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一体何がどうなってそうなるのか、私にはさっぱりだ。
バルドは青い鳥がお父さんだとすぐに認めてしまった。
私が座るように言った時は無視したくせに、青い鳥がそう言ったらあっさり座った。
そして感極まった様子で青い鳥を見つめている。
「バルド、カイギノホウハドウダイ?」
青い鳥は私の肩の上から、バルドに尋ねる。
「ラーシュ様が倒れられた時は荒れましたが、今は大分落ち着いています」
「ソウ……ゼンオウハハドウシテイル?」
「この間の事件からは少し大人しくなりました。事件にかかわっていなかった前王派が彼らを押さえている、と言う感じでしょうか」
「マダウゴキヲミセソウカイ?」
「いえ、アーサー様が動かれていますので大丈夫かと」
「ヘエ、アーサーガ……」
青い鳥が何かを考えるように首を傾げた。
「あの、ラーシュ様。ラーシュ様はルテルにいると聞きましたが、一体どうやってこちらに……」
「アァ、ソレハ、キーラノキテンノオカゲダ」
「機転、ですか?」
「ソウ。キミタチガナカナカフォルナトルト、レンラクヲツケレナイカラ。キーラガウゴイタンダ」
ちょっとお父さん、その言い方良くない。
ほら、バルドの眉間にしわがよったじゃない。
「ラーシュ様、その、キーラ様は本当に……ラーシュ様の……」
「ワタシノムスメカッテ、イイタイノ?」
バルドが頷いた。
青い鳥が羽を膨らます。
――――――あ、怒った。
「……ムスメダヨ。ワタシト、カーラノ、タッタヒトリノ、ムスメダ」
「お父さん」
「バルド、コンナトキノタメニ、キミタチニハ、チャントレンラクノツケカタヲ、オシエテオイタヨネ? イママデ、ナニヲシテイタノ?」
「それは……」
「ワタシニツイテイルオウゾクハ、タシカニヨワイケド、キミタチガウゴクノヲジャマシナイハズダ。ゼンオウハモダ。ナゼ、ウゴカナカッタ?」
バルドは、俯いてしまった。
「バルド、ナニカイウコトハ?」
「……すみません」
「マァ、イイヨ。イマハ。コノコトハアトデジックリ、ハナシアオウ。キョウ、ヨビダシタノハ、ソンナコトヲイウタメジャナイカラ」
青い鳥はバルドの肩へ飛び移る。
「バルド、キミニタノミタイコトガアル」
「はい」
「ワタシハ、アス、カラダニモドロウトオモウ」
「明日、ですか?」
「ソウ、アス。デ、キミニワタシトキーラヲ、オウノマヘツレテイッテホシイ」
「それは構いませんが……」
青い鳥の言葉に、バルドは不思議そうな顔をする。
私も不思議だ。
「お父さん、何でそんなことわざわざ」
「ワタシタチノコトヲ、シッテイルモノノホウガイイデショ?」
「それはそうだけど……」
「バルド、ダレカニカワルヨウイワレテモ、カナラズキミガクルヨウニ」
「……分かりました」
バルドが頷くと、青い鳥は満足げに頷き、私の方へ戻ってきた。
「キット、ジャマガハイルカラ、ジュウブンチュウシテクルヨウニ」
バルドは青い鳥がお父さんだとすぐに認めてしまった。
私が座るように言った時は無視したくせに、青い鳥がそう言ったらあっさり座った。
そして感極まった様子で青い鳥を見つめている。
「バルド、カイギノホウハドウダイ?」
青い鳥は私の肩の上から、バルドに尋ねる。
「ラーシュ様が倒れられた時は荒れましたが、今は大分落ち着いています」
「ソウ……ゼンオウハハドウシテイル?」
「この間の事件からは少し大人しくなりました。事件にかかわっていなかった前王派が彼らを押さえている、と言う感じでしょうか」
「マダウゴキヲミセソウカイ?」
「いえ、アーサー様が動かれていますので大丈夫かと」
「ヘエ、アーサーガ……」
青い鳥が何かを考えるように首を傾げた。
「あの、ラーシュ様。ラーシュ様はルテルにいると聞きましたが、一体どうやってこちらに……」
「アァ、ソレハ、キーラノキテンノオカゲダ」
「機転、ですか?」
「ソウ。キミタチガナカナカフォルナトルト、レンラクヲツケレナイカラ。キーラガウゴイタンダ」
ちょっとお父さん、その言い方良くない。
ほら、バルドの眉間にしわがよったじゃない。
「ラーシュ様、その、キーラ様は本当に……ラーシュ様の……」
「ワタシノムスメカッテ、イイタイノ?」
バルドが頷いた。
青い鳥が羽を膨らます。
――――――あ、怒った。
「……ムスメダヨ。ワタシト、カーラノ、タッタヒトリノ、ムスメダ」
「お父さん」
「バルド、コンナトキノタメニ、キミタチニハ、チャントレンラクノツケカタヲ、オシエテオイタヨネ? イママデ、ナニヲシテイタノ?」
「それは……」
「ワタシニツイテイルオウゾクハ、タシカニヨワイケド、キミタチガウゴクノヲジャマシナイハズダ。ゼンオウハモダ。ナゼ、ウゴカナカッタ?」
バルドは、俯いてしまった。
「バルド、ナニカイウコトハ?」
「……すみません」
「マァ、イイヨ。イマハ。コノコトハアトデジックリ、ハナシアオウ。キョウ、ヨビダシタノハ、ソンナコトヲイウタメジャナイカラ」
青い鳥はバルドの肩へ飛び移る。
「バルド、キミニタノミタイコトガアル」
「はい」
「ワタシハ、アス、カラダニモドロウトオモウ」
「明日、ですか?」
「ソウ、アス。デ、キミニワタシトキーラヲ、オウノマヘツレテイッテホシイ」
「それは構いませんが……」
青い鳥の言葉に、バルドは不思議そうな顔をする。
私も不思議だ。
「お父さん、何でそんなことわざわざ」
「ワタシタチノコトヲ、シッテイルモノノホウガイイデショ?」
「それはそうだけど……」
「バルド、ダレカニカワルヨウイワレテモ、カナラズキミガクルヨウニ」
「……分かりました」
バルドが頷くと、青い鳥は満足げに頷き、私の方へ戻ってきた。
「キット、ジャマガハイルカラ、ジュウブンチュウシテクルヨウニ」
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