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カークが陛下からどこまで聞いているか分からないけど、とにかく説明を始める。ピーちゃんの話はもう何回も話しているから、すらすらと言葉は出てくる。
思ったより簡潔に要点は伝えられたはずだ。
カークはずっと黙って聞いていて、それがあまりにも無反応だから、本当にちゃんと聞いているのかとこっちが不安になるくらいだった。
長い話をしてる時は、相槌は欲しいよね。
で、最後まで話し終わっての一言目が、
【ふうん】
だって。
「ふうんって、他に感想はないの?」
【感想……と言われても……】
「カークなら何か分かるんじゃないかって言うから、わざわざこうして連絡したのに」
したくないのにもの凄く我慢して連絡をして、一生懸命話をしたのに、なに? その興味なさそうな返事。
【したのにって、ピーちゃんの事がなければ、連絡しないつもりだったの?】
「そ……そんなことないよ。だから今日、ちゃんと連絡したじゃない」
図星を指されて、少し焦る。慌ててそう言ったけど、カークはまた、ふうん、って言った。
「ねぇ、カーク、その“ふうん”って何? ……他に何か言うことないの?」
【……キーラ、もしかして怒ってるの?】
「怒ってないよ。その“ふうん”って言うのが気になるだけ」
その言い方が、何だかとってもいらつくんだよね。
【……ふう】
「ほら! また!」
【……ごめん。もう言わない……ようにする。でもキーラだって悪いよ。昨日連絡くれるって約束したのに連絡くれないし……】
「れ、連絡は気が向いたらって言ったじゃない!」
【そう言うと思って、いつ連絡が来てもいいように、私はこうしていつもブレスレットを身につけて魔力を通して連絡が来るのを待っていたんだ。それなのにやっと連絡が来たと思ったら変なマント被って顔も見せてくれないし、言い訳してくれない】
「そ、それは……」
【その上……】
「まだあるの!?」
【あるよ】
カークは抑揚なくそう言って続けた。
【キーラがフォルナトルに帰ってこないつもりだなんて言われて、連絡が来るまで、私がどんな気持ちで待っていたか分かるかい?】
抑揚ない応えだからこそ、その感情が分かりやすい。
【……この間の通信だって、途中で切れてしまったし、父の話を聞いて、あぁ、本当に嫌われたのかもしれないと思ったよ。なのに父はキーラがフォルナトルに帰ってくるように説得しろって言う。もし嫌われていたら、説得なんて出来るわけがないのに】
「……もしかしてカーク、怒ってるの?」
もしかしなくても怒っていると思うけど。
【そうだね、怒ってるよ】
間髪いれずに答えられる。今度はちゃんと怒っている口調だ。
これって謝った方がいいのかな。でも、私何か悪いことした?
「……連絡が遅くなったのは謝るよ。でも、フォルナトルに帰らないって言ったのはそっちが戦争してるからで、カークとは関係ないよ。誰が悪いって言ったら、リーナが悪いと思う」
少しムッとしながら言うと、カークは大きくため息をついた。
【リーナが悪い、ね……そうだね。リーナが悪い……】
今度は呆れたように首を振った。
【……キーラは私を嫌いにならない?】
「嫌いには……ならないよ」
多分、と言うのを飲み込んで首を傾げると、カークも同じように首を傾げた。
【そう。か】
「そうだよ。だから、ピーちゃん見て」
私もだけど、カークも落ち着いたみたいだから、そう振ってみる。
【あぁ、ピーちゃんか。少し遠いな。その瓶をこっちに近づけること出来るか?】
「うーん、私瓶に触っちゃいけないってお父さんに言われてるから……誰か呼んで」
【あぁ、魔力がとられるのか……ブレスレットを……】
言いかけて、止まる。そしてそのまま暫くピーちゃんの方を見て。
【……緑色の鳥じゃなくなったのか】
え、今更?
【うーん、見た目はただの鳥だな。全体の感じも、前のピーちゃんとあまり変わってないな】
「そう、なんだ」
【……黒いものを食べたんだよね】
「うん。結構な量を食べたと思う」
【黒いもの……あぁ、そうだ。その黒いものなんだけれど、見える人と見えない人がいるみたいなんだ】
「そうなの?」
【あぁ。ミランダの魔石を展開した時黒い霧が出ていたろう?】
「うん」
【あの時、黒い霧としてアレを認識してたのは、私とキーラ、ケビンだけだったんだ。ミランダ嬢は分からないが、ローニャ嬢もアリーダも黒い霧は見えてなかったと言ってる。あの後映像でも何人かに確認してもらったが、デリックは見えたがダリルは見えなかった】
「陛下も見えなかったって言ってた」
何だろう、その区分け。
私とカークに、ケビン、デリックって、ゲームに出てくる人だよね。
【あぁ、そうだ。父も見えないと言っていた。他に見えたのは……】
「お父さんも見えたよ」
【ルキッシュ王が?】
カークが不思議そうに眉を寄せる。
「ピーちゃんに入ってたから……かな?」
なんとなくそう言ってみたけど、お父さんもゲームに関係あるのかな……あれ、やっぱりラスボス?
