このやってられない世界で

３５ カーラの覚書 ゲームのこと

　結局何の解決も見ないままアーサーは仕事に戻って行った。
　私はピーちゃんにサンドイッチの残りを与えて、ガブガブ噛まれながらお母様のノートを開いた。
　２ページ目のニコちゃんマークに触れてみる。
　スッと力が抜き取られる感覚の後、文字が浮かび上がった。




ゲームのこと　１

乙女ゲーム【忘却のアビリティ】
　主人公は、リーナ・オンリンナ
　義姉によって虐げられているが、ある日聖なる力に目覚め、選ばれし者たちとともに世界を破滅から救う。


選ばれし者・攻略対象者（初期）
　１．カーク・フォルナトル　　フォルナトル王国の王子
　２．フランク・ジャニアス　　フォルナトル王国・宰相の三男
　３． デリック・アディソン　　フォルナトル王国・騎士団長の次男
　４． ケビン・ヒュフラー　　　フォルナトル王国・魔法師団長の養子
　５． ジョシュア・ウェルニア　フォルナトル王国・フォルナトル学園教師
　　　（全員が誕生していることを確認済み）


敵
　闇の存在　謎？
　　　この世界に、この概念はない感じ。聖女って言うのも無い。
　　　ゲーム独自のものかも
　キーラ　リーナの義姉
　その他　モブだと思うので省略


物語（あらすじ）
　リーナの両親がオンリンナ家へ戻るところから物語は始まる。

　オンリンナ家には、リーナの父の前妻（離婚してねぇ！）が、義姉・キーラと共に住んでいたが、前妻が病により死亡（！）したため、当主としてオンリンナ家に戻ることになる。

　気が強く、横暴な義姉・キーラは、事あるごとにリーナをいじめた。
　しかし学園に入ると、天真爛漫な気質が高位貴族に気にいられ、キーラと向き合う力を得る。それが気にくわない義姉・キーラは、リーナにさらに辛く当るようになり、ある日とうとうリーナに魔法で襲いかかった。
　その時、リーナは聖なる力に目覚めキーラを退け、カークによって王家から聖女の位を得る。

　キーラはその後姿を消すが、それと同時に、闇の存在が明らかになり、リーナは攻略対象者たちと共に立ち向かうことになる。
　キーラはその旅路の途中、立ちふさがる悪役となり、その度にリーナと攻略対象者の仲が深まる。

　ラスボスまでに一人を選び最後の戦いへ向かう。
　キーラ、および闇の存在を倒し、選んだ相手との高感度がマックスだとハッピーエンド、ちょっと足りない、または他の対象者と同じくらいだとお友達エンド、それ以下だと修道院エンド、倒せなければバッドエンド。


　ゲームは、確かこんな感じだったと思う。
　キーラが魔法でリーナを襲うとあるけれど、オンリンナ家の血筋は魔力だけは多いけど、主魔法は攻撃系じゃないことが多い。
　主魔法が発現すると、攻撃系も使えるようになるけれど、威力は小さい。
　絶対、普通の人たちの魔法の方が強い。
　これもゲーム独自のものなのかもしれない。


　　　　　要観察！！　今日は以上！







……お母様、雑過ぎです。