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レインベル領と新たな世界
87 コレットとレインベルの人々 異文化旅情
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「領の一番の見どころは、やはり水上マーケットですわ。水上マーケットへは船で移動します。こちらですわ」
案内されたのは船着き場だ。
大小の木船が荷物を載せるために並んでいる。
「こ、こんな木の箱に三人も乗ったら沈んでしまいます」
「シオン、問題ない。仮に沈むとしても転移すれば良いし、お前なら陸地まで跳べるだろう」
「は、はい。でもなんだか頭の奥の方がピリピリするんです」
なまじ【超感覚】があるため意味深に聞こえるが、単に怖がっているだけである。
船で移動する間も、シオンは俺の背から離れようとしなかった。子どもかわいい。
水上マーケットは活気に満ちていた。
船の上の客が、マーケット船の上の商品を指さし、小銭を放る。
小銭を器用にカゴでキャッチした売り子が、カラフルな果物を投げ渡す。
商品をやりとりする賑やかな声が、あちらこちらから聞こえる。
「すごいです。船の上にたくさんの果物が載っています。あ、花束も。あっちには服が積まれています。あれは、糸と針?ご主人様、あれはなんでしょうか」
「あれは釣り道具だな。湖の魚を手に入れるための道具だ」
「釣り、魚…。なんだか、初めてのものばかりで、とにかくすごいです」
すごいを連呼するシオン。
スキル【超感覚】がフル稼働しているのか、白い耳がすごい速度で動き回っている。
「トシゾウ様はやけにレインベル領に詳しいのですわね。領民以外で釣り竿のことを知っている者は限られていますわ。いくら知恵ある魔物とはいえ…」
「たまたま似た場所を知っていただけだ。レインベル領は良い場所だな」
「ありがとうございます。ここと似た場所、ですか?それは…」
「まぁ、コレット様じゃないかい。久しぶりだね、元気にしていたかい?」
不意に声をかけられ、会話が途切れる。
振り向いた先にいたのは一人の女性だ。どことなく料理班長のエルダに似ている。
エルダが食堂のおばちゃんなら、こちらは売店のおばちゃんだな。
女性の船の上には果物が積まれている。水上マーケットに果物を売りに来ていたのだろう。
「あ、おばちゃん、お久しぶりですわね」
「コレット様は相変わらず上品な話し方をするね。あら、目に隈ができてるじゃないかい。これでも食って元気だしな」
「わ、ありがとう」
「お代はいらないよ。美人のお姫様は元気なのが一番だからね」
コレットに向かって果物を放るおばちゃん。コレットが器用にキャッチする。
コレットは貴族で、ここレインベルの領主だ。元が付くが。
おばちゃんとコレットの気軽なやりとりは、前世の貴族のイメージとかけ離れている。
「おばちゃん、最近生活はどう?」
コレットが少し不安そうに尋ねる。おばちゃんはコレットが真剣に訪ねていることに気付いたようだ。
「そうさね、最近はちょっと、おかしくなってきているね。湖の水位が少しずつ下がっているし、魚や薬草の収穫も減ってきているそうだよ。不安がっている者は多いね」
「やはり、そうですか…」
「私たちはずっとここで暮らしてきた。外の世界では生きていけないだろうからね。でも、コレット様が解決してくれるんだろう?目に隈までこさえて働いてくれているようだしね」
「っ、ええ!もちろんですわ!おばちゃんたちの生活は、私が守ります。レインベルの名にかけて、何をしてでも」
「そうかい。でも無理しすぎちゃだめだよ。あたしゃコレット様のことは昔から知っているんだ。レインベルの住民はレインベル家が、あんたがどれだけ頑張っているか知っているよ」
「私は無力な…いえ、ありがとうおばちゃん、私、きっとみんなの生活を守ってみせますわ」
