139 / 172
冒険者ギルド世界を変える
137 世界という宝石箱とアリのような人間
しおりを挟む
スキル【擬態ノ神】を発動させる。
種 族:モザイク・アサシネイトオクトパス(オーバード・ボックス)
レベル:60()
スキル:【浮遊ノ理】【認識阻害ノ鬼】(【擬態ノ神】【蒐集ノ神】【無限工房ノ主】)
装 備:主従ノミサンガ 不死鳥の尾羽
擬態するのはモザイク・アサシネイトオクトパス。
迷宮32層前後に出没する魔物だ。
タコと風船と気球を足して3で割ったような見た目をしている。
戦闘力はそれほどではないが、周囲の認識を阻害するスキルと浮遊能力を持つ。
奇襲を得意とし、優れた探知能力を持たないパーティを吸盤のついた足に巻き取り、その防具ごと絞め殺す危険な魔物である。
もっとも、今回の用途は空からラ・メイズを見物するための足代わりだ。
シオンたちを頭に乗せて空へ舞い上がる。
重力を無視したように浮かんでいくのは良い気持ちだ。
空の旅の参加者は俺を含めて4人。
シオンとベルに加え、仕事漬けで消耗しているであろうコレットを呼び出した。
「すごいです。まるで鳥になったみたいです」
「い、いきなり転移で呼び出されたと思ったら空の上に…。言っても誰も信じてくれそうにないですわね…」
「いやー、ほんまにトシゾウはんといると飽きへんなぁ。ってこのセリフ何度目やろ」
誰か一人くらいは高いところを怖がるかと思ったが…。
足場がかなりしっかりしているからか、はたまた現実離れした景色ゆえか、全員おっかなびっくりながらも眼下の風景を楽しんでいるようだ。
獣人は水と高所を嫌う。
シオンも水は苦手だが、高いところは問題ないらしい。
スキル【浮遊ノ理】が働いているため、俺の周囲は風も気温も穏やかだ。
そのまま高度を上げ、ラ・メイズが一望できるところまで上昇する。
ラ・メイズの中心にあるヘソのようなメインゲート。
冒険者区画を挟んで魔物の氾濫を抑えるための歯車型の内壁。
その外には貴族区画があり、正五角形の外壁が見える。
外壁の外にも多くの建物が広がり、四方へ街道が伸びていく。
その街道は多くの衛星都市を経由し、特殊区画を開放して生まれた領地を経て、やがては荒野へと至るのだろう。
迷宮から産出した食材や資材を満載した馬車が街道を行く様子は、まるで血管を流れる栄養素のようだ。
瘴気を迷宮が変換することによって生まれた素材が人間を生かし、その人間が宝を生み出していく。
素晴らしいことだ。
邪神の生み出す瘴気は人間の領域を蝕む毒でありながら、同時に人間を生かす薬なのだ。
上空から見るとよりはっきりとそのことを意識する。
生み出される宝を思えば、それは俺の欲求とも無関係ではない。
…欲望のままに生きてきたが、俺も多くのものと関りを持った。
世界のこと、迷宮のこと、邪神と瘴気のこと、今なら迷宮主から詳しい話を聞くのもやぶさかではないと感じる。
ラ・メイズはメインゲートを擁する人族の、人間の心臓部だ。
その心臓の動きは活発になっている。他ならぬ自分の手によってだ。
推測だが、近いうちになんらかの変化があるだろう。根拠はないが、確信に近い考えを抱く。
変化が起こるのはラ・メイズだけではないだろう。
ラ・メイズから送り出された血液が、思わぬ何かを持ち帰ってくるかもしれない。
はるか地平線の果て、荒野に目を向ける。
陽の光を受けて輝く世界は、上空から見るとまるで宝石箱を覗き込んでいるようだ。
魔物の跋扈する荒野、世界の外縁部に広がる広大な海、ひっそりと存在するというドワーフやエルフの領地。
そこにもまだ見ぬ景色と宝が俺を待っているのかもしれない。
向こうからアクションがないのなら。この場所からでは確認ができないが、いずれ訪れてみるのも良いかもしれないな。
「これが空から見たラ・メイズ…。なんだか的当て遊びの的みたいです。あ、あれが冒険者ギルドですね。すごく大きいです」
「こうして上空から見ると区画ごとにだいぶ見た目が違うのですわね。レインベルとは違って区画がすごくわかりやすいですわ」
「屋根からして金のかけ方がちゃうからな。貴族区画は屋根までキンキラキンやで。まぁこれから富を操るのはウチらやけどな。とりあえず貴族さんにはお金を吐き出してもらわんとなぁ」
頭の上で会話をする所有物たちの声が、遠くへ飛んでいた意識を引き戻す。
楽し気に会話をしている三人だが、割と自由に発言な飛び交いあまり噛み合っていない。それぞれ視点が異なっているのがおもしろい。
シオンは純粋に見えた景色を評価している。
コレットはラ・メイズの区画の違いに目が行っているようだ。
そしてベルは相変わらずである。
「冒険者ギルドの入り口から人が蛇みたいになってます。あれってひょっとして…」
ひとしきり上空からの景色を楽しんでいたが、シオンの言葉に全員が目的を思い出した。
