ふーん、不思議な形だね」

「鬢付け油が無くて固定出来ないからただのちょんまげだどな」

「これは好きじゃないなぁ」

「気に入られても俺が許さないけどな」

「もう! 私に似合う髪型を探してよ」

「と言ってもなぁ」

「あっ! お兄ちゃん! あれ!」


 エリナが指を指す方向を見ると、三百メートル程先か、ダッシュエミューが野菜をついばんでいるようだ。


「よし、エリナの風縛の射程圏まで走るぞ!」

「わかった!」


 俺とエリナは草むらから飛び出し、走ってダッシュエミューに向かう。
 ちょんまげがほどけていつものストレートになったエリナの髪が靡く。
 流石に俺の方が足が速いが、エリナも中々速い。
 一応風下だけど、魔法を使う前に気づかれても意味が無いからエリナの後ろを走るか。


「お兄ちゃん! もう届くから魔法を使うよ!」

「よし、やれ!」

「<風縛>!」


 エリナの風魔法で、食事中のダッシュエミューが風の玉に拘束される。
 鳥なのに大の字に体を広げさせられて非常にシュールだ。


「よし、捕まえたな。疲れたからここからは歩こう」

「お兄ちゃんは体力無いなー」

「この後アレを背負うんだぞ。あとぜーぜー言ってる時にグロいのを見たら吐く」


 エリナと風縛で拘束されているダッシュエミューの元へてくてくと歩いていると、ドドドという音が近づいてくる。


「お兄ちゃん!」

「あぁ、今日は大漁だな。エリナはその状態で魔法を使えるか?」

「無理だと思う!」

「イメージが大事だからな、その辺はまたギルドの訓練場でやるか」


 エリナの魔法は上級貴族並みの潜在能力があり、今の時点でも強力だが、魔法を複数発動する事が出来ない。
 風と火を混ぜるような複合魔法も、エリナはドライヤー魔法くらいしか出来ないが、俺はいくつかの複合魔法の発動に成功している。
 もちろん俺の魔法の威力は一般レベルではあるし、同時発動だと威力は減衰する等の問題点もあるのだが。
 次の雨の日はその辺の訓練だな。


「拘束してる奴の首を斬りに行ってる間に逃げられそうだな。先ずあいつは俺が仕留めるから、エリナは魔法を維持しててくれ」

「わかった! お兄ちゃん頑張って!」


 風縛は強力な魔法ではあるが、手をかざして常に魔力を放出しなくてはならない為、並列処理の苦手なエリナは、風縛を維持しながらダガーを取り出して首を切るという行動が取れない。
 特にエリナの場合、風縛は両手で獲物を捕まえるイメージとの事で、片手を離すと魔法が解けてしまうのだ。
 でも俺は、風縛を片手で魔力放出して維持しつつ、他の魔法を使ったり、武器を使ったりなど出来るのだが、他の魔法を発動しながらの風縛だと、ホーンラビットですらたまに抜け出されたりする程度の拘束力しか出せない。

 ダッシュエミューが俺の魔法の射程圏である百メートルに近づいてくる。
 風縛は多分効かないから足を切るか。


「<ウインドカッター>!」


 十五センチ程の風の刃が十本出現し、ダッシュエミューの足元に射出される。


 ぴょん!


「えっ何アイツ、ジャンプして避けたんだけど風の刃が見えるの?」

「お兄ちゃん、魔物は魔力が見えるんだよってこの前教わったじゃない」

「あ、そうか。なら凍らせて足を止めるか」


「<アイスジャベリン>!」


 直系十センチ、長さ二メートルの氷の槍を射出する。
 水魔法の初級でも応用版の方だ、着弾した部分を中心に対象物を凍らせることができる。

 氷の槍を見て避けようとするダッシュエミューだが、この魔法は射出後も意識したままならばある程度操作できるのだ。
 俺は氷の槍を操作してダッシュエミューに直撃させる。


「よし!」

「お兄ちゃん凄い!」


 ばりーん!


 ダッシュエミューが一瞬凍り付くも、足と地面を凍結させていた氷を破壊して再び走り始める。


「マジかよ」

「あらら」

「くっそ<ライトニングボルト>! <ライトニングボルト>!」


 落雷の魔法を連打するも、ダッシュエミューはジグザグ走行で避けまくる。
 雷魔法はスピードが速いけど操作できないんだよなぁ。
 稲妻を操作するってイメージがどうにも出来ないしな。


「<ライトニングスピア>!」


 氷の槍よりも超高速で射出された電撃の槍もダッシュエミューに避けられる。
 やはり足の速い奴には操作して誘導させないと当てられないか。距離もあるし。

 俺達を敵だと認識したらしいダッシュエミューは、俺達から逃げようと大きく進行方向を変え、背中を向けて駆け出す。
  


「<ファイアランス>!」


 逃がすくらいならもう魔石だけでも良いか、と炎の槍を出現させ射出する。


 ばふん!


 俺の射出した炎の槍は、ダッシュエミューにしっかり誘導したお陰で着弾し、ケツに火が着いた状態になる。
 ケツに火が付いたダッシュエミューは混乱し、とにかく俺達から逃げようと迷走しだす。
 えっ、まともに直撃してもあれだけなの? 俺の魔法しょっぱくない?
 と、唖然としながら滅茶苦茶混乱して走ってるダッシュエミューを眺めていると


 ぼごん! メラメラメラ


 迷走したダッシュエミューが落とし穴に落ちた途端、火が全身の羽毛に回ったのか、黒い煙がもうもうと落とし穴から立ちのぼる。


「お兄ちゃん凄い! ダッシュエミューがお兄ちゃんの作った落とし穴に落ちたよ!」

「......狙って追い込んだからな」

「凄い! 凄い!」


 純粋なエリナについ嘘をついてしまった罪悪感に苛まれつつ、まずはエリナの方を終わらせようと歩き出す。


「威力の高い土の槍を使っても、あれは速度が遅いから避けられただろうしなぁ」

「近くからなら風刃は当たったかもね、お兄ちゃん」

「射程距離ギリギリだとどうしても避けられるからな。風の刃もある程度は誘導できるけど、急にあんなジャンプをされたら無理だわ」


 てくてくと風縛で拘束したダッシュエミューにたどり着く。


「じゃあまたひっくり返してくれ」

「はーい!」


 エリナがくるんと風の玉をひっくり返して首を下にする。
 そうか、日本刀の初めての出番だな。
 汚したくないし風の魔法で刀身を覆うか。


「<トラップホール>!」


 血を捨てる為に直径一メートル、深さ二メートル程の穴を空ける。
 これの射程距離があれば逃げるダッシュエミューの前に穴を空けられたんだけど、これ十メートル位しか射程距離が無いんだよな。


「<ウインドエッジ>!」


 刀身を風の魔法で覆い、一気に首を斬り飛ばす。
 すぽーん! とダッシュエミューの首を斬ると、血と一緒に先程まで食っていた野菜屑らしき物がでろでろと出てくる。
 ゲロかよ......。

 キモいキモいと思いながらその場から少し下がる。
 しかし斬れ味が凄いな、魔法の分が上乗せされているとはいえ、ダッシュエミューの首に触れた感触すらなかったぞ。

 一応血振りをした後、魔法を解除して刀身を見るが、汚れなどは着いていないようだ。
 そのままくるんと回して納刀する。


「ぎゅー」

「絞るな絞るな。鳥モツが出るから」


 しばらくダバダバと血が出てるが、グロ耐性の無い俺は目を背けている。

 
「ヘタレなお兄ちゃん、血抜き終わったよ!」

「ご苦労エリナ。じゃあ籠に入れてくれ」


 グロ耐性持ちの妹が血抜き処理を終了したので、籠を穴の横に置き、土魔法で穴を埋め戻す。


「<ストーンシャワー>!」


 ドサドサと砂利を穴に入れ、丁度良い所で魔法を止める。


「お兄ちゃん、籠に入ったよ」

「よし、じゃああのまだ燃えてる奴の所に行くか」

「お兄ちゃんの全属性魔法って便利だよねー」

「まさに器用貧乏って感じだけどな。ダッシュエミューに効く有効な攻撃魔法が無いんだぞ」

「でも色々な魔法を使ってダッシュエミューを罠に追い込んだよ! 流石お兄ちゃん!」

「ソウデスネ」

「私は風縛を使うと何も出来なくなっちゃうしねー」

「まぁお互いを補い合う良いパートナーって事で良いんじゃないか?」

「そうだね! えへへ!」


 完全に俺の方が助けられてるよな、と思いながらも、未だもくもくと黒煙を上げている落とし穴に近づく。


「まだ燃えてるな」

「ちょっと美味しそうな臭いがするね!」

「すごいなお前」


 血抜き中から出来るだけ鼻で呼吸しないようにしてた俺だが、少し勇気を出して鼻呼吸をしてみる。
 言われてみればそんなに悪臭はしないな。
 むしろちょっと香ばしいかもしれん。


「どうすっかなー、水ぶっかけて火を消したら、風縛で持ち上げて魔石を回収するか」

「もう剥ぎ取り出来ないしね」

「<ウォーターフォール>!」


 滝のように水が注がれると、即鎮火する。
 今はこれで風呂の水を溜めている。
 ポンプはガキんちょ共が家庭菜園とか洗濯用に有効活用してくれてる。
 無駄にならなくて良かった。 