「そうかい、ならシャンとしな!コレット様が笑っていないと、みんなが不安になっちまうからね。前の領主様はいつも笑顔だっただろう?コレット様も見習わないとね!」
「ふふ、そうですわね」
コレットが微笑む。よく見るとカラ元気だとわかるが、それでも微笑むコレットは美しい。やはりコレットは良い女だ。
「ところで、そこにいる男はコレットの良い人かい?なかなかの面構えじゃないか」
「うむ、そうだ。コレットは俺の所有物だ。まぁ、一人目ではないがな」
「あっはっは、愛がありゃそんなもの関係ないさね。私の若いころだってね…」
「ち、違いますわ。迷宮の魔物が増えているから、それを助けてくれる冒険者ですわ!」
「ふーん、そういうことにしておいてやろうかね。それじゃ、がんばるんだよ。何があっても私はコレット様の味方だからね」
かっかっか、と笑いながらおばちゃんが去っていく。豪快な船捌きだった。
その後も頻繁に声を掛けられるコレット。
話しかけられるたびに、売り物や買ったばかりの商品が投げ込まれてくる。
俺たちが乗っている船は、気付けば品物で一杯になっていた。
俺たちは1コルたりとも金を払っていない。
人族の間で商品をやりとりするときは、対価として金を支払わなければならないはずだ。
レインベルの領民たちは、金を得られていないのに、良い顔で笑い、コレットにいろいろなものを差し出す。
コレットの存在そのものに、対価としての価値があるということなのだろうか。
権力、いや、違うな。もっと純粋な、これは好意か。
どうやらコレットには、まだ俺が知らない価値があるようだ。
俺は力づくで宝を奪うことはできるが、相手に望んで差し出させることはできない。
「コレットはすごいな」
「な、なんですの。急にすごいと言われても反応に困りますわ」
住民たちはコレットに宝を貢いだ。コレットは俺の所有物だ。ならばこれは俺への貢物と同じ。この船に満載された宝の分、レインベル領を豊かにしてやろう。
俺は船に積まれた果物をかじる。甘さと、少しの酸味が口に広がる。美味い。
「…トシゾウ様は、本当によくわからない方ですわね。知恵ある魔物でありながら、まるで人族のようでもあり、どこか気まぐれな神様のようにも見えますわ。本当は悪魔なのかもしれませんが…」
「どう感じるかはコレット次第だ。俺はトシゾウ、迷宮の魔物だ。ただそれだけだ」
「…民はレインベルそのもの。トシゾウ様風に言うのならば、私にとってかけがえのない宝物なのです。改めて、トシゾウ様に忠誠を誓います。どうか、彼らのことをよろしくお願いいたします」
コレットが頭を下げる。出会ったときと同じ、美しい礼だった。
レインベル領の住民は、すでに俺の所有物だと言える。
所有物が所有物に貢物をしたところで、迷宮を出たころの俺は何も感じなかっただろう。
だが今の俺は、住民とコレットのやりとりに価値を見出している。
人と人との関係、あるいはそれも集めるべき宝の一つなのかもしれないな。
コレット、住民、ともに…悪くない。
宝の定義は、また一つ広がる。
☆
この時に、レインベル領の住人たちは本当の意味でトシゾウの庇護対象となった。
コレットと住民が築いてきた関係性は、巡り巡って彼らを救うことになる。彼らがそれに気づくことはないが。
この外出の後、コレットはトシゾウの無限工房にアクセスできるようになった。
コレットの中でどのような心境の変化があったのか。それはコレットにもわからない。
ただ一つ言えることは、この一件以降、コレットが本当の意味でトシゾウの所有物となったということである。
「さ、さっきよりも水が近くなっています。沈むかもしれません。コレットのせいです。ご主人様、危険です。早く転移の用意を…。あ、な、なんだか気持ち悪くなってきました」
トシゾウが安全だと言い聞かせても、シオンは怯えっぱなしだった。