「あ、良く見ると動いていますわね。壁か何かかと思っていましたわ。あの全てが人ですの?」
コレットの指さす先にはゴマ粒ほどの大きさの点がワサワサと集まり、長い列を形成していた。
概算だが一万人ほどは列に並んでいるのではないだろうか。
上空から見た人間はちっぽけな存在だ。
そしてそれは地上で見ても、やはり変わらない。
だが、俺はそのちっぽけな人間がただのちっぽけな存在で終わらないことを知っている。
それは前世の知識で、そして今世の経験で。
ゴマ粒のような人間も、集めれば巨大な生き物のように強大な力を発揮する。
時に、知恵ある魔物に匹敵する個が生まれることもある。
眼下にある人の列は、見下すような言い方をすれば、砂糖に群がるアリのようだ。
だが視点を変えれば、その一人一人が貪欲に力と豊かさを求める独立した個体なのだ。
冒険者ギルドは人間のために巨大な砂糖を提供し、俺はその見返りを得るつもりだ。
「さすがしーちゃんは目がええな。あれがギルド登録の順番待ちの列やで。登録のための魔道具はトシゾウはんからたくさんもらっとるけど、あえて数と一日の登録者数を絞っとるんや。今の最後尾で三日待ちやな」
「み、三日ですか?そんなに並んでいたら、お腹が減って大変です。トイレも行けません」
「パーティに一人でも登録者がおったら最低限のサービスを利用できるから、みんな交代しながら並んどるな。並んどるうちに情報の説明や共有を進めとる。宣伝にもなるし、列の前で料理を売ればさらにガッポガッポやで」
手で輪っかを作り、ニヤリと笑うベル。
順番待ちの列は人の塊だ。
人はただ存在するだけで何かを消費するため、料理班の宣伝と売り上げを兼ねて食事を販売しているらしい。たくましく頼りになることだ。
「さすがベルさんです。わざと人数を減らすなんて考えつきませんでした」
「餅は餅屋ってやつやな。この分やと登録者に配るポーション代くらいにはなりそうや。あまりトシゾウはんに頼りっぱなしっていうのも商人のプライドが傷つくしなぁ。商機は無駄にせぇへんで!」
「うぅ、レインベル領の冒険者ギルド支部の責任者もベルベットさんでしたわよね。レインベルの経済が心配になってきましたわ。どうかお手柔らかに…」
仕事人のベルを見て目を輝かせるシオンと頭を抱えるコレット。
今日も所有物たちの仲が良いようで何よりだ。
種 族:モザイク・アサシネイトオクトパス(オーバード・ボックス)
レベル:60()
スキル:【浮遊ノ理】【認識阻害ノ鬼】(【擬態ノ神】【蒐集ノ神】【無限工房ノ主】)
装 備:主従ノミサンガ 不死鳥の尾羽
擬態するのはモザイク・アサシネイトオクトパス。
迷宮32層前後に出没する魔物だ。
タコと風船と気球を足して3で割ったような見た目をしている。
戦闘力はそれほどではないが、周囲の認識を阻害するスキルと浮遊能力を持つ。
奇襲を得意とし、優れた探知能力を持たないパーティを吸盤のついた足に巻き取り、その防具ごと絞め殺す危険な魔物である。
もっとも、今回の用途は空からラ・メイズを見物するための足代わりだ。
シオンたちを頭に乗せて空へ舞い上がる。
重力を無視したように浮かんでいくのは良い気持ちだ。
空の旅の参加者は俺を含めて4人。
シオンとベルに加え、仕事漬けで消耗しているであろうコレットを呼び出した。
「すごいです。まるで鳥になったみたいです」
「い、いきなり転移で呼び出されたと思ったら空の上に…。言っても誰も信じてくれそうにないですわね…」
「いやー、ほんまにトシゾウはんといると飽きへんなぁ。ってこのセリフ何度目やろ」
誰か一人くらいは高いところを怖がるかと思ったが…。
足場がかなりしっかりしているからか、はたまた現実離れした景色ゆえか、全員おっかなびっくりながらも眼下の風景を楽しんでいるようだ。
獣人は水と高所を嫌う。
シオンも水は苦手だが、高いところは問題ないらしい。
スキル【浮遊ノ理】が働いているため、俺の周囲は風も気温も穏やかだ。
そのまま高度を上げ、ラ・メイズが一望できるところまで上昇する。
ラ・メイズの中心にあるヘソのようなメインゲート。
冒険者区画を挟んで魔物の氾濫を抑えるための歯車型の内壁。
その外には貴族区画があり、正五角形の外壁が見える。
外壁の外にも多くの建物が広がり、四方へ街道が伸びていく。
その街道は多くの衛星都市を経由し、特殊区画を開放して生まれた領地を経て、やがては荒野へと至るのだろう。
迷宮から産出した食材や資材を満載した馬車が街道を行く様子は、まるで血管を流れる栄養素のようだ。
瘴気を迷宮が変換することによって生まれた素材が人間を生かし、その人間が宝を生み出していく。
素晴らしいことだ。
邪神の生み出す瘴気は人間の領域を蝕む毒でありながら、同時に人間を生かす薬なのだ。