思ったより簡潔に要点は伝えられたはずだ。
カークはずっと黙って聞いていて、それがあまりにも無反応だから、本当にちゃんと聞いているのかとこっちが不安になるくらいだった。
長い話をしてる時は、相槌は欲しいよね。
で、最後まで話し終わっての一言目が、
【ふうん】
だって。
「ふうんって、他に感想はないの?」
【感想……と言われても……】
「カークなら何か分かるんじゃないかって言うから、わざわざこうして連絡したのに」
したくないのにもの凄く我慢して連絡をして、一生懸命話をしたのに、なに? その興味なさそうな返事。
【したのにって、ピーちゃんの事がなければ、連絡しないつもりだったの?】
「そ……そんなことないよ。だから今日、ちゃんと連絡したじゃない」
図星を指されて、少し焦る。慌ててそう言ったけど、カークはまた、ふうん、って言った。
「ねぇ、カーク、その“ふうん”って何? ……他に何か言うことないの?」
【……キーラ、もしかして怒ってるの?】
「怒ってないよ。その“ふうん”って言うのが気になるだけ」
その言い方が、何だかとってもいらつくんだよね。
【……ふう】
「ほら! また!」
【……ごめん。もう言わない……ようにする。でもキーラだって悪いよ。昨日連絡くれるって約束したのに連絡くれないし……】
「れ、連絡は気が向いたらって言ったじゃない!」
【そう言うと思って、いつ連絡が来てもいいように、私はこうしていつもブレスレットを身につけて魔力を通して連絡が来るのを待っていたんだ。それなのにやっと連絡が来たと思ったら変なマント被って顔も見せてくれないし、言い訳してくれない】
「そ、それは……」
【その上……】
「まだあるの!?」
【あるよ】
カークは抑揚なくそう言って続けた。
【キーラがフォルナトルに帰ってこないつもりだなんて言われて、連絡が来るまで、私がどんな気持ちで待っていたか分かるかい?】
抑揚ない応えだからこそ、その感情が分かりやすい。
【……この間の通信だって、途中で切れてしまったし、父の話を聞いて、あぁ、本当に嫌われたのかもしれないと思ったよ。なのに父はキーラがフォルナトルに帰ってくるように説得しろって言う。もし嫌われていたら、説得なんて出来るわけがないのに】
「……もしかしてカーク、怒ってるの?」
もしかしなくても怒っていると思うけど。
【そうだね、怒ってるよ】
間髪いれずに答えられる。今度はちゃんと怒っている口調だ。
これって謝った方がいいのかな。でも、私何か悪いことした?
「……連絡が遅くなったのは謝るよ。でも、フォルナトルに帰らないって言ったのはそっちが戦争してるからで、カークとは関係ないよ。誰が悪いって言ったら、リーナが悪いと思う」
少しムッとしながら言うと、カークは大きくため息をついた。
【リーナが悪い、ね……そうだね。リーナが悪い……】
今度は呆れたように首を振った。
【……キーラは私を嫌いにならない?】
「嫌いには……ならないよ」
多分、と言うのを飲み込んで首を傾げると、カークも同じように首を傾げた。
【そう。か】
「そうだよ。だから、ピーちゃん見て」
私もだけど、カークも落ち着いたみたいだから、そう振ってみる。
【あぁ、ピーちゃんか。少し遠いな。その瓶をこっちに近づけること出来るか?】
「うーん、私瓶に触っちゃいけないってお父さんに言われてるから……誰か呼んで」
【あぁ、魔力がとられるのか……ブレスレットを……】
言いかけて、止まる。そしてそのまま暫くピーちゃんの方を見て。
【……緑色の鳥じゃなくなったのか】
え、今更?
【うーん、見た目はただの鳥だな。全体の感じも、前のピーちゃんとあまり変わってないな】
「そう、なんだ」
【……黒いものを食べたんだよね】
「うん。結構な量を食べたと思う」
【黒いもの……あぁ、そうだ。その黒いものなんだけれど、見える人と見えない人がいるみたいなんだ】
「そうなの?」
【あぁ。ミランダの魔石を展開した時黒い霧が出ていたろう?】
「うん」
【あの時、黒い霧としてアレを認識してたのは、私とキーラ、ケビンだけだったんだ。ミランダ嬢は分からないが、ローニャ嬢もアリーダも黒い霧は見えてなかったと言ってる。あの後映像でも何人かに確認してもらったが、デリックは見えたがダリルは見えなかった】
「陛下も見えなかったって言ってた」
何だろう、その区分け。
私とカークに、ケビン、デリックって、ゲームに出てくる人だよね。
【あぁ、そうだ。父も見えないと言っていた。他に見えたのは……】
「お父さんも見えたよ」
【ルキッシュ王が?】
カークが不思議そうに眉を寄せる。
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