さらに鋭敏すぎる感覚のせいか、船酔いしてきたらしい。
水を恐れるのは獣人の本能なのかもしれない。
ポンコツなシオンもかわいいなとトシゾウは思ったのだった。
案内されたのは船着き場だ。
大小の木船が荷物を載せるために並んでいる。
「こ、こんな木の箱に三人も乗ったら沈んでしまいます」
「シオン、問題ない。仮に沈むとしても転移すれば良いし、お前なら陸地まで跳べるだろう」
「は、はい。でもなんだか頭の奥の方がピリピリするんです」
なまじ【超感覚】があるため意味深に聞こえるが、単に怖がっているだけである。
船で移動する間も、シオンは俺の背から離れようとしなかった。子どもかわいい。
水上マーケットは活気に満ちていた。
船の上の客が、マーケット船の上の商品を指さし、小銭を放る。
小銭を器用にカゴでキャッチした売り子が、カラフルな果物を投げ渡す。
商品をやりとりする賑やかな声が、あちらこちらから聞こえる。
「すごいです。船の上にたくさんの果物が載っています。あ、花束も。あっちには服が積まれています。あれは、糸と針?ご主人様、あれはなんでしょうか」
「あれは釣り道具だな。湖の魚を手に入れるための道具だ」
「釣り、魚…。なんだか、初めてのものばかりで、とにかくすごいです」
すごいを連呼するシオン。
スキル【超感覚】がフル稼働しているのか、白い耳がすごい速度で動き回っている。
「トシゾウ様はやけにレインベル領に詳しいのですわね。領民以外で釣り竿のことを知っている者は限られていますわ。いくら知恵ある魔物とはいえ…」
「たまたま似た場所を知っていただけだ。レインベル領は良い場所だな」
「ありがとうございます。ここと似た場所、ですか?それは…」
「まぁ、コレット様じゃないかい。久しぶりだね、元気にしていたかい?」
不意に声をかけられ、会話が途切れる。
振り向いた先にいたのは一人の女性だ。どことなく料理班長のエルダに似ている。
エルダが食堂のおばちゃんなら、こちらは売店のおばちゃんだな。
女性の船の上には果物が積まれている。水上マーケットに果物を売りに来ていたのだろう。
「あ、おばちゃん、お久しぶりですわね」
「コレット様は相変わらず上品な話し方をするね。あら、目に隈ができてるじゃないかい。これでも食って元気だしな」
「わ、ありがとう」
「お代はいらないよ。美人のお姫様は元気なのが一番だからね」
コレットに向かって果物を放るおばちゃん。コレットが器用にキャッチする。
コレットは貴族で、ここレインベルの領主だ。元が付くが。
おばちゃんとコレットの気軽なやりとりは、前世の貴族のイメージとかけ離れている。
「おばちゃん、最近生活はどう?」
コレットが少し不安そうに尋ねる。おばちゃんはコレットが真剣に訪ねていることに気付いたようだ。
「そうさね、最近はちょっと、おかしくなってきているね。湖の水位が少しずつ下がっているし、魚や薬草の収穫も減ってきているそうだよ。不安がっている者は多いね」
「やはり、そうですか…」
「私たちはずっとここで暮らしてきた。外の世界では生きていけないだろうからね。でも、コレット様が解決してくれるんだろう?目に隈までこさえて働いてくれているようだしね」
「っ、ええ!もちろんですわ!おばちゃんたちの生活は、私が守ります。レインベルの名にかけて、何をしてでも」
「そうかい。でも無理しすぎちゃだめだよ。あたしゃコレット様のことは昔から知っているんだ。レインベルの住民はレインベル家が、あんたがどれだけ頑張っているか知っているよ」
「私は無力な…いえ、ありがとうおばちゃん、私、きっとみんなの生活を守ってみせますわ」
「そうかい、ならシャンとしな!コレット様が笑っていないと、みんなが不安になっちまうからね。前の領主様はいつも笑顔だっただろう?コレット様も見習わないとね!」
「ふふ、そうですわね」
コレットが微笑む。よく見るとカラ元気だとわかるが、それでも微笑むコレットは美しい。やはりコレットは良い女だ。
「ところで、そこにいる男はコレットの良い人かい?なかなかの面構えじゃないか」
「うむ、そうだ。コレットは俺の所有物だ。まぁ、一人目ではないがな」
「あっはっは、愛がありゃそんなもの関係ないさね。私の若いころだってね…」
「ち、違いますわ。迷宮の魔物が増えているから、それを助けてくれる冒険者ですわ!」
「ふーん、そういうことにしておいてやろうかね。それじゃ、がんばるんだよ。何があっても私はコレット様の味方だからね」
かっかっか、と笑いながらおばちゃんが去っていく。豪快な船捌きだった。
その後も頻繁に声を掛けられるコレット。
話しかけられるたびに、売り物や買ったばかりの商品が投げ込まれてくる。
俺たちが乗っている船は、気付けば品物で一杯になっていた。
俺たちは1コルたりとも金を払っていない。
人族の間で商品をやりとりするときは、対価として金を支払わなければならないはずだ。
レインベルの領民たちは、金を得られていないのに、良い顔で笑い、コレットにいろいろなものを差し出す。
コレットの存在そのものに、対価としての価値があるということなのだろうか。
権力、いや、違うな。もっと純粋な、これは好意か。
どうやらコレットには、まだ俺が知らない価値があるようだ。
俺は力づくで宝を奪うことはできるが、相手に望んで差し出させることはできない。
「コレットはすごいな」
「な、なんですの。急にすごいと言われても反応に困りますわ」
住民たちはコレットに宝を貢いだ。コレットは俺の所有物だ。ならばこれは俺への貢物と同じ。この船に満載された宝の分、レインベル領を豊かにしてやろう。
俺は船に積まれた果物をかじる。甘さと、少しの酸味が口に広がる。美味い。
「…トシゾウ様は、本当によくわからない方ですわね。知恵ある魔物でありながら、まるで人族のようでもあり、どこか気まぐれな神様のようにも見えますわ。本当は悪魔なのかもしれませんが…」
「どう感じるかはコレット次第だ。俺はトシゾウ、迷宮の魔物だ。ただそれだけだ」
「…民はレインベルそのもの。トシゾウ様風に言うのならば、私にとってかけがえのない宝物なのです。改めて、トシゾウ様に忠誠を誓います。どうか、彼らのことをよろしくお願いいたします」
コレットが頭を下げる。出会ったときと同じ、美しい礼だった。
レインベル領の住民は、すでに俺の所有物だと言える。
所有物が所有物に貢物をしたところで、迷宮を出たころの俺は何も感じなかっただろう。
だが今の俺は、住民とコレットのやりとりに価値を見出している。
人と人との関係、あるいはそれも集めるべき宝の一つなのかもしれないな。
コレット、住民、ともに…悪くない。
宝の定義は、また一つ広がる。
☆
この時に、レインベル領の住人たちは本当の意味でトシゾウの庇護対象となった。
コレットと住民が築いてきた関係性は、巡り巡って彼らを救うことになる。彼らがそれに気づくことはないが。
この外出の後、コレットはトシゾウの無限工房にアクセスできるようになった。
コレットの中でどのような心境の変化があったのか。それはコレットにもわからない。
ただ一つ言えることは、この一件以降、コレットが本当の意味でトシゾウの所有物となったということである。
「さ、さっきよりも水が近くなっています。沈むかもしれません。コレットのせいです。ご主人様、危険です。早く転移の用意を…。あ、な、なんだか気持ち悪くなってきました」
トシゾウが安全だと言い聞かせても、シオンは怯えっぱなしだった。
さらに鋭敏すぎる感覚のせいか、船酔いしてきたらしい。
水を恐れるのは獣人の本能なのかもしれない。
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