「じゃあ風縛を使うね!」

「いや、俺がやるよ。暴れないなら持ち上げられるだろうし」

「わかった!」

「<風縛>!」


 真っ黒に焦げたダッシュエミューを風縛で拘束し、持ち上げて穴の外に出して魔法を解く。


「さてどうやって魔石を探すか」

「心臓の近くらしいけどね。私がやろうか?」

「ある程度風の刃でバラそう。キモいし」

「じゃあお願いするね」

「任せろ。<ウインドカッター>!」


 サクサクとダッシュエミューだった物を切り刻む。
 断面を見ると中身はまだ半生じゃねーか。血はそれほど出ないけど。


「ダッシュエミューはあまり美味しく無いみたいだから残念だったね!」


 美味ければ食うのかと突っ込む余裕も無く、魔法で刻んで、鳥もも肉や手羽先など魔石の無い所をどんどん穴に蹴り入れて行く。
 このあたりは鳥胸肉っぽいからそろろそハツが出てくるかなーと魔法で解体していると、コロンとピンポン玉サイズの鈍く光る石が出てくる。

「これかな?」

「多分!」

「結石とかじゃないよな? あと鳥って石とか砂を飲みこまなかったっけ?」

「わかんない!」

「まぁ光ってるし多分これだろ。間違ってたら勉強代だな。これ以上解体するのは精神的に無理」

「ヘタレー」

「これでもまだ鳥だから何とかなったんだぞ。手羽元とか丁度良く火が通ってて見た目は悪くなかったし」

「美味しい種類だったらねー」


 もうエリナの食欲には突っ込まない事に決めた俺は、水魔法で魔石を軽く洗ってから回収する。
 残りの部位をガシガシと穴に蹴り落としたら、穴を埋めて完了だ。


「さー帰るか。ダッシュエミュー狩りは結構効率良いんじゃないか? 時間も早く済むし」

「そうだね! それに籠には一匹しか入らないけど、風縛で捕まえたまま冒険者ギルドに持って行けば一回の狩りで二匹分稼げるかも!」

「町がパニックになるかもな」


 いつものようにアホな妹との会話を楽しみながらながら町に帰るのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru
ファンタジー
‐魔法-それは才能のある者にしか使えぬ古代からの御業。 田舎に生まれ幼い頃より土魔法を使える少年がいた。魔法が使える者は王の下で集められ強力な軍を作るという。16歳になり王立魔法学園で学ぶ機会を得た少年が知ったのは属性によりランクがあり自分の属性である土は使う者も少なく最弱との事。 攻撃の火・回復の水・速度の風・最強の光と闇・そして守りの土。 その中において守りや壁を作り出す事しか出来ない土は戦場において「直ぐに死ぬ壁役」となっていた。役割はただ一つ。「守りを固めて時間を稼ぐ事」であった。その為早死に繋がり、人材も育っていなかった。土魔法自体の研究も進んでおらず、大きな大戦の度に土魔法の強者や知識は使い尽くされてしまっていた。 田舎で土魔法でモンスターを狩っていた少年は学園で違和感を覚える。 この少年研究熱心だが、友達もおらず生き残る術だけを考えてきた 土魔法しか使えずに生きる少年は、工夫によって自身の安全を増やして周囲の信頼と恋慕を引き寄せていく。 期待を込めて入った学園。だがその世界での常識的な授業にもついていけず、学業の成績も非常に低い少年は人と違う事を高める事で己の価値を高めていく。 学業最低・問題児とレッテルを張られたこの少年の孤独が、世界と常識を変えて行く…… 苦難を越えた先には、次々と友達を得て己を高めていく。人が羨ましがる環境を築いていくが本人は孤独解消が何よりの楽しみになっていく。…少しだけ面倒になりながらも。 友人と共に神や世界の謎を解いていく先には、大きな力の獲得と豊かな人脈を持っていくようになる。そこで彼は何を選択するのか… 小説家になろう様で投稿させて頂いている作品ですが、修正を行ってアルファポリス様に投稿し直しております。ご了承下さい。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

異世界では人間以外が日本語でした

みーか
ファンタジー
 前世の記憶はあるけど、全く役に立たない少年シオンが日本語の話せる獣人達に助けられながら、頑張って生きていく物語。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい

斑目 ごたく
ファンタジー
 「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。  さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。  失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。  彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。  そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。  彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。  そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。    やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。  これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。  火・木・土曜日20:10、定期更新中。  この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。

処理中です...