上空から見るとよりはっきりとそのことを意識する。
生み出される宝を思えば、それは俺の欲求とも無関係ではない。
…欲望のままに生きてきたが、俺も多くのものと関りを持った。
世界のこと、迷宮のこと、邪神と瘴気のこと、今なら迷宮主から詳しい話を聞くのもやぶさかではないと感じる。
ラ・メイズはメインゲートを擁する人族の、人間の心臓部だ。
その心臓の動きは活発になっている。他ならぬ自分の手によってだ。
推測だが、近いうちになんらかの変化があるだろう。根拠はないが、確信に近い考えを抱く。
変化が起こるのはラ・メイズだけではないだろう。
ラ・メイズから送り出された血液が、思わぬ何かを持ち帰ってくるかもしれない。
はるか地平線の果て、荒野に目を向ける。
陽の光を受けて輝く世界は、上空から見るとまるで宝石箱を覗き込んでいるようだ。
魔物の跋扈する荒野、世界の外縁部に広がる広大な海、ひっそりと存在するというドワーフやエルフの領地。
そこにもまだ見ぬ景色と宝が俺を待っているのかもしれない。
向こうからアクションがないのなら。この場所からでは確認ができないが、いずれ訪れてみるのも良いかもしれないな。
「これが空から見たラ・メイズ…。なんだか的当て遊びの的みたいです。あ、あれが冒険者ギルドですね。すごく大きいです」
「こうして上空から見ると区画ごとにだいぶ見た目が違うのですわね。レインベルとは違って区画がすごくわかりやすいですわ」
「屋根からして金のかけ方がちゃうからな。貴族区画は屋根までキンキラキンやで。まぁこれから富を操るのはウチらやけどな。とりあえず貴族さんにはお金を吐き出してもらわんとなぁ」
頭の上で会話をする所有物たちの声が、遠くへ飛んでいた意識を引き戻す。
楽し気に会話をしている三人だが、割と自由に発言な飛び交いあまり噛み合っていない。それぞれ視点が異なっているのがおもしろい。
シオンは純粋に見えた景色を評価している。
コレットはラ・メイズの区画の違いに目が行っているようだ。
そしてベルは相変わらずである。
「冒険者ギルドの入り口から人が蛇みたいになってます。あれってひょっとして…」
ひとしきり上空からの景色を楽しんでいたが、シオンの言葉に全員が目的を思い出した。
「あ、良く見ると動いていますわね。壁か何かかと思っていましたわ。あの全てが人ですの?」
コレットの指さす先にはゴマ粒ほどの大きさの点がワサワサと集まり、長い列を形成していた。
概算だが一万人ほどは列に並んでいるのではないだろうか。
上空から見た人間はちっぽけな存在だ。
そしてそれは地上で見ても、やはり変わらない。
だが、俺はそのちっぽけな人間がただのちっぽけな存在で終わらないことを知っている。
それは前世の知識で、そして今世の経験で。
ゴマ粒のような人間も、集めれば巨大な生き物のように強大な力を発揮する。
時に、知恵ある魔物に匹敵する個が生まれることもある。
眼下にある人の列は、見下すような言い方をすれば、砂糖に群がるアリのようだ。
だが視点を変えれば、その一人一人が貪欲に力と豊かさを求める独立した個体なのだ。
冒険者ギルドは人間のために巨大な砂糖を提供し、俺はその見返りを得るつもりだ。
「さすがしーちゃんは目がええな。あれがギルド登録の順番待ちの列やで。登録のための魔道具はトシゾウはんからたくさんもらっとるけど、あえて数と一日の登録者数を絞っとるんや。今の最後尾で三日待ちやな」
「み、三日ですか?そんなに並んでいたら、お腹が減って大変です。トイレも行けません」
「パーティに一人でも登録者がおったら最低限のサービスを利用できるから、みんな交代しながら並んどるな。並んどるうちに情報の説明や共有を進めとる。宣伝にもなるし、列の前で料理を売ればさらにガッポガッポやで」
手で輪っかを作り、ニヤリと笑うベル。
順番待ちの列は人の塊だ。
人はただ存在するだけで何かを消費するため、料理班の宣伝と売り上げを兼ねて食事を販売しているらしい。たくましく頼りになることだ。
「さすがベルさんです。わざと人数を減らすなんて考えつきませんでした」
「餅は餅屋ってやつやな。この分やと登録者に配るポーション代くらいにはなりそうや。あまりトシゾウはんに頼りっぱなしっていうのも商人のプライドが傷つくしなぁ。商機は無駄にせぇへんで!」
「うぅ、レインベル領の冒険者ギルド支部の責任者もベルベットさんでしたわよね。レインベルの経済が心配になってきましたわ。どうかお手柔らかに…」
仕事人のベルを見て目を輝かせるシオンと頭を抱えるコレット。
今日も所有物たちの仲が良いようで何よりだ。
0
お気に入りに追加
508
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる