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昨日に引き続き、放課後を待たずに私は家に帰った。
アーサーが出迎えてくれたが、無表情がとても怖い。
隠しても無駄なことは分かっているけれど、とりあえず部屋へ逃げ帰る。
ちなみにピーちゃんはサンドイッチ袋の中だ。
「はぁ、はぁ、はぁっと、若くても屋根裏までダッシュは辛い」
部屋の床に座り込んで大きく息をつき、サンドイッチ袋の口を開けた。
袋を開けると同時にピーちゃんが飛び出し、バサバサと部屋を何周か飛び回ると、タンスの上にとまった。
「ねぇ、ピーちゃん、貴方トイレはどうしてるの?」
「トイレ、シナイ、ソンナコト、キク、ダメ」
「トイレはするでしょ? お尻の穴は確認済みです」
「ビィ!」
ピーちゃんがひときわ大きく鳴いて、タンスの隙間の奥へと入って行ってしまった。
鳥でもお尻を見られるのは恥ずかしいらしい……ごめん。
私はサンドイッチを袋からテーブルの上にあった紙に出して包んだ。
そして袋を部屋の隅に置く。
「ピーちゃん、とりあえず、トイレはここにしてね?」
一応声をかけたけど、返事はしてくれなかった。
「お嬢様、入ってもよろしいですか?」
ノックと同時にアーサーの声がした。
「どうぞ」
「失礼します。お嬢様、今日も早退ですか?」
「えーっと、すみません、休んでしまいました」
俯いて謝罪を口にする。
アーサーがどんな表情をしているのか見るのが怖い。
今日はダリルのこともだし、ピーちゃんのこともある。
どちらも、きっと気が付いている筈だ。
「学園についてはお嬢様にお任せしています。ただ今日は早くお出かけになったようですし、今日も何か変わったことがあったのではないかと……」
あった、ありました。大ありですよ。
どちらから話すべきなのだろう。
「今度は、何があったのですか? お顔の怪我は、ご自分で治したのでしょうか?」
「えーっと、頬は治してもらいました。それからペットを飼うことにしました」
「ペット? あのタンスの上にいるモノですか?」
あぁ、やっぱり分かるんだ……。
「はい。一応、本人はトリと言っております」
「トリと、その動物が言っているのですか」
「ハイ」
「……その口調……」
ぼそりと落ちた言葉にゆっくりと頭を上げると、アーサーは眉を寄せながらこれ見よがしなため息。
「どこで拾ってきたんです?」
「公園です」
「……お嬢様はトラブルを呼びこむ方ではなかったはずですが……」
「ピーちゃんって、やっぱりただのトリじゃないんだよね」
恐る恐る聞いてみる。
アーサーの眉間のしわがさらに深くなった。
「どうでしょうね。どちらにしても、もう契約が済んだなら、どうしようもありませんよ」
何、その言い方。怖いから。
「すみませんが、ペットとなるつもりなら、一度姿を見せてください」
トリ相手にしては丁寧な言葉遣いで、アーサーがピーちゃんに呼びかけた。
ピーちゃんはきっとおとなしく出てくる筈がないと思っていたのに、あっさりと飛び出してきた。
アーサー何か怖いオーラでも出してるのか?
「ビィ!」
一声鳴いて、私の頭に着地する。
「確かに、見た目はトリですね。しかしまた厄介なものを……」
お願い、そう言う言い方止めて。本当に怖いから。
「あの、アーサー、ピーちゃんは……」
「本当に、この部屋に住むつもりですか?」
アーサーは私を制して、ピーちゃんに言った。
「ビッ」
「では一応カゴを用意します、普段はカゴにいてください。よろしいですか?」
「ビッ」
……会話してるし。
「アーサー、さっき契約したって言ったけど」
アーサーが冷たい目で私を見る。そしてピーちゃんを指差した。
「お嬢様が、これに名前を付けたのでしょう?」
あぁ、やっぱりソウですよね。
ビバ、前生の知識。
全く役に立ってないけど。
――――作者より一言―――――
ここまで読んでくださりありがとうございます。
明日の更新はお休みします。
次回更新は5月19日になります。
次回もよろしくお願いします。
アーサーが出迎えてくれたが、無表情がとても怖い。
隠しても無駄なことは分かっているけれど、とりあえず部屋へ逃げ帰る。
ちなみにピーちゃんはサンドイッチ袋の中だ。
「はぁ、はぁ、はぁっと、若くても屋根裏までダッシュは辛い」
部屋の床に座り込んで大きく息をつき、サンドイッチ袋の口を開けた。
袋を開けると同時にピーちゃんが飛び出し、バサバサと部屋を何周か飛び回ると、タンスの上にとまった。
「ねぇ、ピーちゃん、貴方トイレはどうしてるの?」
「トイレ、シナイ、ソンナコト、キク、ダメ」
「トイレはするでしょ? お尻の穴は確認済みです」
「ビィ!」
ピーちゃんがひときわ大きく鳴いて、タンスの隙間の奥へと入って行ってしまった。
鳥でもお尻を見られるのは恥ずかしいらしい……ごめん。
私はサンドイッチを袋からテーブルの上にあった紙に出して包んだ。
そして袋を部屋の隅に置く。
「ピーちゃん、とりあえず、トイレはここにしてね?」
一応声をかけたけど、返事はしてくれなかった。
「お嬢様、入ってもよろしいですか?」
ノックと同時にアーサーの声がした。
「どうぞ」
「失礼します。お嬢様、今日も早退ですか?」
「えーっと、すみません、休んでしまいました」
俯いて謝罪を口にする。
アーサーがどんな表情をしているのか見るのが怖い。
今日はダリルのこともだし、ピーちゃんのこともある。
どちらも、きっと気が付いている筈だ。
「学園についてはお嬢様にお任せしています。ただ今日は早くお出かけになったようですし、今日も何か変わったことがあったのではないかと……」
あった、ありました。大ありですよ。
どちらから話すべきなのだろう。
「今度は、何があったのですか? お顔の怪我は、ご自分で治したのでしょうか?」
「えーっと、頬は治してもらいました。それからペットを飼うことにしました」
「ペット? あのタンスの上にいるモノですか?」
あぁ、やっぱり分かるんだ……。
「はい。一応、本人はトリと言っております」
「トリと、その動物が言っているのですか」
「ハイ」
「……その口調……」
ぼそりと落ちた言葉にゆっくりと頭を上げると、アーサーは眉を寄せながらこれ見よがしなため息。
「どこで拾ってきたんです?」
「公園です」
「……お嬢様はトラブルを呼びこむ方ではなかったはずですが……」
「ピーちゃんって、やっぱりただのトリじゃないんだよね」
恐る恐る聞いてみる。
アーサーの眉間のしわがさらに深くなった。
「どうでしょうね。どちらにしても、もう契約が済んだなら、どうしようもありませんよ」
何、その言い方。怖いから。
「すみませんが、ペットとなるつもりなら、一度姿を見せてください」
トリ相手にしては丁寧な言葉遣いで、アーサーがピーちゃんに呼びかけた。
ピーちゃんはきっとおとなしく出てくる筈がないと思っていたのに、あっさりと飛び出してきた。
アーサー何か怖いオーラでも出してるのか?
「ビィ!」
一声鳴いて、私の頭に着地する。
「確かに、見た目はトリですね。しかしまた厄介なものを……」
お願い、そう言う言い方止めて。本当に怖いから。
「あの、アーサー、ピーちゃんは……」
「本当に、この部屋に住むつもりですか?」
アーサーは私を制して、ピーちゃんに言った。
「ビッ」
「では一応カゴを用意します、普段はカゴにいてください。よろしいですか?」
「ビッ」
……会話してるし。
「アーサー、さっき契約したって言ったけど」
アーサーが冷たい目で私を見る。そしてピーちゃんを指差した。
「お嬢様が、これに名前を付けたのでしょう?」
あぁ、やっぱりソウですよね。
ビバ、前生の知識。
全く役に立ってないけど。
――――作者より一言―――――
ここまで読んでくださりありがとうございます。
明日の更新はお休みします。
次回更新は5月19日になります。
次回もよろしくお願いします。
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