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32 ラリー side
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黎明の羅針盤のメンバーなら彼女に連絡は取れるはずだ。
だが、彼らにどれだけ連絡をしても一切返事はなかった。そもそも彼らの居場所すら掴むことができない。
宰相が言うには、災害級の被害が出そうな事案の時に連絡が取れるよう、滞在先のギルド長に連絡係を頼んでいる様だ。そう。グレンがリサの正体を知っていたようにだ。
しかし、俺がリサを探す事には彼らの情報は開示できないと突っぱねられた。あの甥のせいだと言うのに、理不尽だ。だが諦めきれずに黎明の羅針盤のメンバーに手紙を出すが、まだ一度も返事がない。
間違いなく届いているのだろうが、返事がないということは彼らにとって俺の存在はリサに必要ないと判断されたのだろう。
どうやってリサを見つける?
俺はすぐに王都を離れた。
もちろん出発前に余計なことを言った甥にはしっかりと制裁を加えておいた。兄上や宰相からもこっぴどく叱られたらしいが、後の事は知らない。
俺はリサさえ見つかればそれでいいのだから。
とりあえずは二人で旅をした時に口にした都市の名前や、行きたいと言っていた場所へ向かうことにした。
彼女を見つけることが、それだけが俺の望みだ。
だが、彼らにどれだけ連絡をしても一切返事はなかった。そもそも彼らの居場所すら掴むことができない。
宰相が言うには、災害級の被害が出そうな事案の時に連絡が取れるよう、滞在先のギルド長に連絡係を頼んでいる様だ。そう。グレンがリサの正体を知っていたようにだ。
しかし、俺がリサを探す事には彼らの情報は開示できないと突っぱねられた。あの甥のせいだと言うのに、理不尽だ。だが諦めきれずに黎明の羅針盤のメンバーに手紙を出すが、まだ一度も返事がない。
間違いなく届いているのだろうが、返事がないということは彼らにとって俺の存在はリサに必要ないと判断されたのだろう。
どうやってリサを見つける?
俺はすぐに王都を離れた。
もちろん出発前に余計なことを言った甥にはしっかりと制裁を加えておいた。兄上や宰相からもこっぴどく叱られたらしいが、後の事は知らない。
俺はリサさえ見つかればそれでいいのだから。
とりあえずは二人で旅をした時に口にした都市の名前や、行きたいと言っていた場所へ向かうことにした。
彼女を見つけることが、それだけが俺の望みだ